GINZA MAISON HERMÈS

Le Forum

「ゲート」 モニカ・ソスノフスカ展
Gate by Monika Sosnowska

2015.1.20 (火)~3.31 (火)

モニカ・ソフノフスカは1972年ポーランドに生まれ、ワルシャワを拠点に活動するアーティストです。60年代にワルシャワで盛んであった前衛芸術に大きな影響を受け、また共産主義の崩壊を祖国にて経験したソスノフスカは、モダニズムに代表される過去の歴史とその現代における変容にインスピレーションを受けて作品を制作しています。

壮大なスケールで展開されるソスノフスカの彫刻やインスタレーションは、実在の建築をモチーフにしています。ソスノフスカは、社会主義のもとで権力の象徴を意味した当時の建築や、公共の施設などが壊されていく様を日常生活の中で目の当たりしてきました。かつてのユートピア的意味を失って脱機能化し、崩壊と放棄の過程をたどりながら新しい建築へと移りゆく姿や、その建築の壁、階段、ファサード、窓、廊下などのディテールを断片的に取り出し、その造形をユニークな彫刻としての言語に置き換えていきます。

日本での初の個展となる本展覧会では、個人宅のゲートを題材に新作を発表します。通りから住まいを隔てるゲートは、ここでは個人にも都市にも属さない中立的な形で展示されます。主にスチールを使用し、工業的なプロセスで生み出され、その後曲げられ、ねじられ、歪んだ形のまま、機能をもたずに佇む造形としてのゲートは、本来の機能からは“リタイア”したものでありながら私たちに力強く迫ってきます。世界が自分の周りで崩れ落ちていくという不安や心もとなさ、懸念をもつ私たちに、ソスノフスカは魔法のように、人間に内在する回復力を露にします。政権は崩壊し、夢や希望が弱まったとしても、生き残り、再生していく・・・その力強い表現は、ユートピアと放棄を日常的に目にしてきたソスノフスカならではのメッセージなのかもしれません。
 

展覧会ブックレット

展覧会の様子を記録したブックレットをオンラインでご覧いただけます。
 

アーティストプロフィール Artist Profile

モニカ・ソスノフスカ Monika Sosnowska

1972年、ポーランド生まれ。ワルシャワ在住。ポズナン美術大学、アムステルダムのライクスアカデミー(国立美術学校)にて学ぶ。第52回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2007年)のポーランド館代表。主な個展に、「Monika Sosnowska」(サーペンタイン・ギャラリー、ロンドン、2004年)、「Projects 83」(ニューヨーク近代美術館、2006年)、「1:1」(シャウラガー美術館、バーゼル、2008年)、「The Staircase」(ヘルツリーヤ現代美術館、イスラエル、2010年)、「Regional Modernities」(オーストラリア現代美術センター、メルボルン、2013年)などがある。
 

開館時間 Opening Hours

月~土 11:00~20:00(入場は19:30まで)
日   11:00~19:00(入場は18:30まで)

基本情報 Information

会期
2015 年1 月20 日(火)~3 月31 日(火)
休館日:エルメス銀座店の営業時間に準ずる
入場料:無料
会場: 銀座メゾンエルメス フォーラム(東京都中央区銀座5‐4‐1 8階 TEL: 03-3569-3300)
主催: エルメス財団

トークイベント

※本イベントは終了いたしました。

「ゲート」モニカ・ソスノフスカ展の開催を記念し、2月27日(金)にトークイベントを行います。

ポーランド人作家であるソスノフスカは、幼少期を冷戦下で過ごしました。祖国において、17歳で共産主義の崩壊を経験した彼女は、ポーランドの近代化をはじめ「歴史」とその変容からインスピレーションを得て作品を制作しています。また、二つの大戦間、そして60年代にワルシャワで盛んであった前衛芸術に、大きな影響を受けています。
今回のトークイベントでは、ポーランド近現代美術研究の第一人者である加須屋明子氏をお迎えし「ポーランドの前衛美術」についてお話しいただきます。モニカ・ソスノフスカの過去の作品も参照しながら、作品の背景や文脈に迫ります。

 

【モニカ・ソスノフスカ展 トークイベント 「ポーランドの前衛美術」】
演題: 自然は無限のデザイン・リソース
「自然界の中に現れるデザインの精妙さに驚くこと(センス・オブ・ワンダー)が科学する心を育て、同時に、芸術にインスピレーションを与え続けている。科学と芸術が同じことを追求しているという事実に触れてみたい。」
【日時】 2015年2月27日(金) 18:40受付開始 19:00~20:30終了予定
【場所】 銀座メゾンエルメス10階 ル・ステュディオ(定員40名)
※受付は銀座メゾンエルメスのソニー通り側1Fとなり、展覧会会場とは別会場になります。
【登壇者】 加須屋明子(かすや あきこ)
【参加方法】本サイトより事前予約 同伴者1名まで予約可

【日時】 2015年2月27日(金) 18:40受付開始 19:00~20:30終了予定
【場所】 銀座メゾンエルメス10階 ル・ステュディオ(定員40名)
※受付は銀座メゾンエルメスのソニー通り側1Fとなり、展覧会会場とは別会場になります。
【登壇者】 加須屋明子(かすや あきこ)
【参加方法】本サイトより事前予約 同伴者1名まで予約可

 

加須屋明子 Akiko Kasuya

1963年兵庫県生まれ。京都市立芸術大学美術学部准教授。国立国際美術館学芸課主任研究員を経て現職。専門は近・現代美術、美学。主な展覧会企画に「芸術と環境」1998年、「いま、話そう」2002年、「転換期の作法」2005年、「龍野アートプロジェクト」2011-14年など。主な著書に『中欧のモダン・アート』(彩流社、2013年、共著)、『中欧の現代美術』(彩流社、2014年、共著)、『ポーランドの前衛美術』(創元社、2014年)など。

 

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