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【考察】独立リーグにおける「飼い殺し」問題を考える

神奈川FDは10月17日、チェコ出身のプロコップ選手を自由契約にしたと発表しました。


プロコップ選手は今季新たに入団した21歳の内野手。
23年に行われたWBCではチェコ代表として選ばれ、神奈川FDでの成長が期待されていました。

球団が自由契約を発表したポストを元独立リーガーで、現在は野球指導者として活動されている田久保賢植氏が引用ポスト。


他の関係者のポストを参考にすると、

  • 練習生契約に落とされ、十分な出場機会/給与を得られなかった

  • 通訳が不在で、コミュニケーションに不具合があった

などといった点がプロコップ選手に巻き起こったトラブルだったということがわかります。
結果として田久保氏のポストは、引用元のプロコップ選手自由契約をお知らせしたものよりも注目されることとなりました。


こんにちは、サク来です。
今回はこの問題などから独立リーグにおける外国籍選手の飼い殺しについて考えていきたいと思います。

Title Photo by @KpbProject

神奈川FDの失態


野球やプロスポーツにおける”飼い殺し”は、十分な成績や能力を有しているにも関わらず、起用されないことを指します。
今回の一件に関して見てみると、プロコップ選手の今季の打率は.067、打点1と活躍できたとは言えない数字でした。

ただプロコップ選手は今年21歳。
来日したのも日本で成長するためであり、即戦力としてではなく、じっくり機会を与えて成長させていく狙いが当初の神奈川球団にあったことがわかります。
そして選手自身も神奈川FDでスキルアップして、さらに上のステージへいく狙いがあったことが伺えます。

しかしいざBCが開幕すると、神奈川FDは信濃GS・群馬DPらとともに優勝争いを演じることとなります。
プロコップ選手の本職である遊撃は内藤選手がレギュラーに定着すると、出場のほとんどは代打か指名打者でのものとなります。
さらに与えられた打席はわずか15と、成長するにはあまりにも少なすぎました。

ここから神奈川FDサイドの不手際が顕著に見られます。
プロコップ選手入団を発表したのは、1月末。
プロコップ選手と契約したことにより、BC開幕が4月と残り二ヶ月の中で、多くのメディア露出スポンサーの獲得などが叶いました。
特にスポンサーについてはとても顕著で、個人スポンサーの契約数はチームのエース格で、タイトルも獲得した安里投手より上の19件でした(公式サイト参照)。
しかし神奈川FDはプロコップ選手の成長よりリーグ優勝をとったことが分かります。
5月中頃に練習生契約となったプロコップ選手は、それ以降昇格することはありませんでした。

結果的に多くのスポンサーがついたのにも関わらず15打席しか与えられなかった点が「外国籍選手の客寄せパンダ」としての扱いとなってしまい、批判の声が多く集まったことで、神奈川FDにとってマイナスプロモーションとなってしまいました。

また言語の壁も問題となりました。
関係者のポストを見た限り、神奈川FDは外国語話者が不在で、選手・コーチも英語ができなかったことでコミュニケーションに問題があったことが指摘されていました。
ただ神奈川FDはDeNAから例年外国籍選手の派遣が行われているため、これについてはさらに深く考える必要があると思います。

ともかくこの一件に関しては、「チャンスを与えられなかった神奈川FDの落ち度」とまとめられると、サク来は考えます。


火の国と外国語話者に関する問題


本州で巻き起こったプロコップ選手の飼い殺し問題でしたが、これに似た現象が今年のKALでも起こりました。
火の国に入団したペ・ミンス選手です。

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Photo by @KpbProject

火の国の場合、個人スポンサーの制度を行っていないので、「球団に韓国人が入ったことによるスポンサーの増加」があったかどうかは分かりませんが、プロコップ選手と似たような境遇を持っています。
ぺ・ミンス選手に与えられた打席数はシーズンで23打席とプロコップ選手より上回っていますが、KALの試合数が76試合なのに対し、BCは54-56であるため、そこを考慮すると、対して変わらないと言えましょう。
加えてKALには練習生契約の概念がなく、出場登録さえされていれば出場のチャンスが巡ってくる可能性がありましたが、それでもこの数字に落ち着いてしまったということは、ペ・ミンス選手自身の能力が足りていないと言えます。

ぺ・ミンス選手も21歳の外国籍選手とプロコップ選手と重なる点がいくつかあります。
彼もまた日本での成長・ステップアップを目的としていたため、2024年を満足して過ごせたとは思えません。
火の国球団としても機会を与えてじっくりと成長させていきたかったように見えますが、開幕から敗戦が重なったことで、勝利を優先せざるを得なくなりました。
打撃面で厳しい成績を残していたペ・ミンス選手は必然的に優先度が後になっていきました。

また火の国は韓国語の話者が神田社長しかいなかったことも問題だと考えます。
その神田社長が4月にチームを離れて以降、ぺ・ミンス選手は来日前から勉強していた日本語でのコミュニケーションをとることが多くなりました。
他の日本人選手がぺ・ミンス選手に積極的に声をかけたり、逆に話しかけられたりと会話のきっかけができたことに関しては良かったポイントだったかもしれませんが、韓国籍の選手を受け入れる体制が整っているとは言い難い状態でした。

スペイン語に関しては22シーズンにモタ選手、グスタボ選手が在籍していたことから勉強した山岸mgや芦谷投手、さらにボランティアの方と、ある程度整備されていたため、23-24シーズンも受け入れることができました。
ローズ監督が退任した後、X上に投稿したポストでは、「言語の壁を超える体制がなされなかった」と主張しました。
このことから英語による体制に不備を抱えていたことが明らかになります。


九州”アジア”リーグとしての意義


今回の件で、神奈川FDでチェコ国籍の選手がプレーする可能性がほぼなくなったように、ドンウォン大から直接火の国へ入団する可能性も薄くなりました。
この2件はどちらも海外でプレーする若い人材の1年を消費したことが問題点だと考えられます。
二人とも戦力としてはこれからつけていくという中で、十分に機会を得られなかったことは、今後同国の選手を獲得していく中でディスアドバンテージを背負っていくこととなります。

そして今後日本での挑戦を行う選手にはエージェント:代理人のように契約を選手側に有利に進められる人が仲介することが増えてくると考えられます。
その方が今回の飼い殺しのような事態を防ぐことができますが、球団に対しての代理人の要求が無茶だったり大きかったりすると、契約に応じる球団が限られるようになります。
今後独立リーグへやってくる外国籍選手の動向にも注目が集まります。

KAL:九州アジアリーグではかねてより韓国籍選手が入団してきていました。
23シーズンに北九州Pに在籍したパク・シオン投手や今シーズン大分Bでプレーしたユン・シングン投手など、コロナ禍から脱して以降多くの選手が挑戦しました。
そんな中で今年の火の国がぺ・ミンス選手を十分に起用できなかったことは、今後アジアと向き合っていく中での不安要素となりました。
今後韓国や台湾国籍の選手を加えるのなら、それなりに環境を整備する必要があります。
それは言語的な問題だけでなく、海外に挑戦してまで火の国でプレーする価値を生み出せない問題につながるからです。
今年の球団トライアウトは現時点で熊本・関東で開催される予定がありますが、特別セレクションで他国からやってくる可能性もあります。

これ以上、外国籍選手をベンチの穴埋めに使うことは、選手・球団の双方にとってデメリットしかありません。
火の国がどの国の選手を戦力に加えるのか、またその環境整備が如何なるものかにも注目すべきでしょう。

そしてぺ・ミンス選手はこの1年をバネに新しいステージで火の国を見返す活躍を起こしてほしいと願っております。

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