流行歌がいくつも誕生した「1979年」
この年は歴史に残るヒット曲が続出し、賞レースは荒れに荒れていた。
五木ひろし『おまえとふたり』と八代亜紀『舟唄』の「五八戦争」に、小林幸子『おもいで酒』の大ヒット、沢田研二、山口百恵、岩崎宏美、西城秀樹などの賞レース常連なアイドル歌謡曲組、さらにアリス、ゴダイゴ、さだまさし、サザンオールスターズなどのニューミュージック&ロック系が入れ乱れる状況で、女優が本職のジュディ・オングが日本レコード大賞に輝いたのは、本命だった西城秀樹『YOUNG MAN』がヴィレッジ・ピープルのカバーだったため、審査対象から外されたことが大きかった。
年間シングルチャートは渥美二郎『夢追い酒』に次ぐ2位だったが、『夢追い酒』は前年に発売されていたため、やはり審査対象から外されていた。
もっとも、『魅せられて』が巷に知られたのは、
荒れた賞レースは『NHK紅白歌合戦』の選考にも影響を与え、和田アキ子とピンク・レディーが落選した。