[安和の現場から 事故は防げなかったのか](2)

 沖縄県名護市の安和桟橋で、ダンプカーの誘導をしていた綜合警備保障(アルソック)の元社員の男性が、桟橋の出口でダンプを2台連続で誘導する「2台出し」の実態を証言した。

 アルソックが始めたのは2023年3~4月ごろ。現場警備員のまとめ役「隊長」が「無理ない範囲でやっていこう」と呼びかけたのがきっかけだった。明確な理由の説明はなかったが、男性は「搬入量を増やしたい防衛局の意向というのが全員の共通認識だった」と話す。

 男性によると、安和桟橋の出口の警備は9人グループの2交代制で、3人は桟橋内、6人が出口付近で警備に当たっていた。2台出しの呼びかけをしたのは、現場責任者の下で2グループ18人をまとめる「隊長」だった。男性は複数の同僚から「防衛局から搬入量を増やすよう要請があった」と聞いていた。

 実際に2台出しの誘導をするのは、桟橋出口の中央に立つ「3番」と呼ばれるポジションの警備員。抗議活動中の市民やダンプの動きに気を配りつつ、ダンプを停車させる際は、手を上げ続けるなど体力的にも負荷がかかるため、経験豊富な人が...