マスク氏、毎日有権者1人に1億5千万円 トランプ氏応援、批判も

サンフランシスコ=五十嵐大介

 来月の米大統領選で、起業家イーロン・マスク氏が19日、自身が設立した共和党のトランプ前大統領を支持する団体を通じて、激戦州で毎日有権者1人に100万ドル(約1億5千万円)を配ると表明した。有権者に大金をばらまくマスク氏の手法には批判も出ている。

 マスク氏が設立した政治活動委員会「アメリカPAC」は今月、有権者登録をした人を対象に、表現の自由や銃所持の権利への支持を求める署名活動を開始。署名者を紹介した人に1人あたり47ドル(約7千円)を配る運動を始め、その後100ドルに引き上げていた。マスク氏は、この署名に応じた人の中から来月5日の大統領選まで毎日1人を選び、100万ドルを提供するとしている。

 マスク氏は20日、選挙の勝敗を左右すると言われる激戦州の一つペンシルベニア州での集会で、選ばれた人をステージに迎え、小切手を贈った。マスク氏は「投票する必要はなく、署名にサインするだけ。とてもシンプルだ」と訴えた。

 米メディアによると、選挙の投票や有権者登録のためにお金を払うことは違法だが、署名活動でお金を払うのは違法ではないという。だが、ペンシルベニア州のシャピロ知事(民主党)は20日の米NBCテレビの番組で「このようなお金を政治に流すことは深刻な疑問を生じさせる。司法当局が調べる可能性もある」と話した。(サンフランシスコ=五十嵐大介)

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この記事を書いた人
五十嵐大介
サンフランシスコ支局長兼編集委員
専門・関心分野
テクノロジー、経済、グローバリゼーション
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    遠藤乾
    (東京大学大学院法学政治学研究科教授)
    2024年10月21日10時40分 投稿
    【視点】

     オルガルヒによる寡占支配——盗賊国家化とまではいわないが、メディア支配と買収を通じたファシズムの匂いがする。  マスク氏は、X(旧ツイッター)といったプラットフォームやスターリンクのような基幹インフラを握り、それらを通じて盛んにフェークニュースを流し、トランプ氏に有利な発言を繰り返す。のみならず、記事にあるように、脱法もいとわず、選挙民を買収する。  トランプ氏については、ミリー元米統合参謀本部議長が真正ファシストだと断じた。マスク氏については、FT紙が懸念を表明したように、テクノ権威主義の色彩が濃い。自身の政治的野心もささやかれる。両者ともに異論や反対者への侮蔑・抑圧が強烈だ。  米国の政治情勢は、もはや保守の(変種の)復権・興隆というナラティヴではなく、ファシズムの流れで捉えるべき局面かもしれない。

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