4seasons
33,823 character(s)1 hr 7 mins
甘酸っぱさや現実のままならぬ痛みを交えながら描かれる、高校生になったソラましの四季折々の物語。
去年のレインボーフレーバー29にて頒布したソラまし小説本の本文です。
レイフレ30の開催に合わせて公開しました。
執筆時期が本放送中8月だったので、本編最終話と設定の齟齬があります。その点を留意して楽しんでいただければ……!
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prologue
「私、大人になったらましろさんと結婚したいと思います!」
そうソラちゃんが口にしたときの、一欠片の曇りもない、幼子のような笑み。それを今もはっきりと思い出すことが出来る。
まだわたしとソラちゃんがひとつ屋根の下で暮らしていた頃、何かの会話の弾みで飛び出した、冗談みたいな言葉。
「この国じゃ、女の子同士は結婚できないんだよ〜」
いつものようにツッコミを入れてから、喉に引っかかった違和感を無理矢理に呑み込む。
「それに何よりも私たちはまず友達なんだから」
それは、ちくりとした胸の痛みを誤魔化すための言葉。
だってこんなこと、ちっぽけなわたしひとりが考えたところで、どうしようもないから―わたしは静かな諦念と共に、淡い想いを胸の奥へ仕舞い込んだ。