遅くなりましたが、前回10月7日のHPVワクチン訴訟の傍聴&会見取材のメモを公開します。 東京地裁・名古屋地裁・大阪地裁・福岡地裁で行われているHPVワクチン訴訟。 10月7日に福岡地裁で行われた口頭弁論を取材。 この日から被告側(GSK/MSD/国)の専門家証人の尋問が始まった。 傍聴席は52席、抽選に並んだのは50人。 101号法廷で14時開廷。 13時30分に101号法廷最前列真ん中正面の傍聴席に座り、原稿を書きながら開廷時間を待つ。同列の隣りには年配の原告支援者の女性二人、ずっと喋っている。すると後列にいた女性が私を指さし二人に忠告。 「この人は傍聴席での私たちの話していることをTwitterで書く人なので気を付けて」 わざわざ私に聴こえるように告げていた。 ――失礼ですよ、実例を挙げてください 「そう言われたので」 ――誰が言ってたの? 「後ろから言われたから」 ――陰口を叩くのは自由だけど、本人に聴こえるように言うのは失礼では? 「・・・・・」 #HPVワクチン #HPVワクチン訴訟
14時、開廷 原告側専門家証人は帝京大学医学部脳神経内科・視能矯正学科の園生雅弘教授。この日は主尋問のみ。 GSKの代理人小森弁護士による主尋問。 器質性疾患とFMD(機能性神経障害)の違いを示していく。 「パーキンソン病など器質性疾患と違い、FMDは奇妙な動き。滅茶苦茶に動く。診たらFMDを疑う」 以下、傍聴メモから抜粋 ・FMDにも「麻痺」「不随意運動」「歩けない」「力が入らない」「箸が使いにくい」等の運動系症状やFMDによる感覚的障害での「痺れ」や「痛み」がある ・HPVワクチン接種後の「親の顔が判らない」「記憶がなくなる」というのは普通は最後に出る症状。最近のことを忘れて昔のことを覚えているのが器質性疾患の特徴。全生活史健忘、記憶喪失は大体が精神的なもの ・——HPVワクチン接種後に文字が読めなくなった、計算できなくなったとの原告らの主張について FMDでも勉強に関する症状は出るが、違いは文字は読めること。失語症は最後に出る、若い人に出るのは考えにくい ・——原告側専門家証人の鹿児島大学の高嶋医師が自己免疫性脳炎/脳症と診断したことについて 高嶋医師はFMDの診断しない、診断できていないとしか言えない。高嶋医師が「機能性神経障害FMD診断は殆どが自己免疫性脳症の誤診」と主張していることについて園生氏は「世界で高嶋医師ひとり」と証言 ・——原告が主張する「HPVワクチン接種後に時間が経つにつれ重層的に症状が出る」ことについて 全身の痛み はFMDでもよくあるが、「今までにない痛み」「ハンマーで殴られたような痛み」というのは器質性疾患ではクモ膜下出血。それ以外だとFMD。「ぐちゃぐちゃに搔きまわされる」痛みは典型的なFMD。光への過敏はFMDで代表的症状 ・器質性疾患では起こり得ない症状、陽性兆候を診断へ。意見書に「誘群」様々なストレス、葛藤、素因のある人、家族学校の問題、友人関係、虐待、虐め、激しくなくても本人にはストレス、誘群になり得る ・——脳神経内科としてどう診断するのか? 「除外診断から陽性兆候」「高嶋医師はむしろ脳症というが、世界で高嶋医師しか」「共同運動、脳神経内科なら知っている。機能性か器質性か」 ☆器質性疾患とFMD(機能性神経障害)の違いを法廷で実演する園生氏 ・仰向けになって手を顔の上にすると、器質性疾患で完全に麻痺しているなら顔に落ちるがFMDでは脇に落ちる。足の裏をこすると脳梗塞など器質性疾患なら指が手前に反るが、FMDでは指は裏側に向く ・歩行障害も実演 器質性疾患→ 外に回す 小刻み 外からぐるっと回す ハサミ足 交互にくっつける 機能性神経障害→ 奇妙な歩き方 引き摺る 後ろ足が爪先立ち 引きずり歩行 「一目で判る」 ・——不随意運動について 器質性疾患→意識するとそれまでより強くなる 機能性神経障害→注視されると止まる、気を逸らすと止まる ・「日によって変動」「器質性にはあるがFMDでは説明できない」「医師の前では出るが看護師の前ではできてしまう」 ・——てんかん発作について 器質性疾患→ 無意識に真似をする、目を開けない、泣き叫ばない、腕の動きは左右同時に動く 機能性神経障害→てんかんを目にしなくなってから、目を瞑る、泣き叫ぶ、腕の動きは左右交互逆方向に動くので区別できる ・――HP接種後にてんかんのような発作が出たとの原告の主張について ビデオやテレビでてんかん発作見てしまう 無意識に真似る。