ヒトリエ論
https://www.amazon.co.jp/dp/B00GZKKQPI/
凜として時雨ばりの無闇に速いBPMと高音ヴォーカル、激烈なギターサウンドをボーカロイドを用いて表現する“高速ボカロック”という潮流があった。その初期の牽引者はハチ(米津玄師)とwowakaだった。wowakaの「ローリンガール」や「裏表ラバーズ」といった曲は動画サイトで数百万回再生を記録。にもかかわらず彼はその活動を止め、「ヒトリエ」というバンドを結成。自分で歌うようになった。その名をGO!GO!7188のギターボーカル・ユウによるバンド「チリヌルヲワカ」に由来することからわかるように、wowakaは九〇年代以降の日本のロックから影響を受けている。ヒトリエのメンバ―全員がフェイバリットに挙げるのはナンバーガール。向井秀徳やSPARTA LOCALS(経由のテレビジョンと言うべきか)、そしてマスロックやポストパンクを摂取した、リフとダンサブルなリズムでドライブする高速BPMのギターロック――彼らのメジャーデビューミニアルバムにあたる本作を形容すればそうなる。ソロ時代の代表曲は、人間には歌い難い早口と高音でボーカロイドがまくしたて、聴く者の焦燥感を焚きつける狂おしさがあった。wowakaが歌いやすいように作られたヒトリエの曲は、心地良いが人間の生理に収まっている。
サポートいただいたお金は次の調査・取材・執筆のために使わせていただきます。


コメント