参考文献
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仕事に追われない仕事術マニャーナの法則・完全版 | マーク・フォースター, 青木 高夫 |本 | 通販 | Amazon
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人はなぜ集団になると怠けるのか 「社会的手抜き」の心理学 (中公新書) | 釘原直樹 | 哲学・思想 | Kindleストア | Amazon
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Amazon.co.jp: ティール組織 ― マネジメントの常識を覆す次世代型組織の出現 eBook : フレデリック・ラルー, 嘉村賢州, 鈴木立哉: Kindleストア
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DX白書2021 | 書籍・刊行物 | IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
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Amazon.co.jp: いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学 (早川書房) eBook : センディル ムッライナタン, エルダー シャフィール, 大田 直子: 本
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2017, 帚木 蓬生
Amazon.co.jp: ネガティブ・ケイパビリティ 答えの出ない事態に耐える力 (朝日選書) eBook : 帚木 蓬生: 本
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2021, 及川 卓也 (著), 小城 久美子 (著), 曽根原 春樹 (著)
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新 企業の研究者をめざす皆さんへ | 丸山 宏 | 実践経営・リーダーシップ | Kindleストア | Amazon
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2003, エリヤフ ゴールドラット (著), 三本木 亮 (翻訳), 津田 公二 (寄稿)
クリティカルチェーン | エリヤフ ゴールドラット, 三本木 亮, 津田 公二 | 英米の小説・文芸 | Kindleストア | Amazon
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Amazon.co.jp: 暇と退屈の倫理学(新潮文庫) 電子書籍: 國分功一郎: Kindleストア
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2018, ジョン・T・カシオポ (著), ウィリアム・パトリック (著), 柴田裕之 (翻訳)
Amazon.co.jp: 孤独の科学 人はなぜ寂しくなるのか (河出文庫) eBook : ジョン・T・カシオポ, ウィリアム・パトリック, 柴田裕之: 本
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2015, エリン・メイヤー (著), 田岡恵 (著), 樋口武志 (翻訳)
Amazon.co.jp: 異文化理解力 ― 相手と自分の真意がわかる ビジネスパーソン必須の教養 eBook : エリン・メイヤー, 田岡恵, 樋口武志: Kindleストア
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2022, 吉良野すた
Scrapboxing(スクラップボクシング) | 吉良野すた | 工学 | Kindleストア | Amazon
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2023, ジム・クリフトン (著), ギャラップ (著), 古屋博子 (翻訳)
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 最新版 ストレングス・ファインダー2.0 | ジム・クリフトン, ギャラップ, 古屋博子 |本 | 通販 | Amazon
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2024, デヴォン・プライス (著), 佐々木寛子 (翻訳)
Amazon.co.jp: 「怠惰」なんて存在しない 終わりなき生産性競争から抜け出すための幸福論 eBook : デヴォン・プライス, 佐々木寛子: Kindleストア
20
1999, Amy Edmondson
Psychological Safety and Learning Behavior in Work Teams
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2019, 吉良野すた
