準決が始まる前に風と雨が強くなり、バンクが波打っているように見えた。
10Rで先行した新山響平は「足はいっぱいではなかったが回転数が限界」と冷たいコンディションに苦しみながらも決勝進出。新山の走りは筋が通っていて気持ちがいい。
決勝は近畿の層が厚いので、脇本雄太を推す。
近況の彼は位置取りも考えながら取り組んでいる。「自分の理想には全然追い付いていない。ヨコの動きなどは古性(優作)君などにアドバイスをもらっている。年下だけど、そこは関係ないので」と貪欲だ。
ローズカップは寺崎浩平の番手を回った。決勝も即断即決で並びを決めたところに、位置に対する意欲を感じた。
脇本は9月の向日町G3決勝で窓場千加頼-山田久徳と同乗し、同郷連係を尊重しつつ「3番手は回りません。僕にもプライドがあるので」と、京都とは別線を選んだ。
今の競輪から忘れ去られようとしている「プライド」は、競輪をする上で大切なものだ。自力、追い込み選手ともに位置を巡って日々レースをしている。しかし、決勝など同地区の選手が大量に乗ると、そこにプライドを持ち込む選手は少ない。その意味で脇本の一言は新鮮に感じた。
決勝は寺崎の出方が鍵となる。ローズカップは前受けして突っ張り先行を狙ったが、真杉匠に一瞬の隙を付かれたたかれた。同じ失敗はしたくないと思うので、残り2周は細心の注意を払って先行するだろう。
徐々に混戦に慣れつつあるので、このメンバーなら狙われないとみる。脇本が優勝に近い。(日刊スポーツ評論家)
【12R:決勝 ヤマコウの印】◎脇本雄太 ○古性優作 ▲郡司浩平 ☆佐々木悠葵 △渡辺幸訓