花田紀凱の週刊誌ウォッチング

(932) 木原官房副長官の妻めぐる『文春』の特大スクープ

木原誠二官房副長官(矢島康弘撮影)
木原誠二官房副長官(矢島康弘撮影)

官房副長官の妻が、かつて結婚していた男を殺した容疑で取り調べを受けていた―。

超弩級(ちょうどきゅう)のスクープだ。

『週刊文春』(7月13日号)「岸田最側近木原副長官衝撃音声『俺がいないと妻がすぐ連行される』」8ページ。

妻の前夫が不審死を遂げたのは平成18年。

〈「ナイフを頭上から喉元に向かって刺したと見られ、その傷は肺近くにまで達していた。死因は失血死」(捜査関係者)〉

一度は「未解決の不審死事案」として処理された事件が動き出したのは30年。「東京都内に約百余あるコールドケース(未解決事件)」を掘り起こしていた大塚署の女性刑事がこの事件に疑念を抱いた。

キーマンとして浮上したのが、事件発生当時、現在の木原誠二氏の妻と親密だったY氏。捜査陣は覚醒剤事件で逮捕され宮崎刑務所に収監中だったY氏から重要な証言を引き出す。

〈「あのとき、X子(現在の木原氏の妻)から『殺しちゃった』と電話があったんだ。家に行ったら、種雄(当時のX子さんの夫)が血まみれで倒れていた。『どうしたんだ?』と聞いたらX子は『夫婦喧嘩になって夫が刃物を持ち出してきて、殺せるなら殺してみろと言われた。刃物を握らされたので切ってしまった』と告白された」〉

この供述で事件は解決に向けて大きく舵(かじ)を切る。X子さんは数回事情聴取され、〈木原氏も捜査員と複数回〝面会〟している〉。

が捜査は突然、幕を閉じる。

〈当時の捜査員は、次のように本音を吐露する。「(Y氏の)アゴ(供述)はあっても、それを支える物的証拠が少なかった」〉

〈そして政権与党の有力議員の妻が「殺人事件の容疑者」として逮捕されれば、国家の一大事だと呻(うめ)いた〉

むろん木原氏側弁護人は事実無根を主張。

第2弾に期待。『文春』も広末ごときにかまけている場合じゃあるまい。

気の毒だが、今週、『文春』以外の記事はすべてかすんでしまった。

(月刊『Hanada』編集長)

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