鹿児島県日置市で平成30年、親族ら5人を殺害したとして、殺人と死体遺棄の罪に問われ、令和2年12月に1審鹿児島地裁で死刑判決を受けた無職、岩倉知広被告(45)について、福岡高裁宮崎支部(平島正道裁判長)は7日までに、控訴審初公判を30日に期日指定した。弁護側が控訴していた。関係者によると、精神鑑定などに時間を要したという。
弁護側は1審で、妄想性障害による心神耗弱状態で刑事責任能力が低下していたと主張したが、判決は「妄想性障害の影響は軽く、被告の攻撃的で他罰的な性格が大きく影響した」と判断した。
1審判決によると、平成30年3月31日夜~4月1日朝、祖母=当時(89)=方で小言を言われ、祖母と父=同(68)=の首を絞めて殺害し、遺体を山林に遺棄。6日午後には、2人の安否確認に訪れた伯父の妻=同(69)=とその姉=同(72)、近所の男性=同(47)=の首を絞め殺害した。