戦後日本資本主義の高度成長によって、日本の国民総生産は資本主義世界で第2位となった。日本独占資本は、ビッグ・ビジネス世界ランキングの上位にひしめきあっている。それに比べ日本の労働者・勤労諸階層の生活水準は先進諸国の後位に留まっている。低賃金に加え、社会保障の著しい立ち遅れ、インフレ、公害に象徴される野放しの企業活動が人々の生活を全く不安定なものにしている。かかる状態からの脱却は労働者を中心とする広範な勤労諸階層自身の団結した闘争によってのみ可能である。
我々医療労働者も長年劣悪な労働条件を強いられてきた。さらに近年医療サ-ビスの需要の増大と医療の「合理化」が進行する中で、その条件はいっそう厳しいものとなっている。医療労働者の悪い労働条件は又貧しい国民医療と表裏一体をなして来た。これに対する労働者勤労階層の本格的な反撃は今ようやく端緒についたところである。
阪南中央病院は民主的な住民本位の医療確立の一端を担うべく、部落解放運動と「青医連運動」をはじめとする民主的医療運動の結合の成果として設立された。それゆえ病院は「住民本位の医療」「非営利主義」を目的にかかげている。だがこの病院が総資本と労働の対立を除く事が出来ないことは言うまでもない。われわれ労働者は生活と権利を守るため独自に組織され闘わなければならない。このことが組合結成の最大の理由であり、組合の第一の課題である。その際われわれは雇用者である理事会に要求実現をせまると同時に、病院の出資者であり、援助義務を負う自治体に対する闘争を組織すること、劣悪な労働条件を根本に於いて作り出している総資本とその政治的代理人の現政府と闘うことが不可欠である。
われわれは、資本に対する労働の力を強めるためには、企業別組合を克服し、全国的産業別・職種別組合が必要であると考える。そのため、給与表に対応する部会を置き、各職種毎の要求を正しく取り上げることが出来るようにする。
われわれは民主的医療運動の前進のために闘うとともに、一般民主主義運動に参加する。とりわけ当病院設立の重要な力であり民主主義運動の一つの試金石である部落解放運動に積極的にとりくむ。
又、われわれは、われわれの組合において婦人が組合員の多数をしめており婦人労働者が男子労働者に比べより劣悪な労働条件を強いられていることを重視し婦人労働者の権利を拡大し労働条件改善のために闘う。
全国の労働者は団結して闘おう!
医療労働者の団結で民主的医療体制を闘いとろう!
1973年10月20日
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