柳田は2019年オフ、球団OBで〝平成の三冠王〟松中信彦氏と並ぶ7年の長期契約を結んだ。ところが、最近4年は30本塁打に届かないなど不本意な成績が続き、常勝軍団も2年連続でV逸。「僕がもっと打っていれば優勝できた」と敗因を背負った。
東京五輪でも開幕直前に右脇腹を痛めて離脱寸前まで追い込まれた柳田は、公式戦とは段違いにかかる国際試合のプレッシャーを経験している。国際舞台でのコンディションづくりの難しさについて、「そうっすね。やっぱり、きついすよ。(身心ともに)完璧じゃないのに、そこで無理をしてシーズンがまったく出られないのもあれだし」と吐露。さらに「お金をもらってるのは球団からですからね…」と付け加えることも忘れなかった。
チーム関係者は「単年契約ならば、WBC出場後に不振やケガで成績が出なくても大幅減俸を飲めばそれで済むが、長期の大型契約があるとなればリスクは排除しないといけない。藤本監督から主将を任されている立場もある。苦渋の決断だったと思うよ」と心中をおもんぱかる。
今年10月に35歳。7年契約は現役最後の契約との覚悟もある。この日は呉の屋内練習場を拠点に約3時間半汗を流し、「僕がプレーをできてもあと数年。やっぱり、走れないとダメと自分でも感じている。どれだけもがけるか。しっかり追い込んでムチ打ってやります。とにかく1年間、フルで戦いたい」と今シーズンにかける思いを語った。
チームは昨オフ、日本ハムからFA移籍した近藤健介外野手と7年総額50億円超の契約を結ぶなど大型補強に成功。柳田は大好きな競馬に例えて「クビ差、ハナ差、何でもいいんでとにかく優勝したい」と目標を掲げた。憧れのメジャーリーグのスタジアムでのプレーをあえて見送り、V奪還に全精力を注ぐ。