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『アークザラッド R』大型アップデート直前に伺った、開発者特別座談会・後編―リリース約1年半を振り返った手応えや課題は?

『アークザラッドI・II』を生み出した原作スタッフらと『アークザラッドR』の開発陣による特別座談会後編。アークザラッドの“世界”のこれまでの振り返りと、2月からの新要素「“世界”復興」を絡めた、アークザラッドRの“世界”のこれからについて語っていただきました。

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◆『アークザラッドI・II』のキャラクターたちとの再会を楽しんでもらいたかった


――この約一年半はユーザーからどのような声が多かったですか?

安藤『アークザラッドI・II』を遊んでくれているファンからは「復活してすごく嬉しい」という声がある反面、リリース当初は「これちょっと違うんじゃない?」という意見もありましたよね。それでも『アークザラッド R』を遊んでもらうことで「これはアークザラッドだ」という声がだんだん増えていったと感じています。土田さんなりのゲーム作りや米坂さんのシナリオ、小山さん達が思っていることを表現して来ましたし、それはユーザーにも順々に理解してもらっていると思います。

例えば、最近は新キャラクターのダニーロが実装されましたけど、Twitterでは「こういうキャラが出るのがアークザラッドらしいよね」と言った声が上がっていました。

――土田さんは「大崩壊」の続きをうまく描けたと感じていますか?

土田『アークザラッドII』は続きがすごく作りにくい終わり方をしたので、続編を作る上では本当に苦労しました。新規ユーザーが新主人公の視点で遊べるものにしつつ、『アークザラッドI・II』をやった人がキャラクターと再会した時に彼らの成長を感じられるものにするにはどうしたらいいかを考えたんです。

結果的に、エルクが登場した時に「やっと来た!」と喜んでくれた声があったように、『アークザラッドI・II』のキャラクターが再登場した時のユーザーの反応が良かったので、上手くできたのかなという気はしましたね。


――『アークザラッドI・II』のキャラクターが再登場する順番はどのように練られているのでしょう。

土田ストーリーの盛り上がりのバランスですね。エルクがあのタイミングで出るので、前半はユーザーから支持の強いキャラクターとしてトッシュを起用しようと考えました。ゴーゲンは一旦扱いが難しいなと思ったので、ストーリーを進めながら米坂さんと相談して、ミズハをサポートする役割なので五章から登場させるのがいいんじゃないかといった感じで決めました。

――ブラキアが早い段階から舞台になるのに、グルガがなかなか登場しませんでしたよね。

土田その後の世界を考えた時に、かつての英雄達がそのまま世界を指導しているだけだと変化が出ないじゃないですか。そこで、国によっては英雄が不在になっている事情があって、さらに『アークザラッド R』の伏線になるようにするなど考えました。


その仕掛けの一つがグルガだったんです。グルガがいないブラキアは不安定な状態で、逆にトッシュがいるスメリアは安定した状態から始まっていますよね。ユーザーが国を巡っていく中で、色の違いを感じて欲しかったのが狙いです。

安藤そういう意味では、また、世界復興の話になってしまうんですけど(笑)、世界復興は、土田さんが今お話いただいたように、それぞれの国が現在、どうなっているんだろう?あの英雄やキャラクター達は、今どうしているんだろう?といった、ユーザーの皆さんが知りたい内容を、みんなで一緒に「世界復興」をしながら、確認できるコンテンツです。まだ、ちょっと想像できないかもしれないんですけど。


――SNS上などでかわされるユーザーの様々な意見をどう見ていますか?

