「撮影の裏話」が聞けるツアー
YCAMシネマには一般的な映画館とは違った魅力があるといいます。独立したミニシアター、いわゆる単館系で自由度が高い作品の上映が可能です。社会問題や歴史を学べる特集上映やアート系、ドキュメンタリーといった一般の映画館では上映される機会が少ない、さまざまな作品を前原さんが選びます。その活動は、上映だけにとどまりません。
監督自身が解説するファンにとってはたまらないツアーも映画祭では企画されます。
「夜明けのすべて」三宅唱監督
「短いシーンですから撮影当日のスケジュール上もそんなに時間を与えられてなかったんですね。当日改めて考えたらこれめちゃくちゃ重要なシーンじゃん。この映画の中でと」
撮影の裏話も披露されました。
バックステージツアーに参加した人
「そんなに音に注目して今まで映画を見たことがなかったなっていうふうに感じて。お話を聞いてすごく一つ一つこだわっているんだなって発見があって、これから映画を見るときに音っていう見る視点を新たに得たような気分です」
まちの「アートセンター」として
今年の爆音映画祭では3日間で13作品が上映されました。
前原さん
「山口市内には今、民間の映画館は一軒もなくなってしまったので、まちの映画館の役割っていうのもありますし、アートセンターですのでアートにかかわる映画を中心にみなさんに見ていただきたい、こういう世界もあったんだなっていう、また新たな発見をしていただけるような映画を上映していきたいと思っています」
「映画の宣伝費がたくさんかけられている作品ばかりが有名になりがちですけれども小さい作品も拾っていってYCAMシネマだからっちょっと見てみようかっていう、みなさんの興味を引くように、これからも仕掛けていきたいと思っています」
今後も映画の企画が盛りだくさんです。10月に「戦後の復興と家族」をテーマにした作品が上映されるほか、来年には、世界の短編映画を上映するショートフィルムフェスティバルも予定されています。山口で映画文化をつむぎ続けるために。文化、情報の拠点から発信は続きます。