「大崩壊」から復興しつつある世界に再び危機が訪れ、主人公たちが世界を救った英雄たちとともに冒険を繰り広げて来ました。ストーリーはいよいよ佳境に入って目が離せない状況です。このタイミングでのリニューアルは、「ストーリー」という縦軸だけではなく、「バトル」「ゲームシステム」「設定(人物、群像劇)」など様々な要素を広げることで横軸でもユーザーに楽しんでもらうことを目的としています。
そこで、『I・II』を生み出した原作スタッフらと『R』の開発陣による特別座談会を再び開催。1年4か月の振り返りと、Ver2.0から実施される新要素「記憶・浄化」「装備改造」「衣装変更」「世界復興(Ver.2.5実装)」の説明と狙い、2 パートに分けてお届けします。
後編となる本稿では、『アークザラッド』の“世界”のこれまでの振り返りと、2月からの新要素「“世界”復興」を絡めた、『アークザラッド R』の“世界”のこれからについて語っていただきました。
前編はこちら
■スタッフ紹介
●原作スタッフ
土田俊郎企画・原案・ゲームデザインを担当。『アークザラッド R』を作り出す上での世界観やゲームデザイン全てを統括する。
米坂典彦世界観やキャラクターの設定、シナリオなどのテキスト周り全般を担当。
小山英二アート原案・監修を担当。土田氏や米坂氏らと共にキャラクター設定や企画を推進。背景アートなどソースとなる2Dのビジュアルシーン(イラスト)を主に仕上げる。
●『アークザラッド R』から開発に関わるスタッフ
安藤浩之『アークザラッド R』のクリエイティブディレクターとして全体を統括
西川ヤスヒロ『アークザラッドI・II』のキャラクターのリデザインや今作の主人公・ハルトやヒロインのミズハなどの新キャラクター、あとモンスターを含めた全てのキャラクターデザインを担当。
キービジュアルのイラストも制作。
望月『アークザラッド R』の一部キャラクターのデザインや、衣装替えのデザインを担当。
南 3Dモデルやモーション、ストーリームービーやモンスターアクションの作成などを担当
◆原作スタッフの関わり方はどう変わったのか?
――早速ですがリリースからの約1年4ヶ月を振り返っていかがですか?
安藤浩之(以下、安藤)『アークザラッド』シリーズは、『I・II』から続くファンによって支えられてきたコンテンツです。最新作『アークザラッドR』をリリースして約1年半が経過しましたが、その熱気のおかげでここまで来ることができました。一方で、『アークザラッド』シリーズを遊んだファンの中には、それぞれの『アークザラッド』への想いがあったと思います。ユーザーから評判が良くない部分もあったのも理解した上で、開発時に大事にしようと決めたことをもう一度整理して、ユーザーにお届けしたい気持ちは強いです。
――原作スタッフの皆さんの関わり方の変化を教えてください。
土田俊郎(以下、土田)リリース時は第三章までストーリーが実装されていたので、第四章が作れるような段取りをしてから、原作者として定期的に監修する立場に移行しました。
――第五章からは現場で直接指示を出さなくなったという意味ですか?
土田そうですね。第四章まではシナリオを細かくチェックし、グラフィックの発注もし、世界設定に合わせたアートの依頼では、2Dと3Dのどちらで見せるかなど全部を決めていました。自分がチーム内で直接指示を出さなくても大丈夫な所まで道筋を立てたので、第五章からはコンセプトのすり合わせの後は出来上がったものを確認し、さらに楽しんでいただけるよう、米坂さんとメインストーリーやキャラクターに関して打ち合わせしています。
小山英二(以下、小山)私は第四章までは『アークザラッド R』の2Dのビジュアルシーンなどを新たにデザインしていましたが、第五章からは『アークザラッドI・II』の過去シーンが頻繁に出てくるんですね。なので、20数年前に私が描いたものをもう一度描いています。昔の名所巡りみたいな感じで、「ああ、こんなんだったよね」と当時の気分で描いています(笑)。
それもやりつつ、キャラクターデザインの部分で原作のキャラクターがクローズアップされた時に、「こうだったんだよね」など色々と意見をさせてもらっています。
米坂典彦(以下、米坂)私は配信前とあまり変わっていなくて(笑)、ユーザーさんに喜んでもらえるよう一生懸命シナリオを書き続けています。メイン、キャラクター、イベントなど流石にストーリーの文量が多くなってきたので、泣きながら書いています(笑)。
小山付き合い悪くなっちゃって(笑)。
――メインストーリーでは『I・II』と絡む話も増えていますよね。過去と現在を繋げる上で設定を練り直す部分もありそうですね。
米坂もちろん、付け加えた部分もあるんですけど、基本は『アークザラッド I・II』制作時に皆で考えていたことを掘り返し、当時ユーザーに伝えられなかった部分を解像度を上げて伝えています。なので、全部が全部新しく考えたわけではないです。
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