ルーチンタスクの底力: やり忘れとストレスをなくす仕組みと実践 | 吉良野すた | 家事・生活の知識 | Kindleストア | Amazon
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2024, 片野 秀樹
Amazon.co.jp: 休養学―あなたを疲れから救う eBook : 片野 秀樹: Kindleストア
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2021, 溝口敦 (著), 鈴木智彦 (著)
Amazon.co.jp: 職業としてのヤクザ(小学館新書) eBook : 溝口敦, 鈴木智彦: Kindleストア
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2019, ライダー・キャロル (著), 栗木さつき (翻訳)
バレットジャーナル 人生を変えるノート術 | ライダー・キャロル, 栗木さつき |本 | 通販 | Amazon
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2019, 吉良野すた
執筆を効率化したい人のための秀丸エディタ実践入門 | 吉良野すた | 工学 | Kindleストア | Amazon
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1969, 梅棹 忠夫
Amazon.co.jp: 知的生産の技術 (岩波新書) eBook : 梅棹 忠夫: 本
ツール
Habitica
やる気を出して目標を達成しよう。
楽しみながら仕事を片付けよう!400万人を超えるHabiticaの冒険者達と一緒にあなたの人生もタスクも一気に改善しましょう。
Chill Pulse
Chill Pulseは、生産性ツールと穏やかな環境を組み合わせています。ポモドーロタイマーやToDoリストを使用して集中力を高め、サイバーパンクの都市から古代の風景まで、環境音がリラックス感を高めます。
todo.txt
Todo.txt: Future-proof task tracking in a file you control
筆者も以前解説記事を書きました: タスク管理メソッド todo.txt が面白そう #タスク管理 - Qiita
タスク管理メソッドの一つ。米 Lifehacker の Gina Trapani が考案した。いわゆる Todo リストの一種だが、todo.txt というテキストファイル一つのみで運用するためシンプルで、軽くて、管理もしやすいのが特徴。テキストエディタを使って手で編集しても良いが、ツールも多数存在する。コマンドラインツールからスマホアプリまで様々。
GitHub Issues
GitHub とはソースコードをソーシャルに管理するプラットフォームで、リポジトリという単位でソースコードや関連ドキュメントをアップロードします。ソーシャルと書きましたが、複数人で分業したりコメントやレビューをしたりといったことができる能力を備えています(その分勉強と慣れは必要で本職のエンジニアも苦戦しますが)。
この GitHub には Issues という 1-課題 1-チケット で課題を発行する仕組みがあります。ソーシャルなので誰でも(たとえばそのソフトウェアの利用者でも)チケットを切ることができます。一般的には BTS ――バグ追跡システムと呼ばれるものですが、汎用的にも使えます。要は 1-アイテム 1-チケットであり、1-チケットには1-ページが割り当てられるので、1-話題 1-ページと捉えれば汎用的に使えます。まして、課題管理だけあってタスク管理に相当する機能もありますから、タスク管理としても使えます。
この GitHub Issues は、スッキリしていて使いやすいので、個人タスク管理として使っても抵抗感がありません。特に近年は Project というカンバン機能もリリースされており、俯瞰もしやすくなったので、より使い勝手も上がっていると思います。ただ、それでも元はソースコードを扱うエンジニア向けですので、非エンジニアの方にはハードルは高いでしょう。
リンク:
Asana
チームの仕事、プロジェクト、タスクをオンライン管理 • Asana
ClickUp
ClickUp™ | One app to replace them all
monday.com
Work Management という製品がプロジェクトタスク管理機能に相当します。
Trello
Todoist
TimeTree
TimeTree(タイムツリー)|予定の共有と相談がおどろくほど簡単にできるコミュニケーションアプリ
Cross
Toggl
Toggl Track: Time Tracking Software for Any Workflow
Redmine
Redmine.JP — オープンソースのプロジェクト管理ソフトウェア Redmine 日本語情報サイト
Backlog
Backlog|チームで使うプロジェクト管理・タスク管理ツール
hown
howm: Hitori Otegaru Wiki Modoki
Scrapbox
Cosense - Share Experience, Make Co-sense, and Go!
