【創作向け】これから「銃器のカップリング」の話をしよう
はじめに(免責事項)
皆さんは、もう銃のことに詳しくなりましたか?
恐らく、「記号や数字ばかりで全然頭に入ってこない…」「専門用語が多くて難しい…」「そもそも銃自体に興味を持てない…」と、お悩みの方も多くいらっしゃると思います。
でも、安心してください。そんな方でも銃のことに興味を持って、簡単に覚えられてしまう方法があるんです!
それは…
銃器でカップリング萌えしてしまうことです。
筆者は十数年近く銃器のカップリング萌え妄想だけで生きてきた実績がありますので、その点はどうぞ信頼してください。
人殺しの道具に「萌え」を見出すなんて倫理的に正しくないのでは? と思われるかもしれませんが、大丈夫! そもそも、私たちがコミットメントする近代社会や国民国家、経済や都市のシステムも、暴力の主体として様々な生命存在や人間の権利などを侵害・軽視・蹂躙・搾取・藐忽しています。
ホッブズによれば、それらの国家やシステムに移譲・委託された暴力の所在の由来は、私たち市民のものだったと言えます。私たちは私たちの暴力性を国家に移譲し、軍隊や警察などの暴力装置として機能させています。
私たちの市民生活は、暴力の疎外や輸出、外部委託によって成立しているものです。銃はその表現型のひとつに過ぎません。暴力は私たち人類の歴史そのものであり、生命活動とは経済・環境システムの循環そのものです。
確かに暴力にも国籍があります。しかしながら世界には現在10億挺の銃が存在し、その8割以上は民間所有とも言われます。人類は火を発明し、夜や自然、外的の恐怖から身を守るために共同体あるいは国家を作ったり、あるいは道具を活用して、戦争と平和を繰り返してきました。
銃は支配のための道具であり、暴力の具現でもあります。
植民地主義、帝国主義によって列強は各国に軍隊を配備しましたし、東西冷戦でも両陣営は自分たちの規格に合った銃器や製造設備を同盟国に供与して、銃はそれらに付随して伝播し、その生態圏を広げました。
銃はかつて存在した支配の残滓でもあり、また現存する抑圧の表現形でもあります。つまり、銃=支配=暴力にも国籍があるということです。
要するに私はシステムや暴力を憎むが、銃の事は好きだから困っています。
免責事項:この記事は個人・企業・法人・組織・団体・国家など、あらゆる主体によるあらゆる形態の暴力を、肯定するものではありません。
思えば、忌々しい銃弾は常に決め手となる。サライェヴォからダラスに至るまで。銃弾に言い訳などない。協定、条約、あらゆる善意の努力、あらゆる戯言! インチキだ! 火薬の発明以来、あらゆる紛争の始まりと終わりを本当に決めるのは一発の銃弾の弾道だ。
銃器のカップリングとは?
どんなカップリングにするかは君次第だ!
