午前0時をまたぐオンライン会議。昼夜問わずに届く200~300件のメールやチャット。深夜でも授業のための資料作りは終わらない。過重労働による緊張状態から眠れなくなり、人生で初めて睡眠薬を服用した。そんな過酷な日々を3年間乗り越えて待っていたのは雇い止めをされた現実だった。
●残業月200時間超も
慶応義塾大湘南藤沢キャンパス(SFC)で准教授として働いていた40代のユリさん(仮名)は、2023年3月、わずか3年でその肩書を失った。博士課程に進み、海外留学もして、手に入れた職にもかかわらず。
20年4月の入職後は、とにかく忙しい日々だった。体育部門の教員として採用されたユリさんは、学部生向けの必修の体育やゼミ形式の研究会など週3~4コマ(1コマ90分)に加え、大学院の授業も週3コマ受け持った。
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