※2024/05/21、名前が HelpFeel Cosense に変わりましたが、本書では Scrapbox の呼称を使います。
Obsidian
Obsidian - Sharpen your thinking
Tana
※2024/08/03 現在は Waiting List への参加を受け付けています。
Miro
ルータム
Routinery
メソッド
アイビー・リー・メソッド
100年の歴史を持つ“生産性向上”メソッド「アイビー・リー・メソッド」とは | Business Insider Japan
このメソッドでは、毎晩寝る前に、次の日にやらなければならない重要なタスクを重要度順に6つ書き出す。そして翌日、タスクに順番に1つずつ取り組んでいく。
たった 6 個にまで絞るという大胆な取捨選択をします。ChatGPT 曰く、TODO リストの起源だそうです。いわば 6 項目限定の TODO リストと言えるでしょう。そもそも TODO リストは「1行1項目」「上から順番に処理する」「終わった項目は完了にする」などの概念があり、自然ではありません(ビジネスなどで縁がないと大人でも知らない人はいます)。100年以上前であり、TODO リストの起源でもあるといわれても納得感はあるかなと個人的には思いました。
時間管理マトリクス
書籍『7つの習慣』 で言及されたマトリックスで、タスクを 4 つに分類することで優先順位付けをサポートするもの。
緊急 | 緊急じゃない | |
---|---|---|
重要 | 1 | 2 |
重要じゃない | 3 | 4 |
1 の「重要だけど緊急じゃないもの」に投資すること(勉強やトレーニングや健康のメンテナンス)や、4 の「重要でも緊急でもないもの」を捨てること、3 の「重要じゃないのに緊急性の高いもの」を減らしていく努力をすることなどが強調されています。ちなみに娯楽は 4 に入るので、かなり意識が高いです。
何が重要かの判断は主観で構いませんが、書籍では人格主義に則っています。たとえば「私はオタクなのでオタ活が重要である」といった生き方は想定されていません(4 の娯楽に入るのでむしろ捨てる対象です)。とはいえ、重要と緊急の二軸での分類は汎用性が高く、現代でも使いやすいでしょう。
タスクシュート
大橋悦夫によって考案されたタスク管理ツールで、タスクを順に並べて上から順に消化していくことと、その際に開始時刻と終了時刻を厳密に記録するのが特徴です。タスクには見積時間も書けますので、厳密に運用した場合は「見積」と「実績(かかった時間)」が記録されることになります。記録を見れば見積との差がわかりますし、自分のパフォーマンスも見えますから、次第に高精度な見積もりが可能になっていきます。
元は Excel ツールでしたが、その後スマホアプリやクラウド版ツールなど強化が図られ、今ではメソッドとしての側面も備えています。特に自分の行動のすべてを記録していくことで、自分の生活リズムを定量化できます。定量化した実データは「あなたの実態」「あなたのリズム」なわけですから、あとはこれを踏まえた上で無理のない生活を組み立てていけます。ツールでは定期的なタスクを入れたり、未来日に入れておいたりもできますから、これ一本で普段の行動すべてを管理できます。ヘビーユースになると「起床後のトイレ」「歯磨き」「爪切り」「ゴミ捨て」といったレベルでタスクを詰め込んで最適化することさえできます。
リンク:
-
タスク管理ツール・TaskChute2
- 大橋悦夫によるオリジナル、Excel 製
-
TaskChute Cloud
- SaaS 型のタスクシュートツール
- 2024年現在、ツールと言えばこちらを指すと思います
-
一般社団法人タスクシュート協会
- 2022年11月設立
- 「自分らしい時間的豊かさを追求する」を掲げています
タイムボックス
事前に時間枠を定めておき、その枠内でのみ仕事をする、という手法です。
シンプルなのは「仕事は8:30~11:30、13:00~17:00の間だけ行う」のようなものです。これは午前に3h、午後に4hのタイムボックスをつくっていますが、ボックス内で行うタスクの指定はありません。
アジャイル開発という製品開発手法ではスプリントという単位が使われます。これは1~2週間というタイムボックスを区切り、何のタスクを行うかも決めた上で、それだけをやります。ボックスを終えたら、打ち合わせをはさんで振り返りつつ次のボックスで何をするかを決めます。そうやって一つずつ確実にこなしながら前進していきます。
