大阪在住の女性Ｎ様から「私は二十六歳だけど、仕事を辞めて実家に戻り将来のことを考えるといろいろ不安になるから、坂爪さんに会って元気をもらいたかった」と連絡をもらった。私の正しい使い方である。二十六歳の女性に「二十六歳だからまだまだ若いよ、なんでもやれるじゃん」と言うのは無意味である。苦しみに年齢は関係ない。私は、まず、私に連絡をくれたＮ様の勇気を讃えた。私に連絡をするのは怖かったであろう。その恐怖を乗り越えて、実行に移したＮ様を讃えた。

坂爪さんが二十六歳の頃は、どんなことを考えていましたかと聞かれた。答えよう。二十代の娘たちよ、二十代の頃は、なんでもいいから経験の時だ。死なない程度に経験しよう。なんでもやってみたらいいよ。いろいろなことをやって、いろいろなことを学ぼう。少しでも興味が湧いたなら、頭でごちゃごちゃ考えないで、体で突撃しよう。本を読むより、ネットを見るより、生身の人間とやり合った方が絶対学ぶから。この点において、私に連絡をくれて会いに来たＮ様の勇気は尊い。

外野の声は気にしないことだ。外野はいつでも理想を押し付ける。理想に応えるんじゃなくて、理想を越えてやるんだよ。いい子ちゃんになるのではなく、見ている全員が遊びたくなるくらい、遊ぶんだよ。お金がないと不安になると思うけど、大丈夫。大丈夫っていうことを、頭だけじゃなくて体に覚えさせるんだよ。言い聞かせるだけじゃなくて、やり聞かせる。実際にやって「意外と大丈夫だった！」となってはじめて、体が大丈夫を覚える。そうするともっと大丈夫になるから。大丈夫じゃないことも含めて、大丈夫になるから。

本当はなくても生きていけるものがたくさんあるから、本当に必要なものだけ残したら、あとはなくてもなんとかなる。ないから逆に知恵やアイデアが出る。常識に縛られないで、知恵やアイデアをどんどん試す。笑われてもいいから、次々と試す。百人から笑われても、一人が最高だねと言ってくれたら、その人が親友になる。仲間は歩き出したあとに出会うから、今は一人でも大丈夫。信じたものがあるなら、その道を行きなよ。具体的じゃなくていいから、心が喜ぶ方向に行きなよ。人に優しくしてたら、絶対、人からも優しくされるから。本当の優しさを学びに、おゆきなさい。

これを食べたら元気になるってものを、一つだけしっかり覚えておくといいよ。あと景色。この景色があれば何度でもやり直せるって景色を一つ、心の中に持っておくといいよ。それがあれば頑張れるから。自分の可愛さを殺すなよ。自分の可愛さを生かすんだよ。行き詰まったら部屋の掃除。かばんの掃除。クヨクヨしたら、顔パック。考え過ぎない。運を動かすと書いて運動。死して尸拾うものなし。虚無に負けるな。さみしくなったら塩舐めろ。セルフ浄化だ。セルフ陰陽師だ。困った時は、呼んでくれ。ショック療法を施す。俺に会いに来た君は間違っていない。俺の記事を読む君は間違っていない。誰一人間違っていないし、全員間違い。誰もが業を抱えて生きている。愛しい存在が我々ヒューマン。生き方に正解はないのだから、生き方に間違いもない。何のために生きるかなんて、君に会うためでいいじゃない。生きていたら出会うから、さあ、おゆきなさい。顔をあげて、胸を張って、自分の道をおゆきなさい。