小山個人的にSNSで、『アークザラッド』がすごく好きな人達の意見を見て、自分たちはもっとやらなきゃいけないことがあるなと感じました。「このキャラクターはもうちょっとこうしたらいいかな」「本来こうしたかったんだけど表現しきれなかった」みたいな後からの補正をできるタイミングが今なので、そこに着手させて頂いています。

――米坂さんはストーリーを担当するので、一番意見を肌で感じることが多かったのではないでしょうか。

米坂そうですね、私の場合はお話が面白いかどうか皆さんの声がストレートに返ってくるので、いつも戦々恐々としています。ただ今のところ私が考えている続編のテイストをユーザーの皆さんが受け入れてくださっているのをすごく感じられますので、ありがたく思っております。


――新ヒロインのミズハに関しては、当初は否定的な意見も多かった気がします。

米坂最初、ヒロインとしてミズハが受け入れづらいユーザーが多かったのは確かですね。「ミズハは可愛らしさがないよね」という声も上がっていましたが、それもストーリーが進むにつれて、「ミズハはポンコツだけどいろいろ考えていて、可愛らしいじゃないか」という声も多くなってきているのを見て、私としては「してやったり!」という思いですよ(笑)。

◆『アークザラッド R』と『アークザラッドI・II』のシナリオの大きな違い。新規ユーザーに向けて理想的な形とは?


――『アークザラッド R』では敵側の背景やキャラを深く描いていて、対立する側であっても完全な悪ではないキャラクターが多いのも『アークザラッド I・II』との大きな違いでした。

米坂『アークザラッドI・II』では悪は悪だと分かりやすく描いてはいたんですけど、『アークザラッド R』は「本当に悪なのか?」と思えるような、自分の信念をしっかり持ったキャラクターも敵側に置いています。それはなぜかと言うと、物語の後半で色々と話が展開していく中、そういった信念を持つ彼らがどう変わっていくのかを描くための仕掛けになっているんです。

――『アークザラッド R』は『アークザラッドI・II』のキャラクターとの再会を大事にしていたと思うですが、『アークザラッドI・II』をプレイしたことがない新規層に向けて気をつけたことは?


米坂『アークザラッドI・II』を遊んでくれた方が読むと楽しいネタやお話もやっぱり沢山ありまして、私的にはそういうのをふんだんに盛り込みたい所はあるんですけど、新規の方がお話に付いていけなくなるのもまずいので、土田さんと打ち合わせを重ねてバランスに特に気を使いましたね。

土田『アークザラッド』『アークザラッドII』をプレイした人向けの書き方をしないように、すごく米坂さんと何回か序盤の作り直しをする時に話し合いましたね。やりすぎるといけない。『アークザラッド』『アークザラッドII』をプレイした方にはこう見えて欲しいというのはあるんですけど、それを全ユーザーに向けるとすごく押し付けがましくなる。

なので、『アークザラッドI・II』のキャラクターに関しては、新規の方からは全く違う印象に見えても構わないと思い切りました。ストーリーが新規層に染み込んで、自分から気になったキャラクターのエピソードを拾って補完してもらう形にしたほうがは情報としてはいいんですよ。その部分では、ストーリーは理想的な形でここまで進められたと思っています。

◆これからの『アークザラッド R』について


――ストーリーについて、ユーザーの皆様に好評いただいている、『アークザラッド R』ですが、今後に関しては、どんなことを目指していきますか?

安藤『アークザラッド』は、『I・II』から繋がってきた様々なストーリーが連なって、世界が形づくられてきた歴史のあるコンテンツです。『R』を遊んでくださっているユーザーの皆様にも、その部分を楽しんでもらえていると感じています。
今後は、衣装変更、装備改造、記憶浄化に加えて、世界復興、そしてその後に続くコンテンツで、皆さんと一緒に『アークザラッド』の未来をつくっていきたい。と思ってます。ぜひご期待ください。


『アークザラッド R』は好評配信中。基本プレイ無料のアイテム課金制です。


(C)Sony Interactive Entertainment Inc. (C)2018 ForwardWorks Corporation.
Developed by AltPlus Inc.
《乃木章》

現場に足を運びたい 乃木章

フリーランスのライター・カメラマン。アニメ・ゲームを中心に、親和性のあるコスプレやロリータ・ファッションまで取材。主に中国市場を中心に取り上げています。

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