審査対象の6人が
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2023年3月1日決定 第3小法廷諫早湾干拓訴訟 開門命令は“無効”
どんな
裁判か
- 長崎県諫早湾の干拓事業で閉めきられた堤防の排水門を開けるかどうかが争われた裁判
- 最高裁第3小法廷は、開門を求める漁業者側の上告を退ける決定をした
- 裁判官5人全員一致の結論
諫早湾の干拓事業では、1997年に国が堤防を閉めきったあと、漁業に深刻な被害が出たとして漁業者が起こした裁判で、開門を命じる判決が確定した一方、農業者が起こした別の裁判では開門を禁止する判断が確定していました。
司法の判断がねじれた状態となる中、排水門を開けない立場の国は、開門を命じた確定判決の効力をなくすよう求めていました。
2022年、福岡高等裁判所は「開門を命じた当時と比べ、漁業への影響が減る一方、排水門を開けた場合の防災や干拓地の農業への支障は増大している」などとして国の主張を認め、開門を命じた確定判決の効力を無効とする判断を示していました。
判決を不服として漁業者側が上告していましたが最高裁判所第3小法廷は退ける決定をし、国の勝訴が確定しました。
これにより開門を命じた確定判決の効力はなくなり、司法判断は「開けない」方向で事実上、統一された形となりました。
司法判断がねじれた経緯
諫早湾の干拓事業をめぐっては、開門を求める漁業者と開門に反対する農業者がそれぞれ国相手に裁判を起こし、いずれも勝訴したことで、司法判断がねじれた状態になっていました。
このうち漁業者が開門を求めた訴えについて福岡高裁は2010年、堤防を閉めきったことと漁業被害との因果関係を認めたうえで、影響を調査するため門を開けるよう国に命じました。
当時の民主党政権が上告を見送ったため判決は確定し、国に門を「開ける義務」が生じました。
これに対し今度は農業者側が、海水が流れ込んで農業被害が出ると強く反発し、「開けない」ことを求める仮処分を申し立てます。2013年、長崎地裁は農業者側の主張を認める決定を出し、その後の裁判でも開門を禁止する判決が確定したため、国は排水門を「開けなければならない」という義務と「開けてはならない」という義務の相反する2つの義務を負うことになりました。
開門してもしなくてもどちらかの義務に違反する状況になり、国は開門を先送りしますが、漁業者側に制裁金を支払うことになりました。こうした状況を打開するため、国が開門を命じられた確定判決の効力を無効にするよう求めていたのが今回の裁判です。
最高裁第3小法廷の決定により開門を命じた判決の効力が無くなり、9年余り続いた相反する義務を負う状態は解消。門を「開ける」のか「開けない」のか、長年続いた法廷闘争に事実上、決着がつきました。
※この決定についての資料は最高裁判所のサイトに掲載されていません。
審査対象の裁判官の判断は
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今崎 幸彦
プロフィール
結論と同じ
審査対象ではない裁判官の判断は
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宇賀 克也
結論と同じ
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林 道晴
結論と同じ
-
裁判長長嶺 安政
結論と同じ
-
渡邉 惠理子
結論と同じ
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