happy_chicken
4319文字
Public Unlisted
 

チェイサーゲームW2雑感 冬雨がために世界は廻る


 
はじめに

この文章はチェイサーゲームW2美しき天女たちを見ていて、溜まってきた不満とか怒りとかが爆発しちゃったオタクの壁打ち雑感文となります。
作品を好きな人には不快な文章になると思いますのでご注意ください。
そんなに嫌なら見るなよって話なんだけど、見ちゃったもんは仕方ねーじゃん。
もしもこの文章があなたの大切なアルミレーナを害したと感じたとしても、わたしはアルガンテではないのでどうぞ聖都へお帰りください。



一、シンプルに腹が立ってる

作品を鑑賞するとき、わたしたちは作品を見ているようで、その実は自分と向き合っています。作品は作品でしかなく、そこに湧き上がる感情のうねりは自分の一部でしかないためです。
チェイサーゲームW2美しき天女たち、5話。内なる自分が叫ぶ声を聞きました。
バカにすんのも大概にせぇよ、と。


チェイサーゲームW2美しき天女たちを視聴しているとき、その辺に生きてる同性愛者の解像度なんかを放っておいても感じるのは、ストーリーの繋がりがめちゃくちゃでスゲェ気持ち悪ィなってことです。
冬雨はそもそも離婚したいって言うのにお母さんから離れて日本に来ちゃうし、自分の親が樹を攻撃している現状で「全部私が守る」も無えよって話だし
朝から酒飲んで喧嘩して画面切り替わったら病院で自転車だし
樹は家を荒らされて職場も潰れかけてるのに呑気に母校でプール遊びしてるし次は大学に行くみたいだし
物語の全体的な流れとして、起こしたトラブルを畳まず次に行っちゃうから、今あれどうなってんの??に気を取られて集中できてないです。しんどい。サブタイトル考え直した方がいいよ、「チェイサーゲームW2 なにかがおかしい」って感じだよ。

いっそ全部が夢オチで、最終回は昏睡状態から目覚めた冬雨の手を樹が握っていて、時間軸はあの「物足りない」の日から1週間で、放心状態の帰り道で事故に遭って生死の境を彷徨った冬雨に樹が全てを打ち明けて喧嘩して仲直りしてこれからのこと二人で考えようねってオチならスタンディングオベーションするわ。

始まる前は、多少のシナリオガバは耐えられるつもりでした。だって女優さんがいいから。菅井友香さんが春本樹で中村ゆりかさんが林冬雨だったら大抵のことは乗り越えられるって思ったんです。
でもなんかもうそれでもしんどい。
ショートカット派のわたしが短髪ゆりか嬢の麗しさに浮かれてまさかのエクステで落とされたとかそんなレベルじゃなくてしんどい。

2期はほんとに冬雨がひっっどい。ゆりか嬢を以てしても庇いきれてない部分があるし、ゆりか嬢がこれを演じていると思うと苦しみが増す場面もある。
1話の、未就学児の娘に「ママが結婚したいのは樹ちゃん」なんて言わせて照れ笑いを浮かべる冬雨が無理だった。
4話の、無理だよと告げた翌日に目の前で樹が涙を堪えきれない様子を見て苦虫を噛む顔を浮かべる冬雨が無理だった。
5話の、どんなに苦しい局面でも自分を想い続けてくれた恋人が唯一の家族に本心でぶつかる場面で、膝を抱えて知らん顔をしている冬雨が無理だった。

ゆりか嬢を信じすぎていたのかな。どんなにシナリオがペラペラで、人でなしの脚本あっても、ゆりか嬢なら冬雨に人間の厚みを与えてくれるって。でもゆりか嬢だって全てを決められるわけじゃないんですよね。
どうしよう。冬雨を愛せなきゃこのドラマほんとに見てらんない。

真剣に全力で向き合って作った上でトンチキになってるおもんないドラマならいいんですよ。そんなんはむしろ大好物なんですよ。でもさぁ、でもさぁ誰か脚本の人からSNSを取り上げて。



二、アタイって、ほんとバカ

多少のシナリオガバは大丈夫と思ってたけどその範囲を超えちゃった、1番の理由はなんとするか。わたしにとってのそれはギリギリ期待した部分を大幅に裏切られていることです。
1話を見て、わたしは「誰に対しても誠実でありたい」という台詞に光明を見ました。誠実であるというのは我々がリアルの世界を生きていく上でもずっと着いて回る言葉であり、大変な生き辛さをもたらす価値観であるからです。それはとても大切なものだからです。
それと同時に、「全てを解決する」ではなかったことで、これは達成できるゴールだと思えました。

シーズン1終了の時点で、樹への愛を貫こうとすると冬雨の状況はかなり詰んでいます。責任を負うべき子供はいるし、旦那も蔑ろにはできないし、家格は高く母親が厳しい。障害だらけのスタートです。どうすんだよこれとお手上げララバイしていたところに「誠実でいたいから待ってて」の言葉が降ってきます。
なるほど、と思いました。そうか、シーズン2はこの困難に過ぎる状況の、ややこしい問題ひとつひとつに向き合って落とし所を見つけていく物語なんだな、と。冬雨をとりまく環境を思うと、冬雨が樹と結ばれるために誰も傷付けないということにはなりませんから、その痛みも引き受ける覚悟をもって物語をすすめていくんだな、と。

