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平和を願う世界中の人に知ってほしい。
戦争裁判で斃れた人々の遺言集
心に直撃する本。涙が出ました。『世紀の遺書』は、戦後日本に蔓延する偽りの歴史を覆す力を持つ一冊です。
ジェイソン・モーガン
“戦犯”裁判により処刑、獄中死された方々の遺書遺稿集。1953年刊『世紀の遺書』から85篇を新字体、現代仮名遣いにして復刊
彼らの遺稿は、自己の死よりも肉親を思い、国家世界を憂えて、平和再建への切々たる祈りを遺していた――。
便箋や旧軍用罫紙に書かれたものの外、包装紙、トイレットペーパー、莨の巻紙、書物の余白、又余白を截って貼り継いだもの等があり、紙以外にも、敷布の断片、シャツ、ハンカチーフ、板等も含んでいる。その大部分は鉛筆書きであるが、ペン書、墨書、血書等もあって、中には汚にしみ、ボロボロになったものもある。
これらを見るとき故人が如何に苦心し、心血を注いで意志を伝えんとしたかが明かにうかがわれる。
すべての人が言葉をつくしてその父母妻子に切々たる情を伝え、身の潔白を叫ぶのも寧ろ遺族の将来の為に汚名を除かんとする努力なのであります。
更に愛は郷土へ祖国へと拡がり、遂には人類愛に迄高められております。
人道の敵と罵られ祖国からも見離された絶望の底に於て、尚損われることのなかった純粋なこの愛国心は改めて深く見直されるべきであり、この基盤なくしては人類愛もまた成立し得ないものと思うのであります。
教誨師 田嶋隆純
妻よ、私の言葉いやこの日記は皆君への愛情の遺言だと思って読んでくれ給え。――吉沢国夫
国家再建の礎たらんとして散りゆく我々の気持はその人柱の気持と変りない。――村上博
俺の死体は返さぬだろうから葬式などはせんでよろしい。唯親子で心の供養をして呉れればそれでよい。それよりも父の死を嘆かずに其の日から朗かに笑って暮す様に心掛けて呉れ。――木村兵太郎
愈々お別れだね。僕は君に最後に聴いて貰いたい事があるのだ。実は君が好きだった。併し今宵限り凡てを忘れるのだ。そうする事がお互いの幸福だ。最初にして恐らく最後の接吻、そして君の熱き言の葉、これで充分なのだ。それよりか君の歌を唄ってくれ。あの浜辺で聴いた「セレナーデ」を。――福原昌造
暴力に報ゆるに、暴力を以てする程、馬鹿なことはない。一年先も見えない、近視眼者のすることだ。基督の契約は、原子爆弾に依り破られた。――中山洋臣
米国が公正な国だというのは真赤な噓だ。然し弁護人六人は実に見事で驚嘆すべき活動をしてくれた。――本間雅晴
日本では憲法で不戦や無武装を定め平和来を夢みているでしょうが昨今の模様では当になりますまい。マッカーサー将軍の対日政策も百八十度転換、日本を有力な米陣営の一員とせざるを得ないでしょう(西部独逸と同様)。――左近允尚正
目次
巣鴨
紫すみれの押花 吉沢国夫
幼き子へ 満淵正明
涙をぬぐえ 頴川幸生/井上乙彦
皆幸せに 末松一幹
金剛心 鈴木賞博
明 暗 由利 敬/平手嘉一
混沌の底に 水口安俊
北 斗 東條英機/松井石根/武藤 章
板垣征四郎/土肥原賢二/木村兵太郎
白 雲 岡田 資
二十八時間の生命 井上勝太郎
中国
日支の楔とならん 野田 毅
中国兵の涙 吉田保男
一粒の麦 向井敏明
荒 魂 近藤新八/市川 正
残 照 堀本武男
聖寿万歳 平野儀一
火と氷 沢 栄作
祖国よ栄あれ 藤井 力/鏑木正隆
大好きな日本 酒井 隆
蘭印
生命の余白 氷見谷 実
母を恋う 村上 博
孤島の土となるとも 牧内忠雄
残 恨 浅木留次郎/山岸延雄
覚 悟 岡村亀喜代
唯 心 海野馬一
玉つゆ 佐藤源治
えにし 太田秀雄
兄弟へ 前田利貴
愛しき妻へ 高橋国穂
子に遺す 森 国造/金丸秀蔵/多田初二/田中 透
彼岸への友情 清水勇蔵
廿四時間の記録 上杉 旬
日本軍人として死す 董 長雄
ビルマ
小さき生命 岩城 喬/徳山喜美与
日本の進むべき道 神野保孝
マレー
英国に告ぐ 河村参郎
わが祖国よ 小林庄造
責を果して 蜂須賀邦房/合志幸祐
天 命 星 愛喜/福栄真平/正木宣儀
断 腸 中村鎭雄
闘 魂 清水辰雄/屋 政義/平松愛太郎
昇天行 原田熊吉
美しき仲間 弘田栄治/大塚 操
朝粥のかなしみ 木村久夫/木村武雄
あと二分 趙 文相
香港
迎 春 左近允尚正
朝霜の命 田村劉吉
濠洲
南十字星のもとに 後藤大作
十八人に代りて 田島盛司
星月夜 篠原多磨夫/中山洋臣/福原昌造
ちぎれ雲 茂木 基
仏印
大いなる愛 桑畑次男
比島
哄 笑 小野 哲
贄 本間雅晴
祖国を護れ 山下奉文
心は部下に 山口正一/安部末男/南条正夫
異国の空に 太田清一
グワム
人 間 高階喜代志
孤島の土に 酒井原繁松
科学者の思慮 上野千里
戦争受刑者死没地略図
シンガポール地区略図
後記(原書)
解 説 ジェイソン・モーガン
- 本の長さ408ページ
- 言語日本語
- 出版社ハート出版
- 発売日2024/10/24
- 寸法21 x 15 x 2.8 cm
- ISBN-10480240185X
- ISBN-13978-4802401852
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出版社より

