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大過去問国語ゼミで 2010年 第1問 の問題の解説を聞いてみた.

問題はここ↓↓↓

東京大学2010年国語第1問 『ポスト・プライバシー』 | 東大現代文過去問を解く ― 元・文I/法学部生が入試問題をおさらい ―

角谷の答案

角谷の答案

感想

ダメダメでした... 「プライバシーの拠点の移行」が「みんが外面かきだして、それが慣習化したから」だと思い込んでしまったが, そんなわけはなく, 問3で0点を取ってしまった...


ここからは講義を受けたメモです.

メモ

  • 国語は100分/80点 現代文は40点でぶんかりか共通
  • 30点取れないとまずい

答案の書き方

  • 主題文を把握 (各段落の大事なところをハイライトする)
  • 問題要求を把握
  • 材料を集める
  • 解答を作成する

形式的には、2行問題に対して:

  • 理想的には1行30字: 2行60字が理想、2行で70字
  • 必要な要素は3つであることが多い
  • 文章と同じ表現を答案に入れないこと

問1

問題: 内面のプライバシーとはどういうことか?

内面プライバシーは何か説明する

第1段落: 個人の本質はその内面にあると見做されていて、内面を推し量ろうとしてきた。

  • 内面について: 内面は社会的自己と結びついている (第1段落)、内面 = 自分の私生活の領域や身体のケア、感情の発露
  • 第8段落: 個人の体の周りや皮膚の内側とその私生活の中にあったプライバシー
  • 第9段落: つまり個人の内面や心の秘密をとりまく私生活から、内面の中で一番重要なところは私生活領域である。

言い換えの例: 人格的質 / 私生活領域

  • プライバシーについて: 第3段落: 自分の私生活の領域や...を他人の目から隠しておきたい ということ。
  • 時代設定: 近代であること。個人の本質がその内面にあると見做されていた。
  • 誤答例: 第3段落二行目: "あるいは"自分の社会的文化的イメージにふさわしくない(ことを隠すこと) という文は、これはのちの社会的自己の維持と関連していて、プライバシーそのものとはずれている。

採点基準:

  • 内面の言い換え: 2点
  • プライバシーとは何か: 2点
  • 近代であることの言及: 1点

角谷の反省 「自己を操る内面」という内容から, 内面は自己を操るものだという変形に抵抗を抱いてしまい, 答案が変になってしまった...

問2

問題: 自己のコントロールが必要な理由は?

  • 第4段落: 個人の自己統一性というイデオロギー: しなければならないこと。自己は個人の内面によって統括され、一元的に管理される。矛盾を見せてはいけない。
  • 第4段落: 社会的自己: 周囲からの個人のイメージを守る

直接の理由: 第5段落: 個人が自らの社会向けの自己を維持するため。その背景には近代の自己は個人の内面によって統括され、個人はそれを一元的に管理する責任があるという信念がある。

採点基準:

  • 内面を統括管理する必要がある: 2点
  • 矛盾を見せず 1点
  • 社会的自己を維持するため: 2点

問3

問題: 情報化が進むと、個人の内面を見ることなく内面を知れる理由は?

文章構造: 第7段落: しかし、個人の役割が縮小...この文章の切れ目。

直接の理由: 第7段落: 個人にまつわる履歴のデータで十分。

並列した理由: 個人データで見ることが、客観的で公平。筆者の弱気の意見ではあるが、要素を収集する観点から見るとこれしかない。

  • 情報化が進むとは: 第8段落: 私たちの私生活の行動パターンではなく...分析されているということ。

採点基準:

  • 情報化 = 行動や好みまでデータ化: 2点
  • 履歴で十分把握できるから: 1点
  • さらに、客観的に公平だから: 2点

ポイント: 理由としては履歴で把握できるというのは十分に思えるが、筆者が2つの理由を並列に挙げている以上は、2つの理由を足し算で書く必要がある。

問4

問題: ボガードの言葉は...対応しているとはどういうことか?

答えの形式: フォーマットは、ボガードが表した内容はプライバシーの拠点が「ほげ」から「ほげ」に移行した。

  • ボガードの言葉: プライバシーはかつての魅惑的な秘密ではない。
  • 近代におけるプライバシー: 私生活領域
  • 情報化後: 個人を分析するデータとなり、情報システムに管理されている

採点基準:

  • ボガードの言葉: 2点
  • 従来のプライバシー: 1点
  • 情報システムに移行: 2点

問5

問題: 今日の社会における個人のあり方とはどういうことか?

まずこの問題は個人のあり方を問うていて、プライバシーの拠点を聞いてはいない。また、今日の状況を聞いていながらも、文章全体を踏まえると対比先の近代の話も聞いている。

すると、答案の形式は:
近代では、個人のあり方が「ほげ」で「ほげほげ」であったが、今日では、「ほげ」が「ほげほげ」である。

この文章において対比されているものは以下の3つ:

近代 現代
個人の本質は、内面 データ化されている
内面は個人が一元的に管理する責任がある 個人の役割は縮小
社会的自己を維持する 情報を提供して管理されているので、その必要はもはやない

ポイント: 各要素を並列的に並べているので、本当は各対比の要素3つを直列な論理関係で繋がなくてはならない。

採点基準:

  • かつての個人の本質: 2点
  • その対比: データ 3点
  • 内面は管理: 2点
  • 内面の役割が縮小した: 3点
  • 社会的自己: 2点
  • 情報管理: 3点

感想: 対比をすることはわかったけど, そもそも対比されているものを複数列挙するという発想がなかった. 要素採点をされるのだから, 列挙で上げて行ったほうがいいのだなぁということに気づいた.