「法律あっても救われていない」 SNSで増幅する差別< タネ オカアン ウㇱケ~アイヌ新法5年>㊥
「アイヌ民族はもう存在しない」
アイヌ民族にルーツを持つ道央在住の30代女性は5年ほど前、保守系ユーチューバーがネット上に投稿した動画を目にし、衝撃を受けた。
「タネ オカアン ウㇱケ」はアイヌ語で「いま私たちがいるところ」の意味です(萱野茂二風谷アイヌ資料館の萱野志朗館長、アイヌ語講師の関根健司さん監修)
アイヌ民族は既に和人に同化していると一方的に訴え、2019年に施行されたアイヌ施策推進法(アイヌ新法)に基づく文化や産業振興のための交付金は不要だという主張だ。
「アイヌなんて見たことない」「税金もらえるなら天国だ」。投稿に対するコメント欄には、動画の内容に賛同する書き込みが数え切れないほど並んでいた。
心臓がぎゅっと締め付けられる。「アイヌ民族は今も生きているのに」。悔しかった。
「それほど強い民族意識はなかった」という女性は、これまでアイヌ文化の活動などに関わったことはない。ただ、祖先への尊敬やアイヌ文化への憧れは持ち続けていた。心を許せる友人には先祖がアイヌ民族だと明かすこともあった。
だが、ユーチューブの動画やコメント欄を見てからは、出自を人に語ることが怖くなった。「アイヌにルーツがあると言ったら、どんなひどい言葉を浴びせられるか。交流サイト(SNS)上の差別発言で、和人とアイヌの間に新たな分断が生まれているように感じる」...
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