他にも色々あるでしょうが、本質は時間枠を決めることと、その枠を超えてだらだらと粘らないということです。メリハリをつけるとも言えます。筆者のような几帳面な人間は言われるまでもなく採用していますが、そうじゃない人には目からウロコかもしれません。
リンク:
カンバン
ソフトウェア開発手法の一つで、1-タスク 1-カードでタスクをカード化し、これを進行状況(未着手、着手中、完了)ごとに区切られたボードに配置することで可視化を行う手法です。ポイントはキャパシティで、チームが抱えきれる程度の分量のタスクだけが存在していることを保証するところにあります。
たとえば、タスクの負荷をポイントで表現する(1ポイントよりも5ポイントのタスクが重たい)として、あるチームは一週間で 30 ポイント処理できるとしましょう。このとき、週のスパンで見た場合、カンバン上に 30 ポイントを超える数のタスクがあってはいけませんよね。今週残り 2 日で、すでに 20 ポイント完了している状態で、「進行中」に 15 ポイント分のタスクがあるとしたら、これはおかしいわけです。少なくとも 5 ポイント分は過剰な負荷になりますので取り下げるべきです。そもそも、こんな超過にならないようにカンバンの状態を維持しましょう、というわけです。
このカンバン、元は1950年代にトヨタで開発されたもので、工場において JIT(ジャストインタイム)――必要な部品を必要な時に必要な数量だけ用意するためのプロセスとして使われていたそうです。生産ラインを流れる物や箱に、文字通り看板が貼り付けられていて、そこに数量などの情報が書かれていたのだとか。
リンク:
- カンバン - 概要 | Atlassian
- かんばんとは - Azure DevOps | Microsoft Learn
- Kanban - Toyota Production System guide - Toyota UK Magazine
ミッションステートメント
書籍『7つの習慣』で登場する概念で、個人や組織の信念を文章化したものです。憲法とたとえられることもあります。
GPT-4に問い合わせた結果を引用します。
『7つの習慣』は、スティーブン・R・コヴィーが著した自己啓発およびビジネスの本であり、個人や組織が効果的に成果を上げるための原則を示しています。この中で取り上げられる「ミッション・ステートメント」とは、個人または組織の目的、価値観、および長期的な目標を定義した宣言です。これは、その人または組織が何のために存在し、どのような原則に基づいて決断を下し、どのような大義や貢献を目指しているかを明確にします。
個人のミッション・ステートメントは、自分自身の理想、目標、価値観を反映したもので、人生の意思決定の基盤となるものです。それに沿って行動することで、より一貫性のある人生を送ることができ、自分自身の最も重要な優先事項に焦点を当てることが可能になります。
組織の場合、ミッション・ステートメントはその組織が追求する目的、提供する価値、及び達成しようとする具体的な目標を示すものであり、従業員やステークホルダーに対してその組織の意義を伝える重要なツールです。これにより、組織内の全員が共通の目標に向かって努力することが促されます。
ミッション・ステートメントの作成には、自己反省と深い考察が必要であり、しばしばこれを作るプロセス自体が個人や組織の成長に大きく貢献します。
末尾で述べられているとおり、かんたんにつくれるものではなく、深い内省を必要とします。ひとりブレインストーミングやフリーライティングなど「頭の中の諸々を外に出す」営みも必要でしょう。他者との対話により気付きを得るのも有効です。
筆者としては「継続的な自問自答」と「自分のコンプレックスから逃げずに向き合うこと」が重要かなと感じます。極めてプライベートな内容になる可能性もあるため、人に見せることは考えない方が良いと思います。むしろ見せる意識を持ってしまうと、取り繕ってしまいます。取り繕ったステートメントは、心の何処かでひっかかってしまうため役に立ちません。一方で、書籍では人格主義を謳っており、「人に見せられないような恥ずかしいステートメントなどありえない」としているところがあると思います。それで済むのならそれでいいと思います(筆者はそうではありません)。
組織の文脈で言えば、企業理念と同義だと思いますが、大人数で議論しても収束しないので、少なくとも最初のたたき台と最後の収束は少人数で行うべきでしょう。