「ティックトック症候群」無意識に模倣する、わざとではなく模倣 ※この時、傍聴席の各所から園生氏の証言について呆れたような笑い声があがった ・——高嶋医師が髄液検査で自己抗体を発見し自己免疫性脳炎と診断したことについて 「世界的に認められていない」 ・まじめで活発な女性、優秀で真面目。そういう人でも発症する。ストレス、部活関係では多い。アイデンティティの問題、男児がサッカークラブでレギュラーを外された際「足が動かない」と訴え、レギュラー剥奪を正当化した事例を紹介 ・——FMD治療の基本的な考え方について 脳神経内科医の説明が治療の第一歩。病名を告げる。重大な病気ではなくたくさん診ている、こういう診断で確信持って、神経系そのものに器質性要害がないが命令が上手く伝わらない、ハードはよいがソフトがうまくいなかいが必ず良くなる、世の中にたくさんある、核心を本人に進言する。それによって良くなる。治療の第一歩、正しい説明をするために ・リハビリ、動かし方忘れている。気を逸らして正常になる。バスケットボールのドリブルをやらせると歩けるようになった事例を紹介 ・ステロイドパルス療法は副作用もあり、ガンマグロブリン療法は100万円という高額治療であり、根拠もない。輸血不足の今、本当に必要な人に足りなくなる。無駄使い。罪。やってはいけない、本当の病気の人に取っておくべき、やるべきではない。高嶋医師の治療で効果が出ているとの主張はプラセボ効果と説明 ※ここで再び傍聴席から笑い声 「脳神経内科診察の基本は病歴と聴取の意義」と強調する園生氏 主尋問が終了。反対尋問は来年1月20日、福岡地裁。 今後の期日などの説明を裁判長が行っている間も傍聴席では私語が発せられ、裁判長の言葉が聴き取れない状態に。原告の支援者・江戸川大の隈本邦彦氏の私語が最も煩かったため注意した #HPVワクチン #HPVワクチン訴訟
GS代理人の会見 小森弁護士 「原告に発現している症状は機能性身体症状で説明ができる。まさに原告が訴えている症状がどのように説明ができるのか園生先生に証言いただいた。機能性神経障害、ストレスで症状。器質性疾患で見られる症状と同じような症状が出てくる。世界的に確立している。心理的なもので起こっているが神経内科では見付けることができない。だからこそ我々は矛盾所見と言っているが、器質的なものでは現れない。そうした器質的物質的な障害によって起こっている疾患では起こり得ない。検査、いろんな診察所見を以ってきっちり機能性神経障害と診断していく。これが世界の潮流なんだと。世界でそういうエビデンスが確立していると説明されていた。証言していただいた非常に大きな意義として、園生氏は陽性兆候を複数発見し学会で賞を得ている。機能性神経障害の第一人者。HANSと呼ばれるものの診断基準で挙がっている症状はまさに私たちが年間100例診ているものと証言。治療法もある。それは原告側証人が言うような治療、ステロイドパルスというステロイドを大量に入れるようなものや免疫吸着両方という透析のような非常に身体に負担のあるようなものではなく、リハビリもそうだが、しっかり機能性神経障害だと伝えて、神経系には異常はないんだよと、その中で忘れてしまっている身体の動きをリハビリでしっかり教えてあげるということで実際に症状が治っていくんだと、原告の人たちもあるべき治療を受けられるべきだと思っている。そういったことも含めて、決して治療法のない治らない病気ではない、しっかり治る病気なんだと証言いただいた」 池田弁護士 「高嶋教授が主張するHANS、新しい未知の脳炎脳症だという根拠を悉く証言で医学的におかしいと裁判官にも解りやすい言葉でかみ砕いて説明いただいた」 質疑 ――小森弁護士が細かく指摘し実演されていたが、FMDの症状と原告の症状は、ほぼFMDと指摘? 小森弁護士「どういう症状で起きるのか。ハンマーで殴られたような痛み、記憶障害、車椅子、それはFMDで起こる症状だと証言」 ――FMDの身体の症状に原告の症状はすべて該当する? 小森弁護士「園生先生の所に行けば今日法廷で証言いただいたようないろんな神経学的な検査をされる。器質性疾患だったらそういうものだと判るが、園生先生は個々の原告を診察していないので個々にああだこうだではなく一般にFMDの診断はどうされるかと証言された」 池田弁護士「他方、高嶋医師の鹿児島大のカルテには出てこない、ほかの慈恵医大とか他のHANS論者の病院では園生先生の言われた神経学的を検査をしないで問診だけして、ワクチン接種しました、こんな症状です。