周囲より6年遅れて「中央大に合格」。就活はESで9割落ち、人事から年齢で辛辣な言葉も。それでも得た学び
「自分の周囲はびっくりしていました。両親も受かるとは思ってなかったですし、合格しても大学に行くのを認めてくれないんじゃないかと考えていたのですが、意外にも進学することを応援してくれたのでよかったですね」 ■就活はESで9割落ちた こうして波乱万丈の浪人生活を終えたロクさん。 彼に浪人してよかったことを聞くと、「勉強を積み上げる習慣ができたこと」「失敗、挫折し、軌道修正する経験ができたこと」、頑張れた理由に関しては、「途中から大学受験勉強が楽しくなってきて、学ぶ楽しさを知ったから」と答えてくれました。
「浪人をした経験は、社会人になった後も活きていると思います。TOEICやビジネス系の資格取得の勉強を継続してコツコツできるようになりました。仕事でつらいことがあっても、あのときに比べればマシだと思えるようになったのはとても大きいですね」 24歳での大学生活は、最初の1年こそ公認会計士の資格取得の難しさを痛感して1カ月で挫折し、なかなか友達もできずに孤独な日々を過ごしたそうですが、年齢を気にして自分から周囲と距離を作っていたことに気づき、2年目から少人数制の授業を率先して受けたところ、少しずつ友達ができて、大学生活が充実してきたそうです。
就職活動では、IT企業を中心に100社にエントリーしたものの、ほとんど書類で落ちて面接に進めたのは10社ほど。 とあるIT企業で受けたグループワークでは、途中で人事に呼び出され「その年齢で選考を受けて、ほかの学生がかわいそうだと思わないの?」と辛辣な言葉を浴びせられ、落とされたこともあったそうです。 しかし、その後もくじけずに志望する業界を広げて就職活動を続けた甲斐もあり、東日本エリアを管轄している大手鉄道会社に就職することができました。
内定をもらった会社の面接では、「私はこの経歴ですが、人よりつらい思いをした分、人の痛みがわかりますし、会社のサービスにも活かしたい」と熱意を伝えたところ、当時の面接官が真剣に話を聞いてくれたそうです。 「6年遅れでの就活は不安でしたし、実際に書類で通らなくて大変な思いもしましたが、自分をちゃんと見てくれている会社もあるのだと思いました」 29歳で就職した大手鉄道会社では、23歳と同じ基本給で働いたものの、10年働いて主任に昇進。コロナ禍による業績不振をきっかけに大手通信会社に転職しました。その後、42歳でIT企業に再び転職し、現在はマーケティングマネージャーとして働いています。また、現在はその波乱万丈の浪人生活や就活の経験を、自身のnoteでも、発信しています。