いずれにせよ、憲法レベルの主柱になりますから、そうかんたんに変えるものではありません。しかし全く変えないものでもなく、継続的に内省や議論を重ねて変更事項をストックしておく&キリのいいタイミングで微修正や刷新を行うイメージになると思います。利用規約や就業規則のようなものと考えてもいいかもしれませんね。
ポモドーロ・テクニック
1980 年代後半、フランチェスコ・シリロによって開発された集中術で、25 分の集中 → 5 分の休憩のサイクルを繰り返すことで集中のリズムをつくります。
非常に有名なメソッドということもあり、様々な解釈や亜種が存在しますが、コアコンセプトは以下だと思います。
- 1ポモドーロという単位(25分取り組む → 5分休憩)
- 最初にタスクを決めて、それだけを行うポモドーロを回す
- ポモドーロはキッチンタイマーなどを使って厳格に管理し、厳格に守る
- 4ポモ回したらで長めの休憩を入れる(30分とか)
つまり、ポイントは以下となります。
- 進捗や優先順位は考えない。やると決めたタスクをポモドーロでひたすら回すのみ
- 逆を言えば「これをやればいい」「これをやりたい」など、やるべきタスクが見えていない場合は回せません(あるいはやるべきかわからないけど回してみるかというギャンブルになりますが、経験上ギャンブル的だと集中しづらいと思います)
- タイマーが鳴ったら次の行動に移る、を強く心がける
- 筆者は「タイマーの奴隷になる」と表現しています
- ポモドーロには 5 分休憩があるが、それでも疲れが溜まってくるので、長めの休憩を差し込む
- そうしないと日中フルでもちません
なぜこんなことをするかというと、集中したいからです。集中して目の前のタスクに取り組み続ければ、進捗感が出て気分もいいし、取り組んだことで色々見えてきます。このタスクをすればいいとわかってる、だけどなぜか集中できない、やる気出ない、たすけて――それを叶えるのがポモドーロ・テクニックだと筆者は理解しています。
トレメント――トレーニング要素に適応できる強い人であれば「いやそんなことしなくても普通に集中して取り組めばいいでしょ」と疑問を抱くのですが、それができない人も多いです。あるいは、普段はできる人であっても、タスクによってはできなかったりするでしょう。たとえば興味の無いタスクやつまらないと感じるタスクはそうなりやすいと思います。こういうとき、ポモドーロというシンプルな制約はバランスが良いのです。
パラメータとして「25分」「5分」「4回」などがありますが、このあたりの好みは分かれると思います。まずはそのままセオリーどおりに使うのが良いでしょう。それで慣れてきたら、自分のリズムとのギャップも見えてくるはずですから、微調整していけばいいと思います。筆者は調整は要らない派です。というのも、ポモドーロ・テクニックはタイマーの奴隷となって「着手を続ける」ことが目的であり、細かい数字の合う合わないはどうでもいいからです。たとえ 25 分だと中途半端な事が多いなーと感じても、いたずらに伸ばしたりはせず、淡々とタイマーに従うのみ。むしろ細かい快適性を意識しだすと「自分が快適に取り組めるかどうか」の模索という本末転倒に陥ります(これはこれで面白いから厄介です)。
やめどきは人それぞれで良いです。3 ポモくらいで不安がなくなったのなら、もうその日は切り上げていいでしょうし、「あとはタスク管理をして作業的にこなせればいけるな」とわかったなら以降はポモドーロを回さなくてもいいでしょう。逆にポモドーロを回さないと仕事できないというのであれば、毎回回せば良いでしょう。
リンク:
インボックスゼロ
未処理の場所(インボックス)をつくっておき、以下の二つのルールを適用します。
- タスクを溜めていくこと
- タスクはすぐに処理しなくてもいいが、すべて処理して空にすることを目指すこと
つまり「0 件にする(空にする, ゼロにする)ことを目指した未処理領域」です。
この概念は個人タスク管理において非常に重要であり、ゼロという基準があることでメリハリが生まれます。私たち人間は機械ではないので、オンとオフを区別することは大事です。問題はその切替をいつ行うかですが、インボックスゼロはまさに「ゼロになったらおしまい」とできてシンプルなのです。