信じたアタイがバカだなんてわかってんのよ

誠実であることをやめていいなら、我々のようなものが好き勝手に生きるのは難しいことではありません。ひ孫を見たがる祖母なんて煩わしさに任せて不通になってしまえばいいし、理解を得ているのなら同性であることを逆手にとっていつまでも不倫関係を続けていけばいい。べつに誰も悲しみません。ただ、誰のことも喜ばせることはできないだけ。

おばあちゃんの望みは樹が幸せに生きること。その幸せの定義がずれていたことを、わかっていて言わなかったのがこれまでの樹です。嘘をついている状態を続けてきたわけですから、誠実な態度ではなかった。それでいいならそれでよかった、だけど傷つけても傷ついてもいいから誠実であることを選んだ、そういう場面なんでしょう?そうであってほしかったよ。わたしは落胆しています。そして激怒しています。わずかばかり希望を抱いていたから。

こんなに不誠実なカミングアウトがあって堪るかよ。
こんなものを出しながら、わたしたちの気持ちがわかるようなことを言ってくれるなよ。
女同士が問題なんじゃない。好きな人が女だろうが男だろうが関係ないくらいヤバい状況が出来上がってるのに、問題を女同士であることに摺り替えて、より根深い深刻な問題への言及を避けて同情を引き理解を得る構図が出来上がっちゃってる。
樹がどう、おばあちゃんがこうって話でもなくなってきてる。作劇の話ですこれは。

カミングアウトの内容じゃない部分が酷すぎて、菅井様の演技が浮いちゃってる。
本当の自分を唯一の家族にわかってほしい一人の女性の演じ方が素晴らしいからこそ、それが異質すぎて受け入れられない。ほんで隣で知らん顔してる女やばい。なんだその顔。ここで理解が得られなくてもどうせ海外で結婚するからいいやみたいな顔してんな。
孫がどんなに切実に訴えても普通に考えてこの態度の女に孫任せるの無理でしょ。しかもただの女じゃなくてまだ結婚してて子供いて仕事してなくてこの女の母親に自宅も勤め先もグチャグチャにされてる状況下なの本当にやばい。ゆっかちゃんは本当に最高なのに全然ゆっかちゃんに集中できない、助けてほしい。



三、冬雨ちゃん以外プレイアブルじゃないの

浩宇と樹に共通しているのは、冬雨がどれだけ主軸をブレさせてもこのふたりの冬雨への想いがなぜかぶれないってところ。
浩宇は最初から最後まで冬雨の背中を押す発言と行動しかしないし、樹もどれだけ痛めつけられても冬雨への気持ちは揺らがない。ふたりとも、冬雨にとって都合の悪い言動をしない。
月ちゃんもそう。中国の保育園で日本語の絵本を拾ってくる。ものごとの善悪も社会の常識もわからないのに、冬雨の身勝手な言動の全てを肯定する。
おばあちゃんも月ちゃんと同じかもしれない。あれだけ結婚がどう、よその子がこう、あんたのお母さんとの約束がそう、って一方的に捲し立てていたおばあちゃんがすんなりと受け入れて祝福してくれる。

全員、決められたセリフを語らされる、NPCみたいだ。冬雨にとって都合のいい世界。選択肢で分岐するADV。こなすイベントが前後したってフラグさえ立てればシナリオは進むし、本当に都合の悪いエンディングはやってこない。
冬雨がプレイアブルキャラクターとすると、ママからのプレッシャー攻撃は「はい/いいえ」の無限ループ形式のイベントだし、ヨルムとのレスバは対戦形式のミニゲーム。クリアさえすれば次の章が始まる。

なんだかなぁ、と思う。



四、綺麗なだけの世界じゃないとは言うけれど

そんなことは誰かに教えてもらわなくたって、とっくに知っているんだけど。
見えないものを見えるようにするって触れ込みのドラマでした。でも、渦中の人間からすれば、ここには見えてるものしかないのよね。
もともとあったものばかり、それも真剣に取り合わずに放り投げられるばかり。
こう見えているのかなぁって悲しくなるよ。
外から見て、面白いところだけを切り取って、ツギハギしただけ。それをどこかのゴールに持っていかない。問題に切り込んでみたはいいけど、あとは勝手にどうぞって感じを受けるよ。

これはわたしの認識の話なんですけれど。
我々のようなものというのは、か弱く吹けば飛んで消えてしまう、守られるべき生き物ではありません。
すでに世界に蔓延っていて、その他の人々と同じ義務を果たしているのに、あるべき権利がないのがおかしいから早よ寄越せと、既にブチギレている人々だと思うのです。
そのあたりの感覚は少なくとも制作方、ひいては菅井様ともズレてるよね。でも菅井様の発信はというかそういうことを言ってしまえる菅井様の魂は好き。菅井様ご自身の誠実さのあらわれなので。

でも菅井友香様がどれだけ優しい言葉をくれたって、役に真摯に向き合ってくれたって、なんだかもうここにある全部がしんどい。
撤退するならここらで潮時なのかもしれない。もう限界を迎えていたのかも。苦しくなるなら離脱しちゃったほうがいいのかも。トンチキ具合にわいわい騒いで、文句言いながらも冬雨ちゃんのビジュアルに刺されて、樹の幸せを願って悶えるのが楽しかったんだけど。
ありがとうね、さようならチェイサーゲームW2美しき天女たオフショットゆかちせゆりンギャワイイイイイイイ


結論

殺してくれ、俺を


 
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color