Blenderの空間を日本のアニメ業界にどう落とし込むか(1)
January 29th, 2020 23:53・All users
【多分二回に分けます】
川上です。
ついに雪降りましたね。
雪が降るだけで気分転換になるのでいいですね。
さて。
これですね。
なんとかカメラは動かしてみたけども、実際にどうやって原図にすればいいんだ、、、。
わかります。
これについて自分が試してみた方法について公開してみようと思いました。
今回はこういう方法がありますよ。
自分はこういう方法で試してみました。という内容です。
完全に自己責任になります。ご了承ください
基本的に作画側が勝手にBlenderを使うことについての是非についてや、
使った際の単価等については今回は省略させてください。
純粋に技術や知見を共有することが今回の目的ということで、、、。
ただ、一つだけ書いておかないといけないと思うのですが、
僕がBlenderを使って作業する際は少なくとも
演出さん、場合によっては制作さん、監督さん、プロデューサー、作監撮監美監3D監督と連携して作業をしています。
現状のフローも大切(ほんとに)ですが、表現に合わせて個別に話し合いをして、別のやり方を模索するのも
楽しいと思うのです、、、。
大切なのは、なにかあったときに自己責任で対応できる範囲でやることが大事だと思います。(僕の知らないところでいろんな方がフォローしてくださってると思います。ありがとうございます;;)
何卒宜しくお願い致します、、。
ということで、現状では4つの選択肢があると考えています。(きっと他にもまだまだあるでしょう。)
①セル背動
②付けPAN
③カメラマッピング
④CG背動
数字が若いものほど現状のフローに乗せやすいです。
①セル背動
これはレンダリングした3Dのムービーをガイドにしてひたすらセル背動にしていく方法。
作画ソフトで上からトレスするパターンと、Blender上でグリースペンシルを使うパターンがあります。
とりあえずアクションシーンでBlenderを試しに使うならこれが原始的で楽です。
作画カロリー的には一番大変で、調整も面倒。
セルのパワーは出やすいです。
②付けPAN
今回のミソです。
これは3Dのムービーをもとに(実写映像でも可)パッチワークのように原図を作っていく方法です。
なんとなく、3Dで作った映像は平面の原図に出来ないと思っていませんか?
実は自分のカットはセル背動以外はほとんど付けPANにすることで対応しています。
これはAnimateで作業するのが楽です。回転拡縮でかなり対応できます。(後述)
また、応用技でAEの3Dレイヤーを複合する方法もあります。
8割くらいの3Dの映像は実は付けPANで再現可能な気がしてます。
①セル背動/②付けPANの一番のメリットはLOを設計し終わった時点で
アニメのワークフローに完全に乗ることができることです。
つまりBlenderをガイドとしてのみ使うことで、どの部署もいつも通りの作業で対応出来るということです。
ここからは少しハードルが上がります。
③カメラマッピング
多くのカットは平面付けPANで対応できますが、平面では不可能なカットも出てきます。
その中でどうしてもカメラを立体的に動かしたいカットに使えます。
立体的なPANに有効な方法です。
一枚の原図を発注し、美術に一枚書いてもらう。
それをBlender上の平面に張り付けて背景美術を立体的に再現するということです。
あとはBlenderで連番pngに出力して撮入れします。
これは一見作業工数は増えるように見えますが、LO時にしっかり準備をしておくことで、
美術上がりのpsdデータをLO時のデータと差し替えてレンダリングするだけなので、実はかなりコスパが良いです。
ただしこれは他部署との連携が必要になってきます。
何より、ある程度(最低限)Blenderやデジタル作画、AEなどについてのリテラシーが必要になります。(何かあったときに対応出来るように演出的な素養も必要、、、。)
④CG背動
これはもう3Dで完全にBG空間を作ってしまうやつですね。
連番で撮入れします。
組んじゃえば一番自由度が高いですが、一番ハードルが高いですね。
実際にはこれらを(特に①と②)を組み合わせていきます。
お手伝いの話数が入ったので、
この4つの具体的な作業や方法は次回で、、、。
週末には書きたいですね、、、。