例としてメールの受信箱やチャットや SNS の通知欄はよく知られています。ここがゼロになるといったん安心です。また Dailer のデイリータスクリストなど日単位で仕切る(一日の最初に今日やるタスクを溜め、これが全部終わったらその日はもうおしまいにする)考え方もあります。
その他、応用範囲は広いと思います。たとえば筆者は玄関に書類整理用のインボックスをつくっており、ポストに届いた書類を全部ここに置いていて、適当なタイミングで目を通して処理しています。ここがゼロだと気持ちが浮きますし、ゼロにしたいのでさっさと処理しようという気にもなります。同様に、玄関には「日用品付箋ゾーン」があり、買い出したいもの(を書いた付箋)が貼り付けてあります。これもインボックスであり、買い物に行く前に目を通してメモしてから出かけます。買ってきたら付箋をストックに戻して終了。このゾーンについても、ゼロ(何も付箋が貼り付いてない)の状態=何も買わなくていい、ですから精神的に楽できます。
習慣トラッカー
ハビットトラッカーとも呼びますが、習慣を管理するためのシンプルな手法です。
やり方としては、習慣名と日単位の時間軸を並べて、毎日各習慣を行ったどうかをチェックをつけて記録していきます。たとえば縦軸に習慣を、横軸に日を並べます。画像検索をすればイメージは一発でわかると思います。デジタルツールである必要はなく、アナログな手帳でも運用できます(し、むしろアナログの方がやりやすいくらいです)。
手法自体はきわめてシンプルですが、難しいのは「自分にとって定着しやすい習慣」を上手く選んでいくことです。自分がやりたいと思えるものを一つずつ追加していく、うっかり忘れてしまわないために生活の動線上に自然に配置する、モチベーションを上げるために人に報告したりアナログな手帳で気分が上がるデザインにしたりするなど、工夫の余地は色々とあります。
初心者の方はよく何でもかんでも追加しがちですが、それで律儀に従えたらそもそも苦労はしないのです。人間は怠惰な生き物であり、モチベーションは人それぞれですし、同じ人であっても状況や調子次第なので、それらを上手く尊重した形で注入していかねばなりません。人や動物との接し方はその人その動物次第ですが、習慣も同じで、自分という生物に則らねばならないのです。この部分だけでも一冊の本になるでしょうし、実際その手の本は多数ありますが、本質は同じです。ただ、その本質に則るのが難しくて、通常は色んな発想や事例を見ながら模索していくことになります。もちろん、難なくこなせてしまう人もいます。本書でも度々上げていますが、結局はトレメントに強い人が有利です。
習慣トラッカーの起源は不明ですが、ChatGPT 曰く、書籍Atomic Habitsにて紹介されたことで広まったそうです。Amazon のレビューは 2024/05/30 時点で 16 万件あります。
習慣トラッカーには応用例もあります。たとえばセルフモニタリングです。セルフモニタリングの厳密な定義は割愛しますが、巷では体調、特に不調の原因を探るための行動記録を意味します。これは習慣トラッカーで実現できます。たとえば朝に薬を飲む、朝に日光浴する、夕方に薬を飲む、月と木で通院する、寝る前に薬を飲むといった行動を習慣とみなしてトラッカーに載せるのです。毎日記録していけば、たとえば不調が起きた日に「薬を飲んでないじゃないか」とか「通院をサボり始めてるな」といったことが記録としてわかるわけです。
GTD
Getting Things Done の略で、デビッド・アレンが開発した人生管理術です。
コアは4つあって、まず頭の中でもやもやしているすべての気になることを外に出すことです。次に、外に出したそれをワークフローに従って分類して、適切なタイミングで処理できるようにします。たとえばネクストアクション(次何するかという選択肢)、プロジェクト(すぐには終わらないがn回の着手で終わる程度のもの)、いつかやる(永遠にやらないかもしれないがいつかやりたいことを溜める)、インボックス(未処理を溜める場所でなるべく早くワークフローに流す)、連絡待ち(相手から連絡が来ないと進まない事柄を集める)などがあります。それからレビューという形で日々点検します。筆者は DWMY と呼んでいますが、Daily(毎日)、Weekly(毎週)、Monthly(毎月)、あとオプションですが可能なら Yearly(毎年)の点検をするのです。点検は振り返りと言っても構いません。そして最後に、人生全体で整合性を取るために信念や哲学、長期的に目指したいこと、数年スパンで達成したいこと、現在抱えている制約などをリスト化しておき、レビュー時に適宜参照・修正します。これは高度モデルと呼ばれます。
