中国の軍隊である「中国人民解放軍」は、厳密な言い方すると「軍隊」ではないそうで、軍隊は「国家」に属する組織で、その国の国民の意思で動く物です。
実際には国民に選ばれた政府によって決定された指示によって行動します。
「中国人民解放軍」は政府に属している組織ではなく中国共産党隷下にあり、共産党の決定によって行動します。
中国は一党独裁なんだから共産党の意思は政府の意思じゃん、と思われるかもしれませんが、形の上で政府の軍隊ならば国民の意思を仰ぐ形を取らなければならないので議会を通す必要があるのですが、「中国人民解放軍」は共産党隷下組織なので、議会の審議を受けて意思決定する必要がなく、党の判断で即行動を起こす事が出来ます。
無論、党の中で審議する必要もありません。
同様の組織構造を持ってる軍隊は割とありまして、例えば米海兵隊。
米国の陸海空三軍は議会通さないと行動出来ませんが、海兵隊は大統領個人の命令ひとつで即座に行動出来ます。
「世界の何処にでも3日以内で展開出来る」が米海兵隊のウリでして、議会通すのに数日かかる三軍が動ける様になる前にいち早く現場に着く事が出来ます。
独裁国家の軍隊もそんな感じですね。
要は米海兵隊も中国人民解放軍も大統領や共産党の「私兵」であって、国家の軍隊ではないのです。
なので、中国では国民が暴動や反乱を起こした時に面倒な手続き無しで即座に軍隊を出動させて国民を鎮圧する事が出来ます。
要は中国人民解放軍の仮想敵は「自国民」なんです。