関係者によりますと強制調査を受けたのは金融庁に出向中の30代の男性裁判官で、職務を通じて知ったTOB=株式公開買い付けの未公開の情報をもとに、ことし、株を自分名義で売買した疑いがあるということです。
この裁判官は、金融庁で企業のTOBに関する情報を取り扱う業務を担当していて、証券取引等監視委員会はインサイダー取引の疑いがあるとして、これまでに、関係先の強制調査を行ったということです。
最高裁判所は主に任官10年未満の裁判官を対象に、さまざまな経験を積ませる目的で省庁に出向させる人事を行っていて、男性裁判官もこの枠組みで金融庁に出向していました。
監視委員会は裁判官の株取り引きの状況について分析を進めることにしています。
金融庁出向の裁判官 インサイダー取引の疑い 関係先を強制調査
金融庁に出向中の30代の裁判官が、職務を通じて知った企業のTOB=株式公開買い付けの情報をもとに、インサイダー取引をした疑いがあるとして、証券取引等監視委員会から強制調査を受けていたことが関係者への取材でわかりました。監視委員会は株取り引きの状況について調査を進めています。
金融庁「厳正に対処していく」
これについて、金融庁は「調査を受けていることは承知しているが、その内容については、コメントを差し控える。金融庁としては調査に全面的に協力するとともに、今後の調査結果を踏まえて、関係法令に照らし、厳正に対処していく」としています。
最高裁判所「裁判官だった者が調査を受けていることは遺憾」
最高裁判所の徳岡治人事局長は「裁判官だった者が、金融庁への出向中にインサイダー取引の疑いで調査を受けていることは遺憾だ。事実関係の詳細を把握していないため、これ以上のコメントは差し控えたい」としています。