改めてまとめると、
- 1: 頭の中にあるものを全部外に出す
- 2: 1はワークフローに従って分類し、各々適切なタイミングで処理する
- 3: 日週月年ごとにレビューを行う
- 4: 人生全体の整合性を取るためのリストをつくる
中々に重厚なメソッドであり、本来は有償のセミナーを受けねばなりません。GTD は GTD® であり商標登録されています。筆者は公式の書籍を精読したり、ネットで情報を集めたり、人の声を聞いたりして自分なりに解釈しました(GTDを噛み砕くとしてドキュメント化)。
もう一つ重要なのは、GTD が枠組みを捉えたものであり、具体的にどんなツールを使えばいいかは扱っていないということです。たとえば日々行動する際に使うネクストアクションをどのように実践するかは(少なくとも書籍上では)言及がありません。この部分は本書が役に立つでしょう。たとえば戦略の章で言えば、Dailer にてデイリータスクリストをつくったり、Robot としてタスクを全部洗い出して載せることができます。Calendarer としてひたすら予定にぶっこんで予定を消化するマシーンになるのもアリです。
鬼門はレビューだといわれます。たとえば最初に頭の中を出し切るのに数時間、日次レビューは毎日 10 分、週次レビューは毎週 1 時間、月次レビューも毎月 1~2 時間くらいかかるわけです。これを全部律儀に、できるだけ欠かさず行う必要があります。これができないと全体的なメンテナンスができないので形骸化します。そして、この営みはまさに本書でも強調しているトレメントに他なりません。
PARAメソッド
情報管理メソッドの一つで、GTD より後発でありながらも、GTD 並の汎用性を備えています。ちなみに有償のメソッドです。
PARA の名の通り、情報を Project、AoR(Area of responsibility)、Resource、Archive の 4 種類に分けます。Project はゴールと期限を持つ一連の作業、Resource は今現在関心がある情報全般、Archive はいずれでもないものを入れる倉庫となっており、要は「プロジェクト」「情報」「それ以外」のざっくり 3 つに分ければいいだけ、と GTD と比べてずいぶんかんたんになっています。AoR は名前は怖そうですが、「健康で過ごす」のような「タスクというよりタスクを発生させる元となるもの」を指します。「維持するべき基準」や「現状抱えている制約」と言い換えてもいいでしょう(GTD では高度モデルの 4000m や 2000m に相当します)。AoR はタスクとして管理しづらいので、別途リストとして持っておいて、日々これを眺めながらプロジェクトに落としてこみ、行動としてはそのプロジェクトの方をこなすのです。
使うツールについては、ノートツールなら何でも構いません。仕事で OneNote、プライベートで Evernote など複数に分散しても構わないです。重要なのはどのツールでも一貫した構造を保つこととされています。単一メソッド、複数ツールというわけですね。階層は人間工学的に 4 段階までが良いとされていますし、ノートツールもそうなっています。たとえば OneNote は notebook - section - section group - page ですし、EverNote は application - stack - notebook - note です。トップ階層は P A R A の 4 つで固定して、その中は自由ですが最大 4 段階に収めるのが無難ですよ、というわけです。
筆者としては AoR の概念が画期的だと思います。また、PARA メソッドではコミットを大事にしており、ゴール無きプロジェクトは趣味でしかない、またはプロジェクト無きゴールは夢でしかないとも言っています。細かい運用は扱われていません(or 有償の部分で扱うのかもしれません)が、メソッド自体はたしかに汎用的で、ボリュームとしてもコンパクトであり、後発なだけあるなと感じます。
リンク:
-
The PARA Method: The Simple System for Organizing Your Digital Life in Seconds
- 2021年時点では解説が充実していましたが、2024/06 現在(最新の更新は 2023/04)では見れなくなっています