紙の時刻表はなぜ生き続けるのか? JTB時刻表が迎える100年の節目(1/2 ページ)

» 2024年10月13日 16時36分 公開
[産経新聞]
産経新聞

 現在の「JTB時刻表」(JTBパブリッシング刊)の前身となる「汽車時間表」の創刊号「大正14(1925)年4月号」が発刊されてから来春で100年を迎える。

 復刻版として発売されている同号を見ると、時刻が24時間制でなく、細字が午前、太字が午後としていて読みにくい所はある。航路の時刻が載った海外連絡のページには西比利亜(シベリア)、北京、天津といった地名が並び、スケールの大きさを感じる。何といっても100年前に全国至る所に鉄道が通り、時刻表がその膨大な情報を網羅していることに驚く。

photo 東京都内にあるJTBパブリッシングの時刻表編集部。数字のミスは許されない

 戦時色が濃かった昭和19年は年5冊、20年には1冊だけという苦難を迎えるが、発行されなかった年はないという。戦後は列車の増発、新幹線の開業、夜行列車の廃止など、さまざまな出来事を盛り込み、時代を表す一冊として歴史を重ねてきている。

 そして現在の時刻表。千ページ超の中に並ぶ数字は300万から400万個といわれている。東京都江東区にあるJTBパブリッシングの時刻表編集部では通常24人のスタッフが業務にあたっている。

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