都はるみ登場時の瞬間最高視聴率は「84.4%」!? 80年代の『NHK紅白歌合戦』と漫才ブームの余波

更科 修一郎 プロフィール

「いわくつき」シブがき隊の『NHK紅白歌合戦』出場

モッくんもすっかり俳優・日本代表の仲間入り……。もう『スシ食いねェ!』は歌ってくれないの?(写真:Getty Images)

有力歌手やマネージャーの独立が相次ぎ、沢田研二もこの年に独立するなど、弱体化しつつあった渡辺プロダクションの秘蔵っ子で、渡辺晋が最後に陣頭指揮を執った切り札だったから、事務所も必死に守ったのだろうが、独立後の現在も大河ドラマや連続テレビ小説の常連俳優であり、『フランケンシュタインの誘惑』(NHK-BS)のナビゲーターも務めている。

ちなみに、シブがき隊は紅白の時点でレコード発売前の新曲『スシ食いねェ!』を歌っていたのだが、何でそんなことが許されたのかというと、ちょうど『みんなのうた』1985年12月の曲だったからだ。

 

1984年の吉幾三『俺ら東京さ行ぐだ』に次ぐ、日本語ラップ草創期の歌謡曲で、Run-D.M.C.の1stアルバムと二代目広沢虎造の浪曲『石松三十石船』を組み合わせたハイセンスな曲だが、どちらも当時の少年少女はまず知らないし、これをいきなり児童向けの『みんなのうた』に登用するあたり、NHKも相当に無茶である。

翌年2月の発売後にヒットしたから良かったが、結局、シブがき隊はこれが最後のヒット曲となり、1986年の『第36回NHK紅白歌合戦』で歌ったのも『スシ食いねェ!』より先に発売された『トラ!トラ!トラ!』だった。

シブがき隊もこれが最後の紅白出場となったのだが、これも12月29日に北島三郎と山本譲二が稲川会の新年会に出席していたことから急遽降板となり、補欠の鳥羽一郎も辞退したことから、前日の12月30日に補欠の補欠で出場が決定した「いわくつき」だった。

次の記事あなたは伝説の『世界紅白歌合戦』を覚えているだろうか? 多様化した『NHK紅白歌合戦』の裏番組たち』につづく。

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