尾道水道 135年親しまれてきた渡船 来年3月末で廃止へ
135年にわたって尾道水道を運航し市民に親しまれていた渡船が、乗客の減少や桟橋の老朽化によって来年の3月末で廃止されることになりました。
廃止が決まったのは、JR尾道駅近くと向島の間の約250メートルを1日75往復ほどしている福本フェリーの渡船です。
複数の会社が運航する向島とを結ぶ渡船は通勤や通学などで市民の足として親しまれ、尾道市出身の映画監督大林宣彦さんの作品にも登場し観光客にも利用されてきました。
このうち、福本フェリーの渡船の利用者数は、会社によりますとピーク時の2012年度には1日に平均で5000人ほどいましたが、2013年に尾道大橋が無料化されてから減少傾向となり、昨年度・2023年度は1日平均で1000人ほどにまで落ち込んでいたということです。
さらに、燃料費や人件費の高騰も追い打ちとなって赤字が膨らみ、老朽化した桟橋の修繕も見通しがつかないことから、安全面も考慮して来年3月末での廃止を決めたとしています。
福本フェリーの福本雅子社長は「安全が確保できる間に廃業を決めました。これまで長年にわたって利用してもらった皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。残る期間も安全運航に努めていきます」とコメントしています。
福本フェリーの渡船の運賃は、大人の片道が60円と市の第3セクターが運航する別の航路と比べて割安で、通学で利用している高校1年の男子生徒は「運賃の安さが利用していた理由の1つでした。船内で部活動の先輩たちと会話をしながら通学したのが思い出です。最終日には感謝の気持ちをこめて乗りたいです」と話していました。
尾道市によりますと尾道水道を運航するほかの2つの航路は、今後も維持される見通しだということです。