ああそれはHANSだと、非常に荒っぽいことをやっているので、それとの対比を 本来あるべき神経内科の診断がどういうものかを示していただいた」 小森弁護士「気を逸らすと症状が治まると言われたが、あれは我々はだからこそこれまで原告の本人尋問の反対尋問をやってきたがまさにそういうのが、園生先生が話をされていたが医師の前では症状が出ているが、看護師がちらっと見ている時には実は身体が動かせとか、気を逸らすとという話もカルテには出てくる」 ――どういう反対尋問をしてくると思うか 池田弁護士「高嶋医師に意見を求めてどういう観点で尋問したらよいのか訊かれるのだなと」 ――笑い声があがるなど傍聴席の反応は問題だと感じた。裁判所の訴訟指揮について 池田弁護士「非常に失礼だと思うが、(原告の)支援者にしてみると痛いところを突かれると、ああいう反応が起こる。例えばプラセボ効果のところ、高嶋医師らが言われる免疫吸着療法とかステロイドパルス療法が効いたからというのは医学的にまったくどの医師に訊いてもステロイドパルスなんておかしいバカげていると皆さん仰る。効いているというのは園生先生がおっしゃる単なるプラセボ効果。支援者からすると痛い、だから笑いが起こるのかなと。あまり酷いと裁判長に言って傍聴席にきちんと指示してくださいと言うつもりだったが、まああれくらいだったら」 小森弁護士「裁判長は傍聴席から笑い声が出ても、園生先生の証言を真剣に聴いておられた。我々は裁判長にご理解いただくことが一番大事だと考えている」 ――傍聴席の雰囲気は「証人がこんな変なこと言ってる」という笑い声だった。認識が違うのかなと感じた 池田弁護士「今日の園生先生の尋問を原告の関係者、親御さんが聴いていて、心ある親御さんという言い方はおかしいかもしれないが、もしかしたら園生先生の言っていることが本当ではないのだろうか、本当はこういうちゃんとした神経内科の先生にうちの娘を診てもらった方がいいんじゃないかなと思うのではないかと思う。原告の中には今日の園生先生の話を聴いて治療を受けてみようと思った人がいるかも。つまり先生がいうには毎年100人くらいずっと診てきている、あなたは器質的な神経がやられているわけではない 命令が上手く伝わらないだけで治るんですよ、リハビリで。若い人はリハビリも必要ないくらい、次に来た時には治っていることもと園生先生以外の先生も言っている。そういうちゃんとした先生に診てもらうできじゃないかと思うお母さんがいてもおかしくないのでは」 ――未知の疾患で治らず治療法も確立されていないと言われることで、より回復に向かわないということか? 池田弁護士「それはそうですよね」 #HPVワクチン #HPVワクチン訴訟
原告代理人の会見 ・原告側専門家証人の高嶋医師は自己免疫性脳症という立場から証言。(原告側専門家証人の)高嶋医師の尋問に対して、それに当てて園生証人を立ててきたと理解している。高嶋教授は原告らの非典型的な神経症状は局所的な神経の障害で出るものではなく、例えば一般的な外傷性の脳障害や脳血管障害であるとか局所的な神経の障害で出るものではなくびまん性の脳障害で出る特徴的なもの、これはよく心因性だったり機能性神経障害と間違われやすいものであると証言したという経緯がある。それに対するアンチテーゼとして被告側が機能性神経症状の専門家である園生証人を立てて今日は「それは高嶋先生が言っているだけで機能性神経障害でしょう」という話をされた。次回1/20に反対尋問が予定、我々の方で園生証言の信頼性について反対尋問する。 ・前回の大阪地裁で本人尋問一区切りとなったため声明を発表した。被告は心因性、ストレスだと主張、成育歴や学校でのいじめなどプライバシーに渡る質問を繰り返した。このようなことで原告の症状が発生する医学的な知見はない。原告の本人尋問で判ったことは大半は成長する過程で経験するようなもの。ネット上にはワクチン普及を妨げて人殺しではないかと誹謗するような書き込みがあり、強く抗議したいと思っている。反対尋問をぜひ引き続き取材してください ※福岡地裁の司法記者クラブに会見室はなく、記者クラブの部屋の中央のスペースで会見する形。記者クラブ加盟社からは一人も傍聴には来ていないと思われ、製薬会社の会見を含め、私以外からの質問は一切なかった #HPVワクチン #HPVワクチン訴訟