2023.12.26
# 西脇亨輔 # 木原事件

【テレビ朝日元法務部長が追う木原事件】ついに遺族が検事と初対面…!告げられた「衝撃の言葉」と検察が示唆した「独自捜査」の可能性

西脇 亨輔 プロフィール

「'18年の再捜査の時、警察に事情聴取され、取調官が詳細なメモを作っていた。そして『これを供述調書の形にしておくので、次回、あなたのサインをもらう』と言われたが、その直後に捜査が止まり、結局調書にサインできないまま終わってしまった」

これと同じような話をする人が複数いたという。なぜ'18年の再捜査はこんな中途半端な形で唐突に打ち切られたのか。そしてサインされず正式な供述調書が残されなかった事情聴取では、一体何が語られていたのか。

疑問が次々浮かび上がったが、私人である遺族にできる調査には限界がある。新たな捜査を求める思いを検察官に伝える初めての場が、12月25日の面会だったのだ。

 

手をついた母に検事は……

遺族と検察官との面会は約40分に及んだ。

その中で弁護士は検察官に今後の捜査方針を質問した。「検察官はこの件を独自に捜査するのか、それとも警察に捜査させるのか」という問いに、検察官は「両方ありうる」と答え、独自捜査の可能性を示唆した。

また捜査スケジュールについての質問には、検察官はこう答えた。

「じっくりやる事件だと思います。だから期間とかを申し上げるのは難しい」

検察官は繰り返し、この事案は「しっかりやらないといけない」「じっくりやる」と話していたという。

そして面会の最後、種雄さんの母はおもむろに床に手を付き、頭を下げた。

「捜査をお願いします。検事さんしか希望はないんです」

頭を下げ続ける母に近づいた検察官は、こう声をかけたという。

「お顔をあげてください。しっかりやりますので」

面会を終え、弁護士と遺族はこう語った。

検事との面会後、取材に応じる遺族と代理人の勝部弁護士

「検察官が独自捜査も含め時間をかけて捜査すると話したことに、ひとまず安堵しました。我々も自分たちにできることを引き続きやっていきます」(勝部弁護士)

「今は微かに希望が湧いてきています。でも希望が大きいほど、絶望も大きい。だから不安も、とても大きいんです」(母)

今回の事件送致に、検察官はどこまで積極的に取り組むのか。遺族はもがき苦しんでいる。それを無視することは私にはできない。検察庁も同じ思いであってほしいと、強く祈っている。

関連記事『【木原事件】刑事告訴受理から1ヵ月…!テレ朝法務部長だった「東大の同級生」が会社を辞めてまで追う「不可解すぎる事実」』では、事件における不審点の数々について、詳しく報じています。

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