アップルはZ世代をがっちりと掴んでいる。90%がiPhoneを所有…最新の調査で

パイパー・サンドラーの新しい調査によると、スマートフォンを持っている10代の若者のうち、90%近くがiPhoneを持っていることが分かったという。これは市場において非常に大きな影響を与えており、今後何年にもわたってアップルに利益をもたらす可能性が高い。

パイパー・サンドラーの新たな調査によると、スマートフォンを持っている10代の若者のうち90%近くがiPhoneを所有していることが分かったという。これは市場において非常に大きな影響を与えており、今後何年にもわたってアップルに利益をもたらす可能性が高い。

kyotokushige/Getty Images

  • パイパー・サンドラーの最新調査によると、アメリカの10代の若者の間ではアップル製品が非常に人気があるという。
  • 10代の若者の多くがiPhoneとApple Watchを所有しており、Apple Payも利用していることが明らかになった。
  • とはいえ、音楽配信サービスではApple Musicがリードしているわけではなく、多くの10代の若者がSpotifyを利用しているという。

アップル(Apple)製品はアメリカの10代の若者をガッチリつかんでいることが、投資銀行のパイパー・サンドラー(Piper Sandler)の新たな調査で明らかになった

同行が発表した若者の消費動向に関する46回目の半期報告書では、平均年齢15.7歳、平均世帯収入7万725ドル(約1055万円)のアメリカの10代9193人を対象に、彼らがどのようにお金を使うかを調査している。

この調査では、アップルがZ世代を支配していることが明らかになった。調査対象となった数千人の10代の若者のうち87%がiPhoneを所有していると回答し、88%が次の携帯電話はiPhoneにするとしている。

10代の若者の間でのiPhone人気は、アップルの収益には良い兆候に違いないと研究者らは述べている。90%近くの若者がすでにiPhoneを所有しており、同様の割合の若者が次もiPhoneを購入するつもりだと回答しているのであれば、それは習慣として定着しているということだ。

「こうした傾向は、Appleが新型iPhoneを投入し続ける中で、同社が手掛ける商品群が安定していることを証明するものであり、勇気づけられるものである」と報告書は述べている。

「アップルのハードウェアが成長を続けるというポジティブなトレンドは、さらなるサービスの成長の起爆剤にもなり得る」

Z世代が使っているのはiPhoneだけではない。同報告書によると、10代の若者の42%がApple Pay(アップルペイ)を利用していることが分かっている。また、10代の回答者の34%がApple Watch(アップルウォッチ)を所有していると回答している。

報告書によると、10代の高所得者層の間では、Casio(カシオ)、Garmin(ガーミン)、そしてRolex(ロレックス)を抑え、Appleがナンバーワンの時計ブランドであった。

10代の若者に人気の時計Apple Watch。

10代の若者に人気の時計Apple Watch。

Apple

しかし10代の若者たちに、明らかに共感を得られないアップル製品もあるようだ。それは音楽ストリーミングサービスだ。

調査対象となった10代の若者の70%以上が過去6カ月間に音楽を聴くためにSpotify(スポティファイ)を利用していたのに対し、Apple Musicを利用していたのは40%未満だった。YouTube Music(ユーチューブ・ミュージック)、Amazon Prime Music(アマゾン・プライム・ミュージック)、Soundcloud(サウンドクラウド)などの小規模ブランドがそれに続いた。

この件に関してアップルからのコメントは得られていない。

パイパー・サンドラーが10代の消費動向に関する調査結果を発表したのは、アップルが新製品の発売を予定していた時期だった。2023年9月22日、アップルは期待の高かったiPhone 15 ProおよびPro Max価格は999ドル、約14万9045円から)を発表した。

だがアップルと競合するスマートフォン企業のリーダーの中には、iPhoneメーカーのアップルがスマートフォン市場を不当に支配していると考えている者もいる。

2022年、Android(アンドロイド)では、iMessageのテキストが青の吹き出しで表示されるため、iPhone購入の社会的圧力を感じてしまう若者がいるとウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)が報じたことを受け、グーグル(Google)のシニア・バイスプレジデントのヒロシ・ロックハイマー(Hiroshi Lockheimer)は、アップルは「製品を販売する手段として同調圧力やいじめを利用している」とX (旧Twitter)で非難した。

WSJの記事に対し、Androidを開発する企業であるグーグルのロックハイマーは、アップルの「iMessageロックイン」戦略は、「人間性と公平性をマーケティングの中核に据える企業としては不誠実だ」と述べた。

iPhoneが若い消費者の心をつかんでいるにも関わらず、AIがハードウェア製品に組み込まれ始めるにつれて、OpenAIのChatGPTのようなAIツールの台頭(テック・リーダーたちはこれを「iPhoneモーメント」と呼ぶ)は、テック業界で次の大きな出来事になるのではないかと一部の技術専門家は考え始めている。

技術歴史家のトーマス・ハイ(Thomas Haigh)は、少なくとも今後10年間はそうなる可能性は低いと以前Insiderに語っている。

「iPhoneが主流の時代はは少なくともあと10年は続くだろう」と彼は話している。

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