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バイデン米政権、英エドワーズに1,800万ドルの助成発表、CHIPSプラス法に基づき

(米国、英国)

ニューヨーク発

2024年10月11日

米国商務省は10月10日、英国産業機器メーカーのエドワーズバキュームに対して、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づいて最大1,800万ドルを助成することで、同社と予備的覚書(PMT)を締結したと発表外部サイトへ、新しいウィンドウで開きますした。

2022年8月に成立したCHIPSプラス法は、米国内半導体産業の振興を目的に、半導体製造施設や半導体製造装置・素材関連施設の建設や拡張などを行う企業に対して390億ドルの助成と25%の投資税額控除を行うほか、研究開発を行う企業に対して110億ドルの助成などを規定している。CHIPSプラス法に基づく半導体製造施設や半導体製造装置・素材関連施設の投資への助成金拠出の発表は今回19社目(注)で、助成額の合計は350億ドル以上に達する。

エドワーズバキュームは半導体などの製造工程で用いられるドライ真空ポンプなど産業機器を製造する、スウェーデンのアトラスコプコ傘下の英国企業だ。助成対象となるのは同社の米国ニューヨーク州ジェネシー郡におけるドライ真空ポンプの製造施設の新設プロジェクトで、同社が2022年11月に計画を発表していた(2022年11月4日記事参照)。商務省の発表によると、現在、米国内で半導体製造工程用途のドライ真空ポンプは製造されていないが、同施設の稼働により、2030年までに米国内に新設される半導体製造施設のほぼ全てにドライ真空ポンプの提供が可能になる。また、同プロジェクトを通じて約600人の雇用創出が見込まれるとしている。

商務省のジーナ・レモンド長官は「半導体メーカーが工場を稼働させるために必要となる、米国内で製造されるドライ真空ポンプへの戦略的かつ的を絞った今回の助成案は、バイデン政権が半導体サプライチェーンのあらゆる工程が米国内で構築されるよう取り組んでいることの新たな一例だ」と述べ、今回の発表の意義を強調した。

なお、商務省によると、同社は商務省から最大1,800万ドルの助成を受けるほか、財務省に対してCHIPSプラス法に基づく25%の投資税額控除を申請の予定だ。

(注)直近18社目は、2024年8月に米国IT大手HPの米国オレゴン州の半導体研究開発・製造施設の拡張などに対して発表されていた(2024年8月30日記事参照)。

(葛西泰介)

(米国、英国)

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