『世紀の遺書』とは
先の大戦終結後、“戦争犯罪人”の烙印を押され、戦勝国によって処刑された、あるいは収監中に獄死した日本人は千人以上に及ぶ。7ヵ国、50ヵ所の法廷で裁かれ、多くの刑死者を出した一連の理不尽な裁判は、戦勝国の復讐の意志が貫かれたものであり、“戦後”なお戦争は継続中であったと言えよう。死囚となった彼らは自己の死よりも戦友や残される家族を思い、祖国日本の再建と繁栄を願いつつ、刑場の露と消えていった。
昭和27年、サンフランシスコ講和条約発効後も巣鴨プリズンに収監されていた有志が「巣鴨遺書編纂会」を結成、いわれなき“戦犯”刑死者らの、死を前にした究極の叫びを歴史的な証言として後世に残そうと、その翌年、701篇もの遺書遺稿集『世紀の遺書』を発行した。『世紀の遺書』とは二十世紀が後世に遺す遺書という意味である。
集められた資料は遺書、日記、手記、随筆、詩歌、書翰、伝言等故人の心を知り得るものはすべてにわたっている。これらは便箋だけでなく、包装紙、トイレットペーパー、煙草の巻紙、書物の余白、余白を切って貼り継いだもの、敷布の断片、シャツ、ハンカチ、板等に書かれていた。汚れてボロボロになったものもある。故人が如何に苦心して心血を注ぎ遺志を伝えようとしたか、またこれらをひそかに持ち帰った囚友、教誨師が如何に苦労したかがうかがわれる。
本書は、原書701篇の中の85篇を収録したものである。本書には、かつての日本人が有していた崇高な精神が凝集されている。

