京都府南丹市美山町板橋にある同町唯一のコンビニエンスストアが、オーナーの病気による約10カ月の休業を乗り越え、近所の男性に引き継がれて4月12日に再オープンした。周りに商店がほぼなく、高齢化も進む中、「暮らしを支えたい」との思いで、前身の酒屋を含めれば約100年続く老舗を継ぐ。観光客の利用も多く、美山の特産品を並べるなど、地元に根付く店作りを進める。
店は「Yショップやまよ京都美山店」。元々は酒屋「板橋やまよ商店」だったが、1997年、3代目の覗渕義洋さん(62)がコンビニへ転換した。
2キロ南東に神楽坂トンネルが開通した年で、府道沿いの好立地から、美山町と南丹市園部町や京都府亀岡市を行き来する人、京都市と日本海側を行き交う行楽客も取り込んだ。美山町初のコンビニとして親しまれ、にぎわってきた。
だが、2023年6月に覗渕さんが心臓の不調で急きょ2カ月入院し、休業に入った。退院後も通院が続き、「店を続けるのは難しい」と悩んでいた。
買い物や公共料金の支払いに来た高齢者、営業時間の長い貴重な店として朝夕に寄っていた通勤通学の客が不便を感じる中、近所の中島和行さん(41)が「店を必要とする人がいる」と継承を申し出た。覗渕さんも、顔なじみからの提案に「安心して任せられる」と快諾した。
パンや菓子、ゴミ袋、冷凍食品などコンビニらしい品ぞろえに加え、観光客向けにバーベキュー用品や地元名産の牛乳、卵も置く。コーヒーマシンには、同町の寶泉(ほうせん)寺が営むカフェ「福寿庵」が焙煎(ばいせん)した豆を入れ、美山の味を楽しめる工夫をした。
店名は長年親しまれてきた「やまよ」を残す。中島さんは「地域のニーズに応え、愛される店にしたい」と意気込んでいる。
第2、4水曜定休。午前7時~午後8時。