銃は、商品であると同時に軍備である。商品として捉える場合は同業他社どうしの対立構造、軍備として捉える場合は敵対関係にある国家どうしの対立構造が存在する。
対立構造があるということは、そこに関係性があるということです。
もう全てお分かりになったかと思いますが、いちおう念のため続けます。
■ライバル関係
ルガーP08とコルトM1911は、20世紀初頭に米軍の制式拳銃の座を競い合ったライバルでもある。また世界大戦において、二度にわたってアメリカとドイツの拳銃として対立する関係でもあった。例えるなら、往年の大御所、スター俳優のような印象。
80~90年代の映画で使用され有名になったベレッタ92とグロックは、その対照性からライバル関係のように扱われることが多かった。ヒーローがベレッタを持ち、悪役がグロックを持つというのが定番でもあった。
アメリカのコルト社とS&W社は……19世紀以来のライバル企業である。時代によっても異なるが、ダブルアクショントリガーのスムーズさに定評のあるS&W社に対して、コルト社は仕上げなどの高級路線を打ち出していた。
命中精度は私以上、反動は私以下、そんな銃がMP7ちゃんです。あんなに小さいのに頑張り屋さんなんですよ。ライバルであるFN社のP90さんに負けないよう応援してます。
— MP5@あなたのTLに舞い降りた天使 (@HK_MP5A5bot) April 2, 2023
このようなライバル関係の銃は、主人公キャラとライバルキャラに持たせたりすると良いと思う。そのようにしてキャラ同士の関係性を深められる。
■血縁関係
また銃器には血縁関係もある。設計者が同じであるとか、ライセンス生産やコピーされたり、構造を参照されているなどの関係がこれに当てはまる。
たとえば、ワルサーP38とベレッタ92には血縁関係がある。ベレッタ92は閉鎖機構やダブルアクション機構、デコッキング機能を持つ安全装置などをワルサーP38から参照している。スライドを大きく切り欠いてバレルを露出させたデザインも、何となく類似している。
ブラジルのタウルス(トーラス)PT92は、イタリアのベレッタ92のライセンス生産モデルである。米軍に採用されたM9拳銃は92FSというスライド上に安全装置があるモデルであるのに対し、PT92はフレームに安全装置のある最初期モデルのライセンス生産品となっている。
アメリカでもPT92は安価さや、今でも根強い人気を持つコルト1911と同じようにコック&ロックできる安全装置などが一定層に好まれた。
ベレッタ92はもとより、コルト1911、シグ226、Cz75、グロック17などは各国でクローン品やコピーモデルが製造されている。複数の銃の特徴を混ぜ合わせて作られたような銃が販売されることも、しばしばある。
M16(AR15)と同じユージーン・ストーナーによって開発されたアーマライトAR-18は、それ自体は広く採用されなかったが、その構造は様々な銃に参照され、開発の参考とされた。
日本の自衛隊の89式小銃も、AR-18を参考にして設計された親戚関係である。豊和工業は一時期AR-18をライセンス生産していた。
ドイツのG36小銃やオーストリアのステアーAUGも外見上は似ているように見えないが……内部構造はAR-18に影響されている。というか現代の突撃銃の多くはAR-15(M16)かAR-18、そうでなければ東側のAK-47を参考にしているものが多い。
西ドイツのH&K G3はスペインのセトメ・ライフルを原型にしている。
H&K MP5サブマシンガンは、G3ライフルの9mm口径バージョンと言える。G3のローラー遅延ブローバック機構をスケールダウンし、精度に有利な構造(クローズドボルト、フリーフローティングなど)を引き継いだ。
MP5自体にも抑声器を内蔵するMP5SD、小型モデルのMP5K(クルツ)などのバリアントが存在する。
7.62x51mm口径のG3、9x19mm口径のMP5に加え、5.56x45mm口径のHK33やHK53なども存在する。このように一つの銃を基に同じ機構で様々なバリアントを用意すると、銃の操作・分解整備方法などの訓練を一元化できるなどのメリットもある。
MP5は軍・警察用サブマシンガンとして広く普及したため、H&K UMPやスコーピオンEVOなどのMP5以後のサブマシンガンの操作体系もMP5を意識されているなど、直接の血縁関係はなくともMP5の影響下にある。
