これまでの防犯対策は通用せず? “5分の時間稼ぎ”が重要
熊崎キャスター:
こうなると非常に怖いので、対策をしていきたいと考えている方も多いかもしれません。
しかし稲村さんいわく、通用していた対策が通じないこともあるといいます。というのも、これまでは▼錠を2つ以上設置したり、▼防犯ステッカーを貼ったり、誰かが来たら反応する▼センサーライトや防犯カメラを設置したりといった対策が主流とされてきました。
ただ、稲村さんは「狙った家に手段を選ばず侵入するため、対策が抑止につながらないことが多くなっている」と指摘します。今は、大胆にガラスを割って入ってくるようなことが増えているそうです。
では、代わりにどのような対策が必要になってくるのかというと、“犯人が侵入するまでに5分かかる防犯対策”がポイントだと稲村さんは話します。▼防犯ガラスを設置したり、▼外出時はシャッターを閉めたりするなど、5分という時間をどれだけ稼げるかが大事だということです。
井上キャスター:
今回の一連の事件で逮捕された容疑者が「やらなければ殺される」と供述しているように、全員が捨て駒になっていますよね。捕まることをまったく恐れていないとなると、もう対策のしようがないというか、防犯カメラで映像が映っても「どうぞ逮捕してください」ということになってしまうのでしょうか。
元警視庁公安部捜査官 稲村悠さん:
そのとおりです。過去にも銀座の宝石店で強盗がありましたが、それもまさに防犯カメラに映っても構わない、見られても構わないという状況でした。
防犯カメラの映像は捜査の面では非常に有効ですが、実行役が脅されているとしたら、抑止としては働きづらいのではないかと思います。

井上キャスター:
防犯ガラスは有効と考えてよいのでしょうか。
元警視庁公安部捜査官 稲村悠さん:
そうですね。防犯の考え方では、狙われる対象物の強化という概念があります。
たとえば、お金を守りたいならお金を守るのではなく、お金を取り巻く環境を強化しなければいけないということです。そうするとフィジカル的にシャッターを閉めたり、ガラスを打ち破られないようにしたりと、侵入させない家にするということが重要ではないかと思います。
ホランキャスター:
防犯ガラスなどは結構お金がかかる部分もあると思いますし、全部変えることができないとなると、他にできうる対策には何があるのでしょうか。
元警視庁公安部捜査官 稲村悠さん:
基本的に防犯の考え方としては音と光、あとは周囲や地域の目というものがあります。
音と光というのは、たとえばブザーを鳴らすセンサーライトなどです。さらに、近所やコミュニティと連携を深め、不審情報をお互いに共有することが非常に重要だと思っています。
井上キャスター:
防犯ガラスの存在は、先ほど話に出た名簿などには載らないのでしょうか。それで抑止になるのか、はたまた、犯行したときに「これは防犯ガラスだ」と気付いてやめるのか…。
元警視庁公安部捜査官 稲村悠さん:
そこは一概に、これだという一つのパターンではないと思っています。当然下見もするでしょうし、Googleマップで見られるものもあるでしょう。
そういった意味では、犯行の成功率を上げるのであれば下見をするでしょうが、下見をしないで実行犯がそのまま突入させられるパターンもあるのではないかと思います。

ホランキャスター:
そもそも、名簿に載らないようにする方法はあるのでしょうか。
元警視庁公安部捜査官 稲村悠さん:
基本的には、公的機関やメーカーを名乗った者が来ても、不在時は答えないことです。
逆の考えがあり、私の実家に先日電話があったのですが、「この日は在宅していますか」と尋ねてきました。不審に思ってメーカーに問い合わせたら、メーカーではそういうことをやっていないというので、おそらく電話の主は、在宅時を狙って何かしたかったのだろうと思っています。
井上キャスター:
そうするともう、固定電話も基本的には取らなかったり、留守番電話にしておいたりするのがよいのでしょうか。
元警視庁公安部捜査官 稲村悠さん:
特殊詐欺と同じ考え方で、留守番電話にしておくこともアリだと思いますが、なかなか日常生活でそれをすべてやってしまうのは難しいところもあります。
一つは、自分の情報を簡単には出さないことです。また、不審な点があれば大元に電話をかけ直し、電話の主から言われた番号にはかけ直さないでください。犯罪グループが自分たちの番号を言ってくる場合もあるので、そこまで厳重に警戒しなければいけないと思います。














