関東で相次ぐ強盗事件。逮捕された一人が「家族に危害が加えられるかもしれないと考えると断れなかった」と供述するなど、容疑者たちが「闇バイト」から抜け出せなくなり、犯行に及んでいった過程が見えてきました。
きのう、送検された宝田真月容疑者(22)。今月15日ごろ、横浜市青葉区の住宅で後藤寛治さん(75)に暴行を加えて殺害し、現金およそ20万円を奪った疑いがもたれています。
宝田容疑者の祖父
「亡くなってしまった後藤様と、ご家族様には言葉がないです」
けさ、JNNの取材に応じたのは宝田容疑者の家族です。自宅を案内してくれました。
宝田容疑者の祖父
「(Q.ゲームがお好きだったんですか?) ゲームはそうだね」
宝田容疑者の部屋にはキャラクターのグッズが飾られていました。机の上には証明写真も。
宝田容疑者の祖父
「今回の『ホワイト案件』の申請なんかに使ったんじゃない。気がついたのは昨日なんだけどね」
警察に対し、宝田容疑者は「SNSで『ホワイト案件』などという投稿を見つけ、指示役と繋がった」と説明しているといいますが、「途中で犯罪に加担することに気づき、恐怖を感じた」と供述。
それでも犯行を続けた理由について。
宝田容疑者
「個人情報を指示役に知られていたことから、仕返しや家族にも危害が加えられるかもしれないと考えると断れなかった」
これに対し祖父は…
宝田容疑者の祖父
「(犯罪への加担を)断ってくれて、家族に被害を被った方がまだまし」
家宅捜索の日、宝田容疑者はいつも通りの様子だったと祖父は話します。
宝田容疑者の祖父
「19日か(家宅捜索の前の)朝方、普通に、おはよう、行ってくるね、いってらっしゃい、いってこいよと。(Q.家宅捜索の時は?)特に戸惑った様子もなく」
なぜ、宝田容疑者は犯行に及んだのでしょうか。動機については。
宝田容疑者
「税金の滞納金があり、短期間で稼げるアルバイトを探すことにした」
祖父によりますと、家族の国民健康保険の支払いについて、宝田容疑者の分を本人に請求していたといいます。
宝田容疑者の祖父
「女房と真月と3人分で各々計算したら、こういう内訳になるわけ。約40万だから、その分を真月に請求した。(滞納の話は)これしか思い当たる節がなかったけどね」
ほかの税金などを滞納していた可能性はあるとしたうえで、祖父は「相談してほしかった」と話します。
宝田容疑者の祖父
「一生を台無しにするような犯罪を犯したんだもんね。ほんと、相談してくれればね。『金がねーよ』ってことであれば、別に請求しなかったんだよね」
一方、17日に千葉県市川市の住宅で起きた強盗傷害事件では、住人の娘(50)が暴行を受けたうえ一時監禁され、大けがをしています。その家族が事件現場となった住宅で、当時の様子について語りました。
女性の母親
「(事件後に娘と)会ったらもうボロボロでね…かわいそうに。(娘が見つかったのは)本当に皆さんのおかげ」
女性の弟
「その辺に落ちているレンガでこれを割って、中にも入っていたというからさ」
これは事件直後の様子。窓ガラスが割られ、犯人たちはここから家の中へ侵入したとみられます。
その日、まず異変を感じたのは母親でした。仕事から帰宅すると。
女性の母親
「ドアが施錠されていなくて、(娘は)鍵を忘れる子じゃないから、おかしいと思った」
玄関の鍵は開いたまま。引き出しという引き出しが開けられたうえ、金庫もこじ開けられていました。仕事に出ているはずの娘とは電話がつながらず、LINEで「泥棒が入った」と送っていましたが、返信はありませんでした。すると職場から連絡が。
女性の母親
「(娘の職場から)出勤していないんだけど、えっうそ、実はこういう状態でって。絶対に何かあったよねって、血もあったし、きっと暴力されて連れていかれた。車もないし」
この時の母親の心境は、いかばかりか。
警察によると、娘は寝室で寝ていたところ、3人組の男から「金はどこだ、殺すぞ」などと脅されたうえ暴行され、全身を粘着テープのようなもので縛って連れ去られていたということです。
女性の母親
「(事件後)顔もボコボコで、手もすごいの。どうしたのって言ったら、ガムテープでぎゅうぎゅうやられて傷だらけ。肋骨も何本か折れた。金出せ、殺すぞって感じで脅されたって。お金なんかないよって」
この事件をめぐっては、これまでに強盗傷害などの疑いで高梨謙吾容疑者(21)が、住人の娘を監禁した疑いで藤井柊容疑者(26)が、それぞれ逮捕されています。
高梨謙吾 容疑者
「闇バイトに応募して強盗に加担したが、嫌になった。ほかの強盗事件にも関与している」
高梨容疑者は白井市の強盗傷害事件への関与をほのめかし、また藤井容疑者については横浜市青葉区の強盗殺人事件など2つの現場から指紋が検出されています。
藤井容疑者を昔から知る人は。
藤井容疑者を昔から知る男性
「本当に優しいし、おばあちゃん想いで。ずっとね、おばあちゃんと一緒に住んでて、介護をやってた。勤めてたんよ、どこかわからんけどね」
“いい子”だったという藤井容疑者。建設現場で働いていた時期もあったといいます。
藤井容疑者を昔から知る男性
「一生懸命やるしね、言われたことをちゃんとやってね、テキパキ、テキパキやる子だね」
“普通の若者”が犯罪行為から抜け出せず凶悪事件に…。一連の強盗事件など、犯行を命じた「指示役」の行方は、いまだ分かっていません。
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