流行歌の連発で賞レースが荒れに荒れた70年代! 『紅白歌合戦』の視聴率は毎年70%超え!?

更科 修一郎 プロフィール

流行歌がいくつも誕生した「1979年」

西城秀樹の「YOUNG MAN」は大流行した。(写真:Getty Images)

この年は歴史に残るヒット曲が続出し、賞レースは荒れに荒れていた。

五木ひろし『おまえとふたり』と八代亜紀『舟唄』の「五八戦争」に、小林幸子『おもいで酒』の大ヒット、沢田研二、山口百恵、岩崎宏美、西城秀樹などの賞レース常連なアイドル歌謡曲組、さらにアリス、ゴダイゴ、さだまさし、サザンオールスターズなどのニューミュージック&ロック系が入れ乱れる状況で、女優が本職のジュディ・オングが日本レコード大賞に輝いたのは、本命だった西城秀樹『YOUNG MAN』がヴィレッジ・ピープルのカバーだったため、審査対象から外されたことが大きかった。

 

年間シングルチャートは渥美二郎『夢追い酒』に次ぐ2位だったが、『夢追い酒』は前年に発売されていたため、やはり審査対象から外されていた。

もっとも、『魅せられて』が巷に知られたのは、ワコールのCMソングとして頻繁にお茶の間に流れていたからで、CMソングの影響力の強さがクローズアップされるきっかけにもなった。CM自体は映画『エーゲ海に捧ぐ』からの映像流用で、イロナ・スターラ(のちのチッチョリーナ)がフロントホックブラに包まれた美乳をアピールするアダルトな内容だったのだが。

荒れた賞レースは『NHK紅白歌合戦』の選考にも影響を与え、和田アキ子とピンク・レディーが落選した。

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