「希望して外国籍取得したら日本国籍失う規定は違憲」との控訴棄却…福岡高裁「選択の機会あり合理的」
自らの希望で外国籍を取得した場合、日本国籍を失うと定めた国籍法の規定は憲法違反として、米国籍を取得した福岡県糸島市の米アリゾナ州弁護士(77)が国に対し、日本国籍があることの確認などを求めた訴訟の控訴審判決が10日、福岡高裁であった。久留島群一裁判長は規定を合憲と判断して請求を退けた1審判決を支持し、原告の控訴を棄却した。
判決では、1審判決同様、自らの意思で外国籍を取得した場合は、日本国籍を喪失すると規定に明示しているため、事前に選択する機会が与えられていると指摘。その後に国籍を選ぶ機会を与える必要性は乏しく、二つの国籍を持つことで生じる弊害を防止するために日本国籍を失わせることは「合理的」と判断した。