阪神タイガース

【「鬼筆」越後屋のトラ漫遊記】短期集中連載『闘将が虎を抱きしめた夜』島野案も岡田案も仰木案も消滅 運命のファイナルアンサー

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海老沢勝二・NHK会長(右)と握手する阪神・久万俊二郎オーナー(左)(撮影は2001年12月14日)

藤田平さんは1995年のシーズン途中、成績不振で途中休養した中村勝広監督を継いで監督に昇格。しかし、翌年の96年に成績不振や戦力編成をめぐる球団との対立の結果、シーズン途中で休養を命じられた。すると球団事務所に12時間も〝籠城〟して抗戦した。あの当時のタイガースは戦力も弱体化している上に、球団幹部があからさまに監督の〝抵抗勢力〟と化すなど、問題山積だった。藤田平さんが激怒するのも当然のチーム体質ではあったが、球団側から見れば「手に負えない監督」の評価となるのだろう…。立場による見解の相違である。

そして…。久万オーナーはしばらく沈黙した上でこう切り出した。

「あなた、もう一度だけ聞いてもらえませんか。星野さんにもう一度だけ、阪神に来てはもらえないか…聞いてください。これが最後です。ファイナルアンサーで…」

「もう一度ですか…」

破談となった経緯を知っているだけにこちらも沈黙するしかない。それでも乗りかかった船は大波に揺られて、着岸できる港も見当たらない。「わかりました…。待っていてください」。そう言うしかなかったと記憶している。

■星野さんが出した条件

しばらく心を整理して何日か後、午後11時を過ぎた頃だった。お酒の力も借りて闘将の携帯に電話した。

「なんや?」。意外とすぐに電話に出てきた。

「お疲れさまです。今どこですか? 大丈夫ですか」

「おうっ。あれからワシはハワイに行ってたんや。身も心もリフレッシュしたぞ。ゴルフも行ったわ」

「そうなんですか」

「昨日、帰ってきたばかりや。それはそうと、阪神の監督はどないなったんや? 仰木か? 岡田は無理やろ?」

「それがその…。まだ決まってなくて…。オーナーは岡田はいいけど、仰木は嫌やと…。野崎さんは仰木でやりたくて、岡田は嫌やと…」

「なんや、まだそんなところをウロウロしとんのか…。阪神タイガースやのうぉ」

「それでその…。オーナーに頼まれて電話してるんですけど、『もう一回聞いてくれ』と…。監督…阪神の監督を引き受けてもらえませんか。後生ですわ。これがファイナルアンサーです。頼んますわ」

しばらく沈黙すると…。

「よしゃ! わかった、受けたるわ。そやけど条件がある。じいさんに名古屋に来て、ワシに頭を下げてくれるように言うてくれ。それから中日新聞社の白井オーナーとNHK(解説就任予定だった)にも筋を通してくれ。それが条件や」

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10月3日

10月3日 21時17分 更新
【終了】◇開始18時00分◇横浜
チーム123456789
阪神0000300003
DeNA0000001001

[勝敗]勝: 大竹 耕太郎 (11勝7敗)、S: 石井 大智 (1勝1敗1S)、敗: アンソニー ケイ (6勝9敗)

【阪神】大竹 耕太郎、岡留 英貴、富田 蓮、島本 浩也、石井 大智-坂本 誠志郎

【DeNA】アンソニー ケイ、上茶谷 大河、中川 颯、堀岡 隼人-伊藤 光、松尾 汐恩

公示 10月11日

抹消

なし

予告先発10月12日甲子園

阪神

才木 浩人(13勝0敗 防御率1.83)

DeNA

東 克樹(13勝0敗 防御率2.16)

阪神

投手成績

防御率村上 頌樹1.75
勝率伊藤 将司.667
勝利大竹 耕太郎12
セーブ岩崎 優35
HP岩貞 祐太24
奪三振村上 頌樹137

打者成績

打率大山 悠輔.288
安打中野 拓夢164
本塁打佐藤 輝明24
打点佐藤 輝明92
出塁率大山 悠輔.403
盗塁近本 光司28

セ・リーグ

投手成績

防御率髙橋 宏斗(中日)1.38
勝率菅野 智之(巨人).833
勝利菅野 智之(巨人)15
セーブR・マルティネス(中日)43
HP松山 晋也(中日)41
奪三振戸郷 翔征(巨人)156

打者成績

打率オースティン タイラー(DeNA).316
安打長岡 秀樹(ヤクルト)163
本塁打村上 宗隆(ヤクルト)33
打点村上 宗隆(ヤクルト)86
出塁率サンタナ(ヤクルト).399
盗塁近本 光司(阪神)19

番記者

プロフィール

1994(平成6)年生まれ、広島県出身。2017年入社。入社後、アマ野球などを経て、18年からゴルフ担当。20年から阪神担当。佐藤輝や近本ら、主に野手をメインに取材。趣味はゴルフと麻雀。スコア100切りと九蓮宝燈をあがることが人生の目標。

プロフィール

1964(昭和39)年8月25日生まれ、徳島県出身。1988年入社。サンスポから夕刊フジ(阪神、相撲、事件報道担当)産経新聞(阪神担当)などを経て、10年サンスポへ。デスク、評論家、中日担当を経て20年阪神復帰。趣味は温泉巡り、将棋。

プロフィール

1994(平成6)年生まれ。大阪・高石市出身。2018年入社。22年までサッカー担当としてW杯カタール大会を現地取材し、ドーハで日本の大金星やアルゼンチンの優勝を見届ける。23年より阪神担当。心のクラブはアーセナル。

プロフィール

中屋 友那(なかや・ゆうな)2000(平成12)年生まれ。高知県四万十市出身。2023年に入社し、阪神担当。大学まで野球部に所属し、高知中3年時にUー15(15歳以下)日本代表に選出され、高知高3年時には投手として第90回選抜大会にも出場。人生の構成要素はサザンオールスターズとジブリ映画。

プロフィール

1987(昭和62)年6月22日生まれ、沖縄県出身。2013年入社。同年相撲・ボクシング担当。16年から阪神担当。その後阪神、相撲担当を行き来。20年はゴルフ担当も。趣味は欧州サッカーからアニメ鑑賞までいろいろ。

プロフィール

1993(平成5)年生まれ、滋賀県出身。2016年入社。アマチュア野球担当、中日担当を歴任し、阪神担当に新任。趣味はつけ麺店巡り。いきものがかりの大ファン。ツイッターアカウント「@sanspo_sdosan」はのんびり更新中

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