H&Kの銃器たちはみんな私の血縁なんですよ。大家族です。
— MP5@あなたのTLに舞い降りた天使 (@HK_MP5A5bot) March 27, 2023
作動機構に関しては、この記事でも別のアプローチで掘り下げています。
■銃の世代
9mm口径・複列弾倉・ダブルアクション式の特徴を備えた自動拳銃であるシグ226、ベレッタ92、Cz75、グロック17は80年代に「ワンダー9」と呼ばれ、すなわちほぼ同世代の同期・同級生と言える。これらが広くコピーされ普及したことを考えれば、これはアイドルユニットかもしれない(?)。
三大突撃銃であるアメリカのM16、ソ連のAK47、ドイツのG3は……その意味でカップリングも多い。米ソのM16とAK47など冷戦時代は敵対関係だったが、冷戦崩壊後の対テロ戦争において米軍がM16系、各国PMCが(弾薬・パーツの融通から)AK系を使用する共闘関係になったこともあった。
昨日の敵が今日の戦友になる展開は、皆好きだと思う。そういう歴史的背景もどうぞ加味していってください。
銃の世代差は、見た目にも出る。素材だけを見てもいわゆる「木と鉄」のものから、軽合金を使用したもの、それからポリマーを使用したものと時代が下っていく。最新の銃に対してレトロな外見をした銃を対比させると、その銃を持ったキャラクターのベテラン感や老兵っぽさが出るかもしれない。
近年では銃が迷彩効果のあるODカラーやTANカラーをしている事は珍しくなくなったが、現代(2020年代)では拳銃にドットサイトを載せることも、かなり一般的になった。
■メインアームとサイドアーム
銃にはライフルなどのメインアームと、バックアップとしての拳銃などのサイドアームの概念が存在する。これもまたカップリング(組み合わせ)の対象である。例えば米軍のコルトM4カービンとベレッタM9拳銃のカップリングは、王道中の王道であると言える。
サブマシンガンとハンドガンは、どちらも拳銃弾を使用する。これは兵站や補給の都合上、同じ弾薬を使用するモデルを組み合わせることが多い。
古くは19世紀、いわゆる西部劇の時代に同じ弾薬を使用したウィンチェスター銃とリボルバー拳銃に由来する。携行している拳銃と同じ弾薬を使用するカービンのことを、コンパニオン・カービンとも呼称する。
……だが、あえて異なる弾薬にすることも、それはそれで萌えである。これは弾薬に起因する銃の性能差と役割の違いが、一種の体格差萌えのような味わいを生み出している。
異なる弾薬や銃種――たとえば近接戦闘に強いショットガンが、アサルトライフルやサブマシンガンのサイドアームとして装備されることも考えられる。そこにバックアップの拳銃も加わると……組み合わせは無限大である。
切り詰められたソードオフ・ショットガンやショートバレル・ショットガンがサイドアームとして装備されることも充分に考えられる。
少し話はズレるが、刀をメインに使用するキャラやスナイパーライフルをメインに使用する狙撃手のキャラであっても、お守り程度にサイドアームの拳銃を提げているだけで、グッと警察っぽさやミリタリー感が増すと思う。
■部隊における役割の違い
1/ The 🇺🇸 U.S. Army Rifle Squad organization and equipment after the fielding of the M110A1 SDMR and M17 pistols to Squad/Team Leaders.
— Battle Order (@battle_order) August 25, 2023
Now available as a poster: https://t.co/Fpiddqr7Xw pic.twitter.com/OV1mpcAV4v
2/ In terms of structure, the light infantry's Rifle Squad hasn't really changed since 1985, but there have been some recent changes in equipment since the last time I did this graphic ~4 years ago. pic.twitter.com/Bwd6i32x0x
— Battle Order (@battle_order) August 25, 2023
また、部隊内でもカップリング(組み合わせ)の概念は成立する。
国や時代によっても異なるが、現代の軍隊の小銃分隊ではアサルトライフルのような主力小銃を基本に、グレネードランチャーを装備する擲弾手、分隊支援火器などの軽機関銃を装備する機関銃手、マークスマン・ライフルを装備する選抜射手が配置されていることが多い。
この火力のバランスのよい配置は、すなわち互いに互いを支え合う関係性である。メインとなるアサルトライフルを基準に、範囲攻撃できるグレネードランチャー、援護射撃に長けた軽機関銃、射程と精度に優れた狙撃銃……という組み合わせを考えていくと、これは創作上のバトル演出におけるキャラ付けと関係性にも応用できることが分かる。
筆者は、この写真を見て脳をやられた事があった。紛争地帯の定番である頑丈で質実剛健なAKMと、特殊部隊のイメージも強い……ある種繊細で精密なMP5Kのカップリングは、その時まであまり想像したことがなかった。
だがドイツのH&K社の銃器はトルコのMKEK社などでもライセンス生産されており、H&K G3やMP5のバリアントは中南米・中東・アフリカなどの紛争地帯でも広く普及している。だからAK系とMP5/G3系のカップリングは……実はアリアリのアリなのだということを思い知らされたのだった。
これは2011年にドイツ警察がアフガニスタンの女性警察官にグロックの射撃指導をしている様子。恐らく当時のアフガンではM16ライフルやAK47などをメインに装備していると考えられ……このような写真は当時サイドアームにグロックが使用されていたであろう証左にもなる。
筆者の好きな組み合わせの例など
自分は趣味で小説を書いたりもしているので、登場させる銃も必然的に自分の趣味になる。やはりそこにキャラクター同士の関係性を盛り込むことも多いです。
■コルトSAA✕ルガーP08
これは、愛称に由来するライバル関係です。どちらも19世紀の拳銃だが、アメリカ製のコルトSAAはピースメイカー(平和製造機)と呼ばれ、ドイツのルガーP08はパラベラム・ピストル(Para Bellum=戦争に備えよ)と呼ばれる。これは、どちらも平和に関係する愛称である。
自分はこれらを、小説の一場面で早撃ち対決させる形式を取った。コルトSAAが西部劇やマカロニウエスタンで広く使用されたイメージに由来する。
■M1カービン✕トンプソンM1928✕SKS✕PPSh41
これは第二次大戦と冷戦初期のアメリカとソ連を象徴するサブマシンガンであるが……どちらもドラム弾倉を使用し、楽器の愛称を持っていることが萌えポイントである。トンプソン短機関銃は「シカゴピアノ」と呼ばれ、PPSh-41は「マンドリン」「バラライカ」の愛称を持っている。
これらはM1カービンやSKSと組み合わせると、冷戦期に東西の同盟国に供与された感が増すと思う。基本的にはこういう二線級火器のことが好きだ。
また参考までに、当時の対戦車兵器である「バズーカ」の愛称も元は楽器の名前である……楽器の愛称を持つ武器というのは、やはり銃声のイメージからか、いくつか連想されたりする。
DP28デグチャレフ軽機関銃は「レコードプレイヤー」の愛称を持つ。
19世紀半ばには雷管式リボルバーとほぼ同時期に、ハーモニカ銃も登場した。金属製薬莢の登場と共に廃れた形式の銃。
古くは、初期の散弾銃であるラッパ銃ことブランダーバスも楽器の名前を持っている。ブランダーバスとは「雷鳴のパイプ」の語源を持つ造語。
■モーゼルC96✕ベルグマン・バヤール✕ウィンチェスター1895
モーゼルC96こと『ブルーム・ハンドル』(ホウキの柄)を、魔女のホウキと関連付けて魔女のキャラクターに持たせるところから発想している。
サイドキックの魔女のキャラクターにもC96カービンを持たせる想定だったのだが……味気ないかと思って、直前で別の銃を持たせることにした。それがベルグマン・バヤール(魔法の馬)と『ビッグ・メディスン』ことウィンチェスターM1895。魔女の杖っぽいイメージが合っているかなと思った。
それに加えて、これらの銃に黄金の象篏を施したらより魔女っぽいかなと思ってそう設定した。『魔弾の射手』みたいなイメージで。実は文様が術式になっていて実弾でなく魔法の弾を発射していてもいいんじゃないかとは思っていた(リアリティラインの関係から、小説には書かなかった)。
■ツァスタバM59/66(SKS)✕スターリングSMG
ものすごく冷戦期の赤道アフリカおよび中東地域の代理戦争感がする組み合わせだと思う。特にアンゴラ、コンゴ、ザンビア、イラン、イラクとか。SKSは中国のノリンコ56式半自動歩槍でもいいのだが、ツァスタバM59/66のガスカット機能を備えたグレネードランチャーサイトが好きなのでそれにした。イラクはツァスタバ製の小火器をライセンス生産していたし。
■H&K G3✕FA-MAS
そもそも歴史的にドイツとフランスは仲が悪い。そうでなくとも対象的に語られることが多い。都会のパリに対してドイツは辺境としてイメージされる事が多く……言語もロマンス語系とゲルマン語系で異なっている。
H&K G3とFA-MASは対照的な銃だ。G3は長射程・高威力を持つフルサイズ弾薬である7.62x51mm弾を使用し、FA-MASは5.56x45mm弾を使用する。前者は反動がキツく主にセミオートで運用されるのに対し、FA-MASは毎分1000発という連射速度の速さを特徴の一つとしている。
それなのに両者とも遅延ブローバック式で作動しているのが萌えである。作動機構が同じってことは、真逆の性格なのに内面の思考回路が似てるってこと(?)。そもそもこういう突撃銃はガス圧作動式のものが多いので、ブローバック式の突撃銃というのが珍しいのだが、そこでドイツ・フランス両国が遅延ブローバック式の突撃銃を採用していたという点が関係性萌えポイントになる(厳密に言えば遅延方式が異なるのだが)。
性能的にも、フルサイズ弾薬を使用するG3と小口径高速弾を使用するFA-MASとで体格の違いが出ている。ブルパップ方式を採用しており近接戦闘に強いFA-MASが、長射程・高精度のG3に遠距離でカバーされて互いにいがみ合う展開があるよね。っていうか私は見たことがある。たぶん夢の中で。皆さんも見出してみてください。
■H&K G36✕HSプロダクト VHS-2
これはもう、VHS-2のデザインがG36リスペクトすぎると思います。動画だとM16のSTANAG弾倉を使っているが、通常のVHS-2はG36の弾倉を使用するようデザインされている。これはクロアチア軍にもともとG36が一部配備されていたためで、弾倉の互換性を考えての設計だった。
イラクのクルド人部隊(ペシュメルガ)にドイツのG36突撃銃は供給されており、イラク治安部隊でもVHS-2が使用されているらしい。
今やドイツ連邦軍もフランス軍もHK416を使用するようになっており……自分はドイツ軍がHK416でも構わないのだがフランス軍がVHS-2を採用する世界線に生まれたかった……。
■スタームルガーKP95PR ✕ H&K MP5A5
自創作で出した中では、これが最推しかも。これはメインアームとサイドアームの関係性。ただしこれを持っているキャラクターは刑事だったので、携帯に向いている拳銃がメインアームで非常時に持ち出すサブガン(サブマシンガンのこと)がサイドになっているという点が萌えポイント。
これは全体で考える関係性なので説明が難しいのだが、このキャラがスタームルガーP95とH&K MP5をチョイスする必然性を組み立てていった。
まずこのキャラは幼少期に森でハンターをしていたという設定で、ロシア人の父親を持つ。銃の趣味は父親の影響下にある。ソ連製銃器とスタームルガーには、どちらも安価で質実剛健という似た印象のイメージがある。
また拳銃に関しても、BDA380で慣れていたため外部ハンマー式のデコッカーセイフティを備えるダブルアクション式オートを好むということに設定した。制服警官時代もS&W 908を貸与され……キャラクターの保守性や拘りが銃の機構や安全装置に反映されるように設定した。
私の「銃を持った美少女キャラクター」に対する愛憎に関しては、上の記事を参照して下さい。
■マテバ6ウニカ✕チアッパ・ライノ✕M1014クローン
顔カプです。すいません。でも聞いて下さい。イタリア製の銃器はベレッタ社(と、現在はベレッタ社傘下にあるベネリ社)が有名だけど、『攻殻機動隊』の影響でマテバの名前を聞いたことがある人も多いと思う。チアッパ(キアッパ)・ライノはマテバ社のリボルバーと設計者が同じなんです。
そして、イタリアは1960年代にマカロニ・ウエスタンのジャンルを世界的に知らしめ……当時から映画向けやカウボーイ・シューティング向けに西部劇の時代の銃のレプリカを製造する会社が結構あるんです。
そして、そのようなイタリア製銃器というのはブラジルのタウルス(トーラス)、エジプトのヘルワン、トルコのヴルサン、そしてアメリカのストーガー社など……世界各地でライセンス生産を許可したり販売拠点を持っていたりするわけです。だから米軍が採用したベネリM4ことM1014のクローン品もまた、マカロニ・ウエスタンのレプリカ・モデルのイメージに先祖返りしているというわけです。
要するに、チューブ弾倉のセミオート散弾銃とマテバなどのモダンなリボルバーで現代的な西部劇のイメージになるじゃん! と気付いたということです。ちなみに個人的にはマテバ6ウニカは二丁拳銃だとなお良いです。
■デザートイーグル✕クリンコフ✕P90✕SPAS12✕M60✕バレット
映画やゲームなど、フィクションの記号としての銃の組み合わせ。皆が好きなやつというか、ケレン味重視というか。ゲームなどで銃の種別ごとに一挺ずつだけ選ぶなら、この辺りの個性が強いものを選ぶよな、というようなチョイス。90年代前後のステレオタイプなマッチョイズムっぽさはある。
何と言ったら良いのか分からないが……私は結構カツカレーが好きだ。
■FNファイブセブン✕H&K MP7✕AN-94
ソ連が崩壊し冷戦が終結した91年前後は、様々な特異な銃器が登場した時期でもあった。誰もが知っているFN P90はそのうちのひとつで、これは拳銃弾サイズながら防弾チョッキへの貫通性能を高めた5.7x28mm弾という新規開発の弾薬を使用するPDW(個人防衛火器)という呼ばれる、新しいカテゴリの銃器だった。
そのサイドアームとして開発されたFNファイブセブンは、P90と同じ5.7x28mm弾を使用する。FN P90のサイドアームとしては、同じ弾薬を使用するFNファイブセブンを充てがうのが王道の組み合わせと言える。
しかしここであえて対抗馬のH&K MP7を組み合わせてみる。MP7は同じくPDW弾に分類される4.6x30mm弾を使用し……P90やファイブセブンと似た性能を持っている。しかしMP7にはサイドアームとなる拳銃が開発されていない……(H&K UCPというのがあったが、開発中止となった)。そこでライバル会社のFNファイブセブンでその隙間を埋めてあげるのが萌えポイント。
同時期の銃に、ロシアのAN-94というものがある。これは特異な構造で高速二点バーストという機構を実現した変な銃である。80年代末、PDWの概念とは別に高速バースト射撃という概念が妙に流行っていた。
ケースレス弾を使用するH&K G11も高速バースト射撃を採用した銃の一つだった。こういう変な銃ばかり登場するCruelty SquadというFPSがあって、日本語化も作りましたので、皆さん興味があれば遊んでみて下さい。
レビューも書きました。
— Serge Paiu (@SergePaiu) August 25, 2019
閑話休題。それとは別に、自分はメタルギアゴーストバベルやスプリンターセルシリーズが好きで、その主人公たち(ソリッド・スネークとサム・フィッシャー)が使用する拳銃がFNファイブセブンだった。
メタルギアゴーストバベルでソリッド・スネークがFNファイブセブンと合わせて使用するのが、イスラエルのガリルSARを南アフリカでライセンス生産したヴェクターR5だった。のちにMGS4でFNファイブセブンは再登場するのだが……R5は出てこなかった。その代わりに登場していたAN-94を合わせてみたら、冷戦終結前後に開発された特異な性能の雰囲気が何となくマッチするように思えた。
そうしていたら、CoDブラックオプス2でFNファイブセブンが近未来の制式拳銃っぽくなった解釈の世界線が提示され、MP7やAN-94も登場し、おれの推しカプの強度が急速に高まったと感じた。全ては私の主観とバイアスに基づいた妄想なのだが、萌えてしまったんだから仕方ないだろとは思った。
そんな感じです。私はこういう妄想ばかりして生きています。あしからず
https://skeb.jp/@Doe774
skebのリンクを貼っておきます
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