今季限りでの現役引退を発表したサンフレッチェ広島MF青山敏弘が、10月21日に広島市内のホテルで引退会見を行なった。2004年に加入してから今季までの21年間を広島一筋で戦い抜き、数々のタイトル獲得に貢献。ファン・サポーターに愛された紫のバンディエラが、引退を決意した理由や現役時代の思い出、今後の抱負などを語った。

上写真=引退会見を行なった青山。晴れやかな表情で現在の心境などを語った(写真◎石倉利英)

広島一筋21年のプロキャリアに終止符

 1986年2月22日生まれ、岡山県出身の青山は、地元の作陽高(現作陽学園高)から2004年に広島に加入。06年途中のペトロヴィッチ監督就任を機に主力に定着すると、正確なキックと豊富な運動量を武器に、不動のボランチとして活躍を続けた。

 森保一監督が就任した2012年にJ1リーグ初制覇、翌13年はリーグ連覇に貢献。14年には日本代表としてブラジル・ワールドカップに出場した。15年にはキャプテンとして3回目の優勝に導き、JリーグMVPに選出されている。05年の左膝前十字靭帯断裂をはじめ、キャリアの節々で大きなケガに見舞われたが、そのたびに力強く復活を遂げてきた。
 
 ミヒャエル・スキッベ監督が就任した2022年以降は徐々に出場機会が減り、同年のリーグ戦出場は15試合、23年は5試合。38歳となった今季は10月19日のJ1第34節終了時点で2試合にとどまっており、20日に今季限りでの現役引退が発表されていた。

 スーツ姿で登壇した青山は、冒頭で「サンフレッチェ広島の青山敏弘は、今シーズンをもちまして現役を引退することになりました。これまで支えていただいたクラブ、ファン・サポーターの皆さんに感謝を伝えたいと思います。どうもありがとうございました」とあいさつ。「この尊敬するサンフレッチェ広島というクラブで引退できることを、幸せに思っています。21年という長い現役生活すべてを、このクラブでプレーさせていただき、すべてを捧げさせていただいた。そういう大きな誇りを胸に引退できることをうれしく思っています」と続けた。

 引退を決めた時期は「今シーズンが始まる前から、今年で最後だと。前強化部長の足立(修)さんと2人で話し合って、今年に挑みました。今年の初めから決めていました」という。理由は「自分がこのチームに入団させてもらえたのは、足立さんにスカウトしていただいたから。その足立さんに背中をたたいてもらったのは、自分にとって大きかった」と明かした。

 未練や迷いはなかったか、との問いには「今年で最後という思いを持って今シーズン、戦ってきました。そのクラブの決断を、僕は覆そうと思って戦ってきて、覆せなかった自分の力不足だと感じている」と答えた。その上で「いま思い切り、若い子たちが頑張っているので、その子たちが僕のポジションを奪って、首位争いをしてくれている。これほど気持ち良く引退するのは、僕にとっては良いことだと思っている。僕がポジションを奪えなかったから、引退する。潔く、やめさせていただきます」ときっぱり言った。


PICK UP
日本サッカーの年末年始を彩る伝統のビッグイベント、第103回全国高校サッカー選手権大会の都道府県予選(都道府県大会)が各地で進行中だ。10月20日には広島県予選のラウンド16(決勝トーナメント1回戦)が行なわれ、瀬戸内高、広島翔洋高などがベスト8進出を決めている。

上写真=瀬戸内高は山陽高を2-0で下してベスト8へ。先制点を決めたDF白水陽が両手で『M』の字を作るゴールパフォーマンス(写真◎石倉利英)

決勝はエディオンピースウイング広島で

 広島県予選の決勝トーナメントは、1次トーナメントを勝ち抜いた12チームにシードの4チームを加えた計16チームによる争い。Balcom BMW 広島総合グランドでの第1試合では、今年の全国高校総体(インターハイ)に出場している瀬戸内高が山陽高と対戦した。

 風上に立って序盤から押し気味に進めた瀬戸内高は8分(40分ハーフ)、CKからDF白水陽が右足で決めて先制。12分にはCKを短くつないでからのセンタリングをFW上岡士恩がヘッドで決めてリードを広げた。後半は山陽高が風上に立って何度かチャンスを作ったものの、最後まで守備が崩れなかった瀬戸内高が2-0で勝利を収めた。

 広島翔洋高と広島国泰寺高が対戦した第2試合は、23分にCKからFW丸本空秀が鮮やかなヘディングシュートを決めて均衡を破る。後半、広島国泰寺高は押し気味に進めるも得点を奪えず、逆に広島翔洋高はMF河津陽斗が追加点を挙げて2-0でベスト8進出を決めた。

 このほかは昨年度出場校の広島国際学院高に加え、広島新庄高、沼田高、如水館高、銀河学院高、広島皆実高が勝ち上がった。準々決勝は10月27日、準決勝は11月3日で、決勝は11月10日、今年からサンフレッチェ広島がホームスタジアムとして使用しているエディオンピースウイング広島で行なわれる。

取材・写真◎石倉利英


PICK UP
Next

This article is a sponsored article by
''.

No Notification