審査対象の6人が
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2023年11月17日判決 第2小法廷出演俳優の不祥事で
助成金を交付しないのは違法か
どんな
裁判か
- 刑事事件で有罪が確定した俳優が出演していることを理由に映画の助成金が取り消されたのは不当だとして、製作会社が国の外郭団体を訴えた訴訟
- 表現の自由に照らして見過ごすことはできないとして、製作会社の訴えを認めた
- 4人の裁判官全員一致の結論
人気漫画を原作にした映画「宮本から君へ」の製作会社は2019年、コカインを使用した罪で有罪が確定した俳優が出演していることを理由に、文部科学省の外郭団体、日本芸術文化振興会から助成金1000万円の交付を取り消されたのは不当だと主張して裁判を起こしました。
1審の東京地方裁判所は、取り消し処分は違法だとして交付を認めましたが、2審の東京高等裁判所は逆に交付を認めませんでした。
最高裁判所第2小法廷は「助成金を交付したからといって『国が薬物犯罪に寛容だ』というメッセージを出したと受け取られることは想像しがたいし、薬物乱用の防止という公益が害される危険があるとはいえない。重視すべきではない事情を重視したもので著しく妥当性を欠いたものだ」と指摘。外郭団体の処分は違法だと判断しました。
また「公益が害されることを理由に助成金の拒否が広く行われれば、表現行為に萎縮的な影響が及ぶ可能性がある。芸術家の自主性や創造性を損なうもので、憲法が保障する表現の自由に照らして見過ごすことはできない」として、助成金の交付を求めた製作会社の訴えを認めました。
●この裁判についての最高裁判所の資料はこちら(NHKサイトを離れます)
審査対象の裁判官の判断は
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裁判長尾島 明
プロフィール
結論と同じ
審査対象ではない裁判官の判断は
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三浦 守
結論と同じ
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草野 耕一
結論と同じ
-
岡村 和美
結論と同じ