審査対象の6人が
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2024年6月21日判決 第2小法廷
男性から女性に性別変更後に凍結精子で生まれた子
親子関係認めるか
どんな
裁判か
- 戸籍上の性別を男性から女性に変更した当事者が、凍結保存していた自分の精子で生まれた娘との親子関係を求めて起こした裁判
- 法的な親子関係を初めて認めた
- 4人の裁判官全員一致の結論
性同一性障害の人の戸籍上の性別について定めた「性同一性障害特例法」では、「現在未成年の子どもがいないこと」など、複数の要件を満たした場合に限って性別の変更を認めています。
当事者は性別適合手術を受けて2018年に戸籍上の性別を男性から女性に変更しました。
その前、凍結保存していた自分の精子を交際相手の女性に提供し、長女が生まれました。性別変更後の2020年にも同様の方法で次女が誕生しました。
長女も次女も戸籍上の「父」の欄が空欄になっていたため、父親としての認知届を自治体に提出しましたが、当事者の戸籍が女性に変更されていたため認められず、家族で裁判を起こしました。
1審の東京家庭裁判所は訴えを退けました。
2審の東京高等裁判所は、性別変更の前に生まれた長女については「父」として認知を認めた一方、次女については「性別変更後に生まれたため『父』とは認められない」として訴えを退けました。
最高裁判所第2小法廷は「親子に関する法制度は血縁上の関係を基礎に置き、法的な関係があるかどうかは子どもの福祉に深く関わる。仮に血縁上の関係があるのに親権者となれないならば、子どもは養育を受けたり相続人になったりすることができず、子どもの福祉と利益に反する」と指摘しました。その上で、裁判官4人全員一致の結論で、戸籍上の性別にかかわらず父親としての認知を求めることができるという初めての判断を示し、性別変更後に生まれた次女との親子関係を認めました。
●この裁判についての最高裁判所の資料はこちら(NHKサイトを離れます)
審査対象の裁判官の判断は
-
裁判長尾島 明
プロフィール
結論と同じ 補足意見あり
「特例法は性別変更後に生殖補助医療を使って子どもをもうけることを禁じていない。変更前に生まれた子どもからの父親の認知も排除していない。『法的性別が女性である、未成年の子の父』がいることによる家族秩序の混乱として想定されているものは、具体的とはいいがたい」
審査対象ではない裁判官の判断は
-
三浦 守
結論と同じ 補足意見あり
「生殖補助医療技術の発展や利用の拡大が進む中で、生命倫理や家族のあり方などさまざまな議論がある。法整備の必要性が認識される状況にありながら20年を超える年月が経過する中ですでに現実が先行するに至っている」
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草野 耕一
結論と同じ
-
岡村 和美
結論と同じ