【北京=三塚聖平】中国共産党で公安(警察)・司法部門を統括する「中央政法委員会」のトップの書記に、陳文清(ちん・ぶんせい)氏が就任したことが30日までに分かった。同委員会がホームページを通じて公表した。陳氏は、情報収集やスパイ活動の取り締まりなどを行う情報機関のトップである国家安全相を2016年から務めていた。
陳氏は、今月22日閉幕の党大会を経て党序列24位以内の政治局員に選ばれている。党の日常業務全体を取り仕切る中央書記局の書記にも選出された。国家安全相の後任には、中央政法委員会秘書長の陳一新氏が任命されている。
習近平総書記(国家主席)は、党・政府高官の個人情報も握って絶大な権力を持つ公安・司法部門を、軍、宣伝部と並んで重視している。公安・司法部門で有力幹部の摘発を進める一方で、自身の側近を取り立てている。中央政法委員会ナンバー2の副書記には習氏が地方勤務時代からの側近として信頼を置く王小洪(おう・しょうこう)公安相を起用している。
また、党の対外工作を担当する統一戦線工作部長には石泰峰(せき・たいほう)中国社会科学院長が就任した。統一戦線工作部は、少数民族や宗教などを管轄している。