2020.6.10
型を会得した人間がするのを「型破り」と言う。
そうでなければ、ただの「形無し」なんだ。
中村勘三郎
唐十郎の劇団は、当時東京都の中止命令を無視して、新宿西口公園にゲリラ的に紅テントの芝居小屋を立て実施していたのだが、その劇場を見て勘三郎は「これこそ歌舞伎の原点だ。歌舞伎もこれに戻らなきゃいけない。俺もあのような歌舞伎がしたい」と衝撃を受けたのだ。
早速、先代の勘三郎(父親)に直訴したところ「百年早い。そんなことを考えている間に百回稽古しろ」と言われてしまった。
しかし当時の勘九郎にはまったく理解ができずにモヤモヤしていたという。
そんな折、たまたまラジオから流れてきた、子ども電話相談番組で「型破りと形無しの違いはなんですか?」と質問があり、
回答者の無着成恭(僧侶で教育者)がこう答えた。 〝そりゃあんた、型がある人間が型を破ると「型破り」、型がない人間が型を破ったら「形無し」ですよ〟
勘三郎は「 あっこれだ!」と先代の教えの意味を理解した。
以来、勘三郎氏は徹底的に型を習得し、練習に練習を重ね、先代から受け継いだ十八番演目である「春興鏡獅子」の演技に生涯をかけ心血を注ぐとともに、後継者であるわが子や弟子に対しても幼い頃から徹底的に基本を叩き込んだという。
その土台をもとに、型破りな歌舞伎に精力的に取り組んだからこそ、歌舞伎界の仲間からもお客様からも認めていただけたのである。』
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Re:基本を徹底的に
地道な基礎訓練に耐えられる、ということが優秀な人であることの証なのだろうと思います。
若松若水
2019-12-22 22:36:45
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