明神水産株式会社
1959年創業、鰹一本釣り漁業の老舗。
明神丸初代船頭「明神亀次」が創業した明神水産は、今や日本一の鰹漁業会社へと成長。一本の釣竿で鰹を釣り上げる、土佐伝統の「一本釣り漁」を創業当時から引き継ぎ、高知の食文化を支えています。
初代佐賀明神丸船頭
明神 亀次
明神丸の創業者「明神亀次」は漁師の家に生まれ、自身も漁にでる傍ら石油会社日に勤めていました。その時の真面目な人柄が認められ、勤めていた石油会社社長に資金を借り、船頭として漁を始めたのが現在の明神丸のはじまりです。亀次は佐賀漁港に伝わる伝統の一本釣り漁法を守り続け日々漁に励みました。それは、きれいに釣り上げることで鰹の鮮度を保てるからと、必要以上に獲り過ぎないことが理由です。亀次の創業から半世紀以上経つ現在、その孫の世代になっても、一本釣りにこだわる本物の漁師としてのこだわりは受け継がれています。
現代の佐賀明神丸で活躍する凄腕漁師陣
土佐の一本釣り藁焼き鰹たたきを全国へ
鰹一本釣り鰹漁の会社として始まった明神水産は、昭和61年に水産物の加工販売を開始。本場高知の「藁焼き鰹たたき」の美味しさをもっと知ってほしい!という思いから、「一本釣り藁焼き鰹たたき」を全国へお届けしています。
明神ファーム
藁焼きに必要不可欠な「藁」を自分たちで作っています。
明神丸では鰹のたたきは「藁焼き」にこだわっています。そうすると藁へのこだわりもが強くなるのも必然。良質な藁は炎が安定しており、燃え上がりも違います。当然、焼き上がりにも影響するので、美味しい「鰹のたたき」を安定して提供するために、良質な藁は欠かせない存在なのです。
高知県黒潮町の稲田の風景
昔ながらの自然の風景を残すために活動。
高知県はその面積の84%を森に囲まれ、四万十川・仁淀川と水質の高い川を擁する自然に恵まれた土地です。雨量も豊富で、昔から良質なお米が作られていました。しかし農業生産者の高齢化や後継者不足などにより、多くの棚田が失われてもいました。明神ファームが農業を始めたきっかけは、「藁焼きたたき」に使う良質な藁を確保するためでした。 休耕田を借り受け、近隣の農家の方から農作の仕事を教えてもらいながら、荒れた棚田を再び拓き稲を植え、土作り・米作りから始めました。古くから行ってきた伝統的な藁を乾かす「稲木」などの作業も教えてもらい、良いものを継承するよう大切に作っています。米作りにも妥協はしません。栽培したお米はブランド米「佐賀明神米」として名を馳せています。2014年には農業法人を設立して、お米だけではなく野菜も育てて始めました。美味しい鰹のたたきを提供するのために取り組み始めた活動は、地元の人々の協力のもと「美しい風景と、継続できる暮らし」を創る活動を目指して拡がりつつあります。
ブランド米「佐賀明神米」
藁が結ぶ、海と山の環境にいいサイクル
こうしてできた米とその藁で焼いた鰹のたたきは、まさに海と山の最高のコンビ。焼いたあとに出る藁灰は肥料として使うなど、リサイクルにも貢献しています。