「推薦のことば」より
敗戦の悲劇の一つたる戦犯裁判も、単に有罪とされた四千人の個人的問題としてより、民族的体験として深く顧みる必要に迫られている。祖国敗戦の悲しみに加え、神の名において「人道の敵」と裁かれ、命を断たれた戦犯者の苦悩は我々の想像を絶する。彼らは何を訴え何を願って死んでいっただろうか。この書にはそれらの個々の遺志が赤裸々に網羅されている。
彼らは身の潔白を叫び、肉親の恩愛になき、また「死」の解決に苦心惨憺しつつも、遂には恩讐を超えて祖国と世界への祈りに到達している。この書の中に戦犯死没者、否日本人の真価を如実に見て、我々は日本人たることに新な自信と誇りをもつことができるであろう。
正に「世紀の遺書」は「祖国に告ぐる書」であると共に「世界に告ぐる書」であり「民族の書」「人類の書」である。また、第二次大戦結末の「歴史的資料」たるに留らず、「求真の書」として永久に遺され読み継がるべきものと信ずる。

火野葦平「日本人必読の書」より
戦争犯罪人と云うレッテルを押され、多くの人々が地上から消えた。しかし、その人たちの声だけは消えずに残されている。それは絶叫ではなくして静かで小さな声だ。
日本人は一人のこらずこの人たちの声に耳かたむけ、戦争と敗北の運命をことごとく自己の問題として、あらためて考えなおさなくてはならない。民族の犠牲というかなしい結末が、新しい生命の息吹きとなって、私たち日本人の盲目となった眼をひらかしめることを私は疑わない。
ヒューマニズムの所在は形式的な戦争裁判にあるのではなく、その裁判によって鬼畜と断定され、死を宣せられた人格のなかにあるように思われる。
人間のもっとも大切な生命のぎりぎりの場からかがやき出たもの、しかもその死が個人的なものでなく、日本と日本人全体との責任によって生じたものであるのに、騒音によってかきまわされた昏迷のため、この人たちの言葉をかみしめないならば、日本民族に救いはないと思われる。
「世紀の遺書」を日本人が一人のこらず読むことが望まれる。

遺詠
子の孫のその子の孫よ千代かけて 祖国をまもれ心つくして
現身は赤き血汐に染まるとも その雄心はたゞ「君が代」に
さきもりの務め果して草枕 今ぞ出で発つ死出の旅路に
国のため尽せしすべも今はたゞ 野晒しとなる身こそ哀しき
ふがひなく逝く身なれども心には 祖国の行末憂ひやまざる
をのゝきも悲しみもなく絞首台 母の笑顔をいだきてゆかむ
ふるさとに我を待つらむ年老いし 母の心にやすらひぞあれ
指をかみ涙流して遙かなる 父母に祈りぬさらばさらばと
月みれば何時か眼がうるみくる 遠くはなれし妻子のこと
顔見ずに我は此の世を去りぬれど すなほに育て不運なる子
吾が血潮妻に宿りて子に伝ふ 草むす屍咲く花ぞ待つ
いとし児の嬉々とたはむれ学校に 通ふ姿を目に浮べをり
国を興し何時の日か来よ此の島に 父は笑顔で吾子を迎へん
いとし妻深き因縁ぞ有難し 又来む世にも君を娶らむ
過ぎし日の君と語りし思ひ出を 永久のねむりの夢にして見ん

商品の説明
著者について
麗澤大学国際学部准教授・モラロジー道徳教育財団道徳科学研究所客員研究員。1977年アメリカ合衆国ルイジアナ州生まれ。2014~2015年フルブライト研究者として早稲田大学大学院法務研究科で研究。2016年ウィスコンシン大学で博士号を取得。2022年Holy Apostles College and Seminaryから修士号(キリスト教哲学)を取得。著書は『私はなぜ靖国神社で頭を垂れるのか』(方丈社)など。
登録情報
- 出版社 : ハート出版 (2024/10/24)
- 発売日 : 2024/10/24
- 言語 : 日本語
- 単行本(ソフトカバー) : 408ページ
- ISBN-10 : 480240185X
- ISBN-13 : 978-4802401852
- 寸法 : 21 x 15 x 2.8 cm
- Amazon 売れ筋ランキング: - 14,853位本 (本の売れ筋ランキングを見る)
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