アイドルらしくないアイドルだった橋本奈々未

涙であいさつする橋本奈々未

涙であいさつする橋本奈々未

<こんな人>

 乃木坂46橋本奈々未(24)の卒業コンサートが20日、さいたまスーパーアリーナで行われた。グループ結成時からグループを支え続けた人気メンバーが、ステージから去った。

 「ずるくない人がもっと活躍できるような世界になってほしい」

 「クールビューティー」と呼ばれるミステリアスな美貌で、グループきっての知性派。一見大人びた印象を受ける橋本だが、実は不器用で、どちらかというと「コドモ」だ。

 コンサートやイベントのスケジュールについて、スタッフと言い争ったことは1度や2度ではない。雑誌のインタビュー中も、あまりにも率直な意見を言いすぎるため、マネジャーから止められたこともある。時に理不尽で筋書きどおりにはいかない芸能界の中で、日々、納得いかないことが浮かんでは消えていた。

 引退は、乃木坂46に入る時から決めていた。学費の捻出のためでもあったというが、橋本にとって、芸能界は「怖いもの見たさ」でもあったのかもしれない。

 卒業後の進路は明確に決めているというが、ほとんどの関係者に明かしていない。5年過ごした芸能界に、全く染まることはなかった。希少な「アイドルらしくないアイドル」だった。

【乃木坂46担当・横山慧】