不登校「指導ではなく対話を」 多様性と支援のあり方を考える講演会
【兵庫】不登校の子どもたちへの支援について考える講演会が25日、神戸市東灘区の御影公会堂であった。「不登校は子どもの選択? 『多様性』と『支援』のあり方を考える」と題し、約60人が参加した。
主催は神戸市のNPO法人「放課後学習ボランティア支援の会」。関西学院大学非常勤講師で、大阪市のフリースクール「フォロ」の運営にかかわる山下耕平さんが講師を務めた。
講演会ではまず、不登校の定義や歴史を説明。昔あった地域の中の様々なつながりが今は薄くなっている。その結果、子どもにとって学校が唯一の居場所となり、「不登校になると全部のつながりから出ることになってしまう。この構図は変えなければいけない」と話した。
近年、「多様な」教育機会の場への考え方が広まってきた。しかし、政府の動きなどを踏まえ「『多様性』という言葉はとおりが良い。将来労働力として生産性をあげる存在になるから多様性を認める、というのは違うと言いたい」と語った。
支援については「今は『こうすれば正解』が見えない社会になっている。『指導』ではなく『対話』が大事」と話した。
講演を聞いた神戸市垂水区の母親(47)は、中学2年生の子どもに不登校の経験がある。「学校以外で、子どもがかかわる場所を増やしておくのがいいと思った」と話した。(杉山あかり)
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- 杉山あかり
- 神戸総局|神戸市政担当
- 専門・関心分野
- 国内政治、ジェンダー、福祉
- 【視点】
大事な話だと共感しながら読みました。 近年よく、「不登校という言葉に伴う"ネガティブなイメージ"を払拭してもっとポジティブなイメージを発信していこう」「不登校という多様性を認めていこう」といった言説を見かけるようになりました。確かに、
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