北斗星(10月22日付)
「犬を飼いなさい」「外に照明をつけた方がよい」。大正末から昭和初めにかけ、東京で約100件もの強盗事件を重ねた男は押し入った家の住人に対し防犯の注意を説いた。世に言う「説教強盗」である。男は逮捕時27歳だった
▼首都圏で発生した一連の強盗事件で逮捕された実行犯の多くも20代。一軒家を狙っている点も共通する。実行犯は闇バイトに応募したとみられる
▼ただ現代の連続強盗の手口は手荒い。未明に窓ガラスを割って複数で押し入り、住人を縛って金品を奪う。暴行されて重軽傷を負ったり、亡くなったりした被害者もいる。警視庁と埼玉、千葉、神奈川の3県警は合同捜査本部を設置した
▼「短期で稼げる」と応募した闇バイトで個人情報を握られ、「家族への危害」を恐れて断れずに犯行に及んだと供述する容疑者もいる。指示役の言いなりにならず、暴力を踏みとどまれなかったか
▼同様の事件は今月に入って札幌市でも発生。全国的に警戒が必要だ。先日、秋田市内の家電量販店では不審者の訪問拒否に役立つインターホン、屋外用の自動点灯ライトの売り場で熱心に品定めする客らの姿を見かけた。防犯意識の高まりの表れだろう
▼「歴史への招待21昭和編」(日本放送出版協会)によると、説教強盗の影響で、当時の東京では街灯や番犬が増えたとか。元説教強盗氏は番犬について「秋田犬は怖かった」とも語っている。ただ現代の闇バイト強盗に対して番犬の効果の程は分からない。