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名門バルサにカタルーニャ独立運動の影

2012年11月27日(火)15時07分
ジミー・バーンズ(ジャーナリスト)

「愛国心」が大きな圧力

 バルサの監督だった昨年、グアルディオラはスポーツ関係者として初めてカタルーニャ議会に招かれ、同州では最高の栄誉である勲章を授与された。そのとき彼が行った演説は実に簡潔明瞭で力にあふれ、ライバルクラブのファンにも絶賛された。

 グアルディオラは議員たちを前にして、人生で自分が取り組んでいることに情熱を傾けることの大切さを語った。さらに自分の情熱の対象は政治ではなく、サッカーだとも語った。

 バルサの選手・監督としてのグアルディオラの実績は誰もが知っている。しかも彼はこの演説をカタルーニャ語で行い、「カタルーニャが独立することを信じる」という言葉で締めくくった。それらの事実が、この演説をサッカー界の著名人による普通の発言とは別次元のものにしたことは間違いない。

 バルサは、カタルーニャの政治的、文化的、社会的アイデンティティーが刻み込まれた存在だ。グアルディオラはロセイと同じく、サッカーは政治的野心に影響されないほうがいいと考えているようだ。しかし演説から1年が過ぎた今、バルサは激しさを増すカタルーニャのナショナリズムに直面している。それはバルサのグローバルな人気に傷を付けかねない。

「クラブ以上の存在」から、どこにでもあるクラブに変わってしまうのか。バルサの正念場はしばらく続く。

[2012